アラスカって知ってるか? 美しい大自然と美味しいシーフードの魅力をきれいすぎる画像で紹介、実は身近な関係も!

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アラスカと聞いて、どんな場所を思い浮かべるだろうか。「遠い」「寒い」「とにかく大きい」--そんな漠然としたイメージを持つ人が多いかもしれない。でも実際には、アラスカは日本にとって「関係の近い」場所なのだそう。4月8日、アンカレジ観光局が東京でメディア向けのランチ懇親会を開催した。現地の観光業者とともに来日した関係者たちの話と提供してもらった公式画像で、アラスカの魅力を整理してみた。

ハワイより近い、日本の「隣人」

まずはアラスカの「いろは」から。アラスカ州はアメリカ合衆国の49番目の州で、1867年に当時の国務長官ウィリアム・スワードがロシアから720万ドル(現在の価値で約132億円)で購入したことでアメリカ領となった。

自然に囲まれたアンカレジ ©Frank Flavin

そしてその面積は約148万平方キロメートル。1つの州で日本の国土の約4倍とは、とてつもないスケールだ。一方人口は約73万3000人(2022年)なので人口密度は1平方キロメートルあたり0.4人。これに対して東京23区は約1万5000人だ。

アラスカ州はクルーズの寄港地としても人気が高い ©Ashley Heimbigner

一方、「遠い場所」というイメージとは裏腹に、アラスカは場所によっては日本から約3000キロメートルしか離れていない。あのハワイよりも近いとは知らなかった。

数字で知る、圧倒的な自然のスケール

アラスカの大きさは、その数字をいくつか並べてみるだけで実感が湧いてくる。アンカレジ観光局で日本・アジア地域の担当営業部長を務めるアレックス・ウォングさんによると、州内には10万の氷河、300万の湖、1万2000本以上の川が広がる。海岸線は1万km超に及び、アメリカ全50州の中でも最長を誇る。標高6190mで北米最高峰の山、デナリもアラスカ州にある。

巨大なニック氷河。これがアンカレジから日帰り可能とは! ©Julie Dodds

州はおおまかに5つの地域に分かれている。クルーズ旅行者に人気の東南部「インサイドパッセージ」(州都ジュノーもここ)、州最大の都市アンカレジを擁する中南部(キナイ半島やマタヌスカ渓谷を含む)、アリューシャン列島とコディアック島からなる西南部、デナリ国立公園と州第2の都市フェアバンクスがある中央部、そして犬ぞりレースの終着点ノームを含む北極圏エリア。

鉄道や道路が整備されている中南部・中央部は旅行者にとってアクセスしやすく、極北部や西南部は飛行機でしか辿り着けない秘境として冒険心をくすぐる。

きっと実はもう食べている!アラスカと日本の食の縁

懇親会のランチには、アラスカ産シーフードを使った料理が供された。アラスカで漁獲されるシーフードは全米で水揚げされる水産物の60%を占め、アラスカが州ではなく国であったら常に世界トップ10に入り続けるという驚異的な規模なのだが、それでも刮目すべきはそこではなかった。アラスカシーフードマーケティング協会の担当者が強調したのは、「すべて天然」「サステナブル」という二つのキーワードだ。

©Alaska Seafood Marketing Institute

アラスカ州では1959年の州憲法制定時から、魚をはじめとする天然資源について「持続可能な範囲でしか使用しない」という原則が定められている。「SDGs」が生まれる何十年も前からその精神が脈々と受け継がれてきた、いわば筋金入りの持続可能性だ。さらに、豊富な天然水産資源の再生産力を活かして持続可能な漁業を実現するため、魚の養殖すらも法律で厳しく禁止されている。これによってアラスカ産のシーフードに「養殖物」は存在しないことになる。

食品表示の制度の中で、日本では「米国産」と記されることが多いためアラスカ産であることを意識する機会は少ない(筆者は見た記憶がない)。しかし実際には2025年のデータで加工品も含めて年間約12万トン、額にして約1145億円相当ものシーフードがアラスカから直接輸入されていて、さらに別の国で加工されて入ってくるものを含めれば年間15万トンから20万トンにものぼると推計されるとのこと。

©Alaska Seafood Marketing Institute

具体的には、例えばスーパーなどで手に入るカニカマやちくわ、魚肉ソーセージ、あるいはコンビニでこの前買った「ぎんだら西京焼き」や「紅鮭塩焼き」などは、アラスカで水揚げされた魚が使われているかもしれない。また、あのフィッシュバーガーやどこかで食べたお寿司の天然サーモン、いくらや筋子もそうかもしれない。

