(左から)橋本愛、佐藤二朗(撮影:識緒)

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 4月14日よりフジテレビ系で放送がスタートする、佐藤二朗と橋本愛がW主演を務める火9ドラマ『夫婦別姓刑事』。夫婦であることを隠しながらバディを組むという異色の設定のもと、「“オリジナル”という点に惹かれました」と語る佐藤と、「他にない挑戦だと思った」と語る橋本。コメディと人間ドラマが交錯する本作の魅力と、2人が築く関係性の手触りについて、クランクインを前に意気込みを語ってもらった。

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■佐藤二朗&橋本愛も役との共通点が多い?

ーー今回のこの企画を聞いたときの感想や、台本を読んでの印象を伺えますか。

佐藤二朗(以下、佐藤):映画にしろドラマにしろ、オリジナルは少なくなってきている印象があって。秋元(康)さんの企画・原案ではありますが、その“オリジナル”という点にも惹かれました。ただ、秋元さんから「現場に任せます」と言われていて、しかも僕をカッコよく見せてほしいと。スタッフはみんなどんよりしてましたね。……どうしようかなと。一番どうしようかなと思ったのは僕ですけど(笑)。まだ撮影に入っていませんから、未だにその答えは見つかっていません。あとは野となれ山となれ……(笑)というのは冗談ですけどね。

橋本愛(以下、橋本):結構“ザ・コメディ”というか、コメディ色の強い作品はこれまであまり経験がなかったので、新たな挑戦になると思いました。今まで鍛えてこなかったスキルを学べる機会になるんじゃないかというのが最初の印象です。

ーーお互いの俳優としての印象、お会いして感じたことがあれば教えてください。

佐藤:橋本さんの出演作は主に映画を拝見してました。なんて言うかな、俳優としての“垢”がついてないんです。これはとてもいいことで、選ばれし人だと思うんです。僕は映像をやり始めて26年ぐらいになりますが、とにかく垢を削いでやりたいと思ってるんで、それが最初からできている人というイメージです。俳優の垢っていうのはないに越したことはないですし、僕は意識的に落とそうとしてるけど、橋本さんは最初からない。そういう意味で、素晴らしい女優さんだと思っています。

橋本:ありがとうございます。佐藤さんは、唯一無二の芝居をされる方で、表現が豊かだという印象が強いです。でもそれだけではなくて、作品や表現にとても真面目に向き合っていらっしゃる方なんだろうなと感じています。

佐藤:いいね。いくつになっても褒められるのは。ずっと聞いてたいよ。

橋本:(笑)。

ーー本作で演じるご自身の役柄について、魅力的だと感じた点を教えてください。

佐藤:脚本の矢島(弘一)さんは前から知っていて。劇団東京マハロをプロデュースされていて、僕も観に行ったり、先日宮沢りえさんとやった、僕が脚本を書いた舞台『そのいのち』を観に来てくれたりと、以前からご縁があるので、誠は当て書きじゃないかなと思っています。僕は精神年齢6歳の56歳児と言っているんですけど、子どもっぽいというより“子ども”なんですよね。実際そういうシーンもありますし。橋本さんは、実際がどうかは作品からは測りきれませんが、とても落ち着いた品のある方という印象なので、いわゆる図体はでかいけど子ども、そしてクールビューティーというか落ち着いた感じとのデコボコが出ればいいなと思っています。

橋本:明日香は正義感が強くて芯があり、事件に真心を持って誠実に向き合うパワフルな女性。一方で四方田さんのことも、上司としてというより刑事としてすごく尊敬していて。ただ、家庭に入るとその関係が少し変わって、逆転とまではいかないですけど、明日香が主導権を握って誠を振り回すような部分もあって、そういう役回りを面白がってもらえたらと思っています。登場人物みんなそうですが、チャーミングな部分が際立って描かれているので、そこを愛らしく感じてもらえたら嬉しいです。

ーー橋本さんはご自身の役柄との共通点について、どのように感じていますか?

橋本:自分で言うのもあれですが、弱い立場に置かれている人に寄り添いたいという気持ちがあったり、粗雑に見えるけれど実はすごく気を遣っていて、周りの空気感を大切にしていたり、親しい人には自分をさらけ出したり。そういった部分は、あまり役作りを深めなくても自然体で演じられるかなと思っています。

ーーちなみに、橋本さんは振り回したいタイプですか?

