イングランド戦で途中出場した小川。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本サッカー協会は、5月15日に北中米ワールドカップに挑む日本代表のメンバーを発表する。

 アジア最終予選では主力や常連メンバーだった選手も、コンディションや新戦力の台頭で落選の可能性がある。いわゆるストライカー陣では、上田綺世(フェイエノールト)に次ぐ存在と見られていた小川航基(NEC)もそのひとりだ。

 A代表では14試合で10得点と抜群の決定力を誇る28歳は、アジア最終予選でも鎌田大地と並ぶチームトップタイの4ゴールを挙げた。

 これまで、上田が先発しない試合では、1トップを担うことが多かったが、3月のスコットランド戦では、成長著しい後藤啓介にスタメンの座を奪われた。

 結局、そのスコットランド戦では出番がなく、続くイングランド戦でスタメンの上田に代わって66分から途中出場したのみに終わり、見せ場も作れなかった。

 森保一監督がスコットランド戦で後藤を初めてスターターとして起用したのは、ワールドカップ本大会で上田を温存する試合があると想定し、スタメンとして機能するかを見極めたかったからだろう。

 小川はボックス内で抜群の得点力を誇る一方で、上田が得意とするポストプレーはやや不得手だ。いまの日本代表は、シャドーとウイングバックに配した攻撃的タレントを活かすため、1トップのポストワークは欠かせない。森保監督も後藤がどこまで周囲を活かせるかに注目していたはずだ。
 
 スコットランド戦、後藤は屈強なCBを相手にロングボールを収めるのには苦戦したが、足元に来たボールをワンタッチで落とすプレーはしっかりとこなしていた。

 小川がクラブで控えに降格してしまったこともあり、指揮官が勢いを買って後藤を2番手FWと考えるかもしれない。

 さらに、NECではその小川のバックアッパーだった塩貝健人(ヴォルフスブルク)の存在も脅威だ。代表デビューを飾ったスコットランド戦では78分からの投入で、アシストをマーク。短時間ながらタイプの違う上田との2トップも可能性を感じさせた。

 イングランド戦では出番のなかった塩貝だが、その口ぶりから、練習では相当いい動きができていたようだった(ゲーム形式のトレーニングは、報道陣にはほぼ非公開)。

 主力MFも鎌田もこう期待を寄せた。

「足がすごく速くて、ゴールを取ることを意識しながらプレーしてるのはすごく分かりますし、シュートを入れる上手さも見ていて分かります。強豪国との試合になれば、よりカウンター主体になってくると思うので、チームにとって、すごく大きな選手なんじゃないかなと思います」

 もしこの21歳が1キャップでサプライズ招集されれば、小川が弾き出されてしまう可能性がある。

 個人的には、その決定力は必要だと考えるが、クラブでの状態も含めて森保監督がどう判断するか。いずれにしても、当落線上に陥っていること自体が、「半年前には考えられなかった事態」と言えるだろう。

文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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