富山の中東ショック 苦心するアルミ産業
不安定な中東情勢は、富山の主力産業で住宅のサッシや自動車部品など幅広い分野で使われる「アルミ」にも影響を与えています。中東のUAEにある精錬工場が軍事攻撃を受けた影響などで、国内ではアルミ地金の価格が高騰し、メーカーは対応を迫られています。記者リポートです。
記者
「身近なアルミ製品と聞いて、アルミ缶やアルミ箔は浮かぶと思いますが、実はパソコンやスマートフォンなどにもアルミが使われています。そんなアルミにも中東情勢による価格高騰の波が押し寄せています」
アルミファクトリー 棚元優太社長
「価格を上げたいという要請がかなりきていて、1.2倍程は上がってくるのは覚悟している」
日本のアルミ地金の輸入のおよそ3割を占めるUAEでは先月、国内最大の精錬工場が軍事攻撃を受けました。ホルムズ海峡の事実上の封鎖も物流に影響を及ぼし、中東からのアルミ出荷に制限がかかっています。県アルミ産業協会によりますと、アルミの地金価格は4月に入って1キロ700円台を超えました。円安の影響や銅の代替品としての需要から近年は上昇傾向が続いていますが、手元に記録が残る2004年以降、最高値を更新しました。
アルミファクトリー 棚元優太社長
「お客様にもそのことを伝えて価格転嫁をさせていただく可能性があることを、相談させてもらっている」
影響は地金の価格だけではありません。石油を原料とするポリ袋など、ほかの材料費も軒並み高騰しています。
アルミファクトリー 棚元優太社長
「ポリ袋だったり、梱包資材、段ボールだったり、8パーセントから、高いもので15パーセント近く値上がりが起きている」
さらに、追い打ちをかけるのがアルミを削りやすくするために必要な「切削油」。この会社では以前から対策していたため、3か月分の確保はできていますが、その先、新たに入荷できる見通しは立っていません。一方で、こうした社会情勢や他社の影響に左右されないように、事業の見直しも進めています。3年前に新規事業として製造・販売を始めた「防災製品」です。テーブルやベッドなどの4役を1台でカバーできる避難所向けの製品で、これまで県内や近隣県に出荷してきましたが、今年度から全国に向けて販路の拡大を目指しています。
アルミファクトリー 棚元優太社長
「元々専属の下請け会社だったところから、どういった社会情勢が起きてもコントロールができるように、自社商品を開発してきた」
「ポジティブに捉えて、会社をよくできるように成長していきたい」
不安定な情勢の中で少しでも経営を安定させようと、メーカーは模索を続けています。
アルミの地金価格は3年前に比べておよそ倍になっています。今回の中東情勢だけでなく、日本の主要な輸入先であるロシアをめぐる情勢も影響していて、先行きが見えない状況が続きそうです。
