放置している定期預金はより高利率で預け替えないともったいない!ただし中途解約で損することも…見極め方を解説

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利用している銀行の定期預金の金利が上がっているけど、過去の定期預金を解約して、よりいい金利が適用される定期預金に預け替えたほうがいいの?そんな疑問を持っている読者もいるだろう。中途解約する場合は、条件を見てシミュレーションをしないと損をしてしまう可能性があるという。判断のポイントを、経済評論家・マネーコンサルタントの頼藤太希さんに解説してもらった。

文=頼藤太希 

預け替えが増えている

数カ月〜数年の間お金を預けることで、普通預金よりも多くの利息をもらえる定期預金。

最近は金利が急上昇しているため、過去に預け入れた定期預金を解約して、同行でもより高い金利の定期預金に預け替える動きが増えています。筆者にもメディアからの取材が増えています。

2024年1月時点では、金利が比較的高いネット銀行でも定期預金の金利はおおむね年0.1%の水準(普通預金金利は0.001%)でした。

しかし、2024年3月にマイナス金利が解除され、ジリジリと預金金利も上昇。2025年1月時点では、ネット銀行では年0.2〜0.5%の水準になりました。2026年4月時点では、さらに金利が上がり、年1.2〜1.3%をつける金融機関も出てきています。

今回は、定期預金を解約する方法、中途解約時の注意点、預け替えのポイントを一緒に考えていきます。

定期預金を解約する3つの方法

預入期間の決まっている定期預金でも、途中で解約手続きをすることでお金を引き出すことは可能です。定期預金を解約し、お金を引き出す手続きには主に3つの方法があります。

(1)中途解約
定期預金が満期を迎える前に解約する方法

(2)満期解約
定期預金が満期を迎えたときに解約する方法。定期預金を始める時に「自動解約型」で契約した場合には、定期預金の元本と利息が指定された普通預金に入金されます。

(3)解約予約
定期預金を継続しないで解約する方法。定期預金を始める時に「自動継続型」で契約した場合には、満期を迎えた時に同じ条件で定期預金が継続されます。自動継続型で定期預金の解約を考えている場合には、事前に満期日に解約するように予約する必要があります。

中途解約のデメリット

定期預金は一定期間預け入れをすることを条件として、高い金利を設定しています。

そのため満期を待たずに中途解約した場合に、ペナルティとして本来の定期預金の金利よりも低い「中途解約利率」が適用されるようになっています。

つまり中途解約すると、当初予定していたよりも、もらえる利息がグッと減ってしまいます。

たとえば、イオン銀行「スーパー定期」の中途解約利率は次のとおりです。

同商品の場合、中途解約利率は当初預入期間と解約までの期間によって変わります。「約定利率」は、定期預金に預け入れした時の金利です。解約までの期間が6カ月未満の場合には、普通預金の利率が適用される場合もあります。

高い金利で人気のある、あおぞら銀行「BANK The 定期」の場合は、

「中途解約利率は年0.1%(税引後年0.0796%)です。普通預金金利は適用されませんのでご留意ください。」

とあります。同行の普通預金金利は残高100万円以下まで年0.75%、100万円超から年0.5%なので、ペナルティは厳しいことがわかります。

たとえば、次の条件であおぞら銀行「BANK The 定期」を中途解約します。

・元本:100万円
・預入時:2025年10月
・当初預入期間:1年
・約定利率:年0.65%(単利型)
・中途解約の時期:2026年4月(預入期間は180日)

中途解約利率は年0.1%となり、この利率を預入日から中途解約した日までに適用するので、得られる利息は100万円×0.1%×(180日÷365日)≒493円です。

ただし、利息には20.315%の税金がかかりますので、実際に受け取れる金額は392円です。1年間解約せずに保有していた場合の利息(税引後)は5179円ですから、事情があって中途解約するので仕方ないとはいえ、もったいないことがわかります。

中途解約が損になってしまう例

満期解約・解約予約をする場合には、解約前に次の預け先を選んでおくことがポイント。より金利の高い金融機関を選べばそれだけ有利になります。

中途解約して預け替えする場合は、事前にシミュレーションを行ってからにしましょう。

たとえば、先ほどの例では、1年間解約せずに保有していた場合の利息は5179円だったのにもかかわらず、中途解約したことで受け取れた利息は392円となりました。

失利益は、5179円−392円=4787円です。

つまり、預け替え後の半年分の利息がこの逸失利益を超えるのであれば、預け替えした方がいいことになります。

本稿執筆時点(2026年4月22日)のあおぞら銀行の「BANK The 定期」の1年ものは年0.9%です。1年後にもらえる利息(税引後)は7171円(利息は満期日にまとめての支払い)です。合計の預入期間は7カ月ほど延びてしまいますが、半年分の利息は3585円です。この例では預け替えをしない方がいいということになります。

中途解約をしたほうがいい例

預け替えした方が良い例も見ておきましょう。

あおぞら銀行「BANK The 定期」の2024年9月1日時点の2年ものの金利は年0.22%でした。

次の条件であおぞら銀行「BANK The 定期」を中途解約します。

・元本:100万円
・預入時:2024年9月1日
・当初預入期間:2年
・約定利率:年0.22%(半年複利型)
・中途解約の時期:2026年4月17日(預入期間は593日)

中途解約利率は年0.1%ですから、得られる利息(税引後)は1300円です。

満期まで保有した場合の利息(税引後)は3511円なので、逸失利益は、3511円−1300円=2211円となります。

上述の通り、あおぞら銀行「BANK The 定期」の1年ものは年0.9%。この商品に預け替えた場合、1年後にもらえる利息(税引後)は7171円でした。合計の預入期間は7カ月ほど延びますが、半年分の利息は3585円なので預け替えたほうがお得でしょう。

預入時期、預入金額、中途解約利率、単利タイプか複利タイプなどによって、中途解約して預け替えたほうが良いかどうかは変わってきますので、事前にシミュレーションをしてから行うようにしましょう。

「短期」の定期預金を戦略的に活用

預金金利は、日本銀行が定める「政策金利」を元にして決まります。今後も利上げが行われるかどうか、それがいつなのかの予想は難しいですが、政策金利が上昇するなら、定期預金の金利も上がっていくことでしょう。

政策金利を決める日銀の金融政策決定会合を注視しつつ、金利上昇局面では、満期までの期間の短い定期預金を選ぶのが手です。

中途解約をしての預け替えは、上記のようなシミュレーションや手続きの手間がありますので、満期を迎えたら新たに短期の定期預金に預け替えしていく戦略がおすすめです。

定期預金の特徴を理解して上手に活用していきましょう。

頼藤 太希(よりふじ・たいき)
経済評論家・マネーコンサルタント。(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。ファイナンシャルプランナー三田会代表。