【新華社昆明4月15日】中国雲南省普洱(ふじ)市思茅区では春茶の茶摘みが最盛期を迎える中、区内に連なる茶山に特別な「茶摘み人」が次々と訪れている。

 各地から訪れた観光客が茶園の奥深くに入り、自らの手で新芽を摘み、製茶工程を体験し、豊かな自然の中で普洱(プーアル)茶文化の独特の魅力を感じている。地元では「茶園+(プラス)」モデルのイノベーションを通じて、茶産業を伝統的な栽培・加工から、探究学習、文化クリエーティブ、レジャー・観光など多様な分野へと拡張させ、「製品を売る」ことから「体験を売る」ことへ価値の飛躍的な向上を実現した。

 こうした没入型体験は、同区における茶と観光の融合の最大の魅力となっている。北京から訪れた王歓(おう・かん)さんは、茶摘み、殺青(さっせい、熱を加えて発酵を止めること)、揉捻(じゅうねん、茶葉をもむこと)から天日干しに至る一次加工プロセス全てに参加し、自作の荒茶を自宅に送って味わうことにした。王さんは「全工程を体験することで、心身がリラックスできただけでなく、茶葉1枚1枚の背景にある物語をより理解することができた」と語る。

 同茶園では、2014年に観光客の受け入れを試験的に開始して以来、茶愛好家のニーズに応え、加工や保管庫の見学から、茶の鑑定方法や入れ方についての学習に至るまで完全な体験チェーンを構築した。普洱市銀生茶業の侯建栄(こう・けんえい)董事長は「茶葉が茶園から茶杯(中国茶用の湯飲み)に至るまでの全工程を見せることで、観光客に茶のライフサイクルを真に理解してもらいたい」と述べた。

 同区は茶園を舞台に、雲南の茶産業チェーン全体の高度化を全力で推進している。産業の深い融合により、地元では「茶園+探究学習、文化クリエーティブ、スポーツ、レジャー・リゾート」など多様な体験モデルが形成され、茶葉企業が市場のニーズにより的確に対応できるようになっている。

 現在、同区では茶の栽培面積が35万3千ムー(約2万3500ヘクタール)に達し、各級の茶産業拠点が16カ所建設され、茶と観光をテーマにしたA級風景区(国が格付けした観光地)が8カ所、特色ある茶園が11カ所整備されている。かつての単なる茶の産地は、今や各地からの観光客を引き付ける新たな観光地となり、農村振興に力強い活力を注ぎ込んでいる。(記者/陳欣波)