アラスカ州は漁業と観光業が民間セクターの主要産業©Alaska Seafood Marketing Institute

ファミリーマートでは、2025年3月24日から4月20日まで「未来につなごうアラスカの海」キャンペーンが展開され、アラスカ産シーフードを使ったおむすび(「手巻き・辛子明太子」と「紅鮭ほぐしと生たらこ」)の売上の一部がアラスカの漁業管理の現場に寄付される取り組みがおこなわれている。またアラスカ産であることを示すロゴマークの普及も進んでいる。

なお、アラスカ産のシーフードでよく輸入されているのはスケソウダラが一番だが、それ以外にもシマホッケやカレイ類、銀だら、赤魚、ズワイガニ、タラバガニ…と種類も豊富。こうして見ると、実は相当な頻度で口にしているのかも。

アンカレジのレストランで出されているタラバガニの一皿 ©JodyO.Photos

アラスカシーフードマーケティング協会トレード・レプレゼンタティブの家形晶子さんは、「手つかずの大自然に育まれたシーフードのおいしさを現地でも、そして日本でも味わっていただきたい」「アメリカへの旅は『食事が多すぎたり重すぎたりでちょっとあわないかも』としりごみされる方もいらっしゃるかもしれませんが、アラスカの場合は常に選択肢にシーフードがあるので胃にもやさしいですよ」とアドバイス。筆者もまずは身近なアラスカ産の天然シーフードを意識して見てみようと思います。

旅の拠点・アンカレジ--都市の便利さと大自然が1時間圏内に

アンカレジは州の人口の約40%が暮らす最大都市でありながら、街を囲むように連なるチュガッチ山脈をはじめ、1時間圏内に60以上の氷河が点在する自然に恵まれた場所だ。近郊には約1500頭のムースをはじめ、ワシ、キツネ、ベルーガホエール、クマなどの野生動物が生息し、多彩なトレイル、川、博物館、多様な食の選択肢も揃う。

アラスカ鉄道の乗車は日本からの旅行者にも人気の高い体験だ ©Juno Kim

アンカレジ観光局のプレジデント兼CEOであるジュリー・ソープさんによると、同局は「アーバン&ワイルド」をアンカレジの最大の魅力として打ち出しているところ。また、利便性が高く宿泊施設も豊富なアンカレジはアラスカ州内各エリアへのアクセスも良好であることから、旅の拠点としてプランを立てやすい点も強みとなっている。

北米最高峰の山、デナリ ©Ashley Heimbigner

また、気候は夏の平均気温が約17度と涼しく、酷暑の日本と比べれば文字通りの別世界。冬もマイナス6度程度と海洋性気候で比較的穏やかだそう。観光局では、ハイキング、フィッシング、野生動物見学、氷河クルーズ、紅葉、オーロラと通年で楽しめる旅先であることもアピールしている。

圧倒的なスケール感のマタヌスカ氷河©Takako_Nambu

特に今回のイベントで強調されたのが冬の魅力で、夏に比べて宿泊費用を抑えることができ、晴天率も高く、オーロラも期待できる。オーロラは条件次第でダウンタウンからでも観測可能だ。さらに一押しという体験がマタヌスカ氷河のハイキング。冬は氷が安定するため氷河の上を安全に歩くことができ、「氷河版アンテロープキャニオン」と言えるほどの光景が広がる。

「間に合った気がする」-星野道夫さんの言葉が伝えるもの

今年2026年は、写真と文章を通じてアラスカの野生動物や自然、人々の暮らしを伝え続けた写真家・星野道夫さんの没後30年にあたる。

今回のイベントでは、ナレーターであり声優でもある磯部弘さんがスペシャルゲストとして登場。磯部さんは、星野さんの写真と物語を通じて地球の自然の美しさを伝える公演を10年にわたって日本各地で届けてきていて、会場で星野さんの体験をもとにした朗読作品を披露した。

オーロラも魅力のひとつ ©JodyO.Photo

印象的だったのは「間に合った気がする」というフレーズだ。幼い頃から、かつてのアメリカン・バッファローと先住民の暮らしのような地球や自然の悠久のダイナミズムへの憧れと、それらがすでに手が届かない存在となっている喪失感を同時に抱え続けていた星野さんが、アラスカでカリブー(トナカイ)の大移動についに遭遇できた瞬間に覚えた感覚だという。奇跡のような光景を目の前にして、胸の奥からこみ上げてきた言葉。

美しいデナリの風景とカリブー©Osamu Hoshino

星野さんはこんなことも語っていたそうだ。「訪れることのない遠い自然も、ただそこにあるという意識を持つだけで、想像力という豊かさを与えてくれる」「そんな遠い自然の大切さがきっとある」と。物理的には近いけれど、心象としてははるか遠くにあるアラスカ。今回のイベントはその心理的な距離を少しだけ縮めてくれたような気がする。

数多くの野生動物が暮らすアラスカ州 ©Julie Dodds

ちょっと想像以上! 大自然や野生動物の美しさとスケール感に圧倒されるアンカレジの画像ギャラリー(23枚)