橋本:振り回されたくはないですね……どちらかというと。

佐藤:そういう意味でもいいバディになりますね。私はどちらかというと“振り回されたい”ですから。

■束の間の一人時間に何をする?

ーー誠と明日香は基本的に仕事中も家でもずっと一緒にいる設定ですが、実際にそういう状況になったら嬉しいですか?それとも少し大変だと感じますか?

佐藤:それを答える条件としてはですね、「佐藤家だけはこのインタビューを見られない」という約束をしてくれるなら、その保証があれば、です(笑)。

一同:(笑)。

佐藤:だってまず妻のことを考えるじゃないですか。「職場でもずっと一緒にいたいです」って言うしかないじゃないですか。「職場ではちょっと勘弁してほしいです」なんて言ったら……佐藤家に波乱が起きたらどうするんですかっていう(笑)。まあ一般的に考えると、妻が職場にいたら……ちょっとあれだな。いや、それもダメだな。やっぱり24時間一緒にいたいって言うしかないや。……橋本さんはどうですか?

橋本:でも、お互いが自立した人間同士であれば、きっと大丈夫なんじゃないでしょうか。

佐藤:なるほどね。それ、俺の答えとして書いといて。

橋本:(笑)。私は1人の時間がすごく好きで、かなり楽しんでます。

佐藤:役者でもなかあき(=休憩時間)が好きな人いるよね。

橋本:そう、私なかあき大好きなんです。

ーー束の間の一人時間ができたらどんなことをしますか?

佐藤:僕はこんな図体なんですけど寂しがり屋で、家に帰るとすぐお母さん(妻)を探しちゃうんです。「あれ、お母さんいない」ってなるので、一人の時間はそんなにいらないですね。もし一人だったら、酒を飲むかな。

橋本:なかあきの時間はずっと楽屋にいて、映画やドラマをいろいろ観ています。あと私はセリフを当日か前日に覚えることが多いので、なかあきがあると「この後のシーンのセリフを覚えられる!」と思ったり。あとは場所によっては近くの公園に行ったり、カフェに行ったり。息抜きはわりと必要なタイプかもしれません。

ーー今後撮影していくにあたって楽しみにしているシーンがあれば教えてください。

佐藤:本作に出演している坂東彌十郎さん、『鎌倉殿の13人』(NHK総合)では対立する役だったんです。でもすごい仲良かったんですよ。だから小栗(旬)とも3人でよく飲んだりもした思い出があるので、彌十郎さんと共演できるのは楽しみだし、『変な家』で共演した斉藤由貴さんや、清水美砂さんたちとの共演も楽しみです。もちろん、若い方と芝居するのもすごい楽しいけど、自分より年上の人がいるというのはちょっと甘えられると言いますか、嬉しいですね。こんなおっさんに甘えられても嫌だと思うけど(笑)。

橋本:1話ごとにゲストの方々とご一緒できるのも楽しみですし、個人的に好きなアーティストの方が出演されるので、そこもすごく楽しみにしています。

ーー警察を主軸にしたドラマはこれまでも多くありますが、本作ならではのポイントを教えてください。

佐藤:この作品の肝は、この2人の関係性にあると僕は思っています。単に笑えるかどうか以上に、関係性が重要だと思っているので、この2人の関係性でどれだけ魅力を引き出せるかが勝負だと思っています。

橋本:刑事という職業自体は多く描かれてきたテーマですが、私自身は刑事役は今回が初めてなんです。

佐藤:そうなの!?

橋本:はい。衣装合わせのときに「銃って持たせてもらえるんですか?」って聞いたりして(笑)。

佐藤:なんじゃそりゃ。かわいいな、おい。

橋本:やりたいことがたくさんあって、アクションや手錠など、できることは全部やりたいと思っています。刑事は男性が多い職業だと思うので、その中で女性刑事として魅力的なキャラクターを演じられたら素敵だなと。バディとしては、佐藤さんの表現に対して私がどんな佇まいでいるべきかを探りながら、素敵な関係性を作っていけたらと思っています。(文=佐藤アーシャマリア)