相撲仲間と大相撲三月場所観戦のため大阪へ遠征し、「大阪ならでは」を堪能しつつ優勝決定も目撃して仲間内の遠征熱高まるの巻。
これが大阪場所か!
ひょんなことから大阪へ行ってまいりました。ことの発端は昨今の大相撲人気の加速度的な高まりと格差社会です。これまで何やかんやで15年以上連れ立って大相撲観戦をしてきた相撲仲間の間では、最近めっきり本場所のチケットが取れなくなっており、昨年九月場所、今年の初場所とグループとしては連敗がつづいておりました。これは過去に前例のないことで、もはや観戦を東京場所に限定してもいられなくなったのです。
かつて、星のやり取りを紙のメモ帳に記録するという、SNSで集まった犯罪グループでもやらないアホな手口で八百長が発覚した頃、国技館は閑散としていました。戯れにお茶屋からチケットを買ってみたところ、カレンダーやら番付やらを送ってよこしながら毎場所の御用聞きなどしてきたもの。しかし、景気の回復、インバウンド需要の猛拡大とともに客あしらいはグングン悪くなり、最近では「有料高額ファンクラブ会員から先にチケットを買えるのは当然でしょうな…」みたいな顔で格差をつきつけてくるようになったのです。
これが野球やらサッカーやらであれば「そもそもそんなに客に富裕層はいない」「そのわりに会場はデカい」というバランスで僕のような地べた庶民にもチャンスはありますが、大相撲はそうではありません。前のほうにいるのは基本的に全員が富裕層か、富裕層の友だちです。マスという名の鉄格子に閉じ込められているのも、十五日間通しで抑えている富裕層もしくは、富裕層向けの旅行代理店が大半です。残ったわずかな空席に有料高額ファンクラブ会員から順におさまっていき、最後に地べた庶民がそこにゲリラ的に潜り込ませていただく、そういう構造になっているのだと僕はにらんでいます。「地べた庶民でも入れますよ」と言い張るためだけにゼロではない枚数のチケットをぴあとかでも一応売っている、そんなことであろうと。
そうした格差の壁にミスターSASUKE並みの絶望感で跳ね返されるなかで、昨年末には巡業観戦に繰り出し、そしてこの三月は大阪への遠征を計画するに至ったのです。計画の際、半分正義・半分嫉妬で燃え上がる相撲仲間たちが「絶対に横綱大の里を見るんじゃい」と息巻いているのを前にして、「初場所は自分用のチケットは取れたんで僕は行ったんです」「横綱大の里も見ました」「土俵入りも白星も」などとどうして今さら言えるでしょう。そうして僕も「絶対!絶対!何はなくても!この世でひとりの大の里!」とシュプレヒコールをあげながらこの遠征計画に乗ったのです。観光を敢行なのです!
↓ということでやって来ました大阪場所!
↓以降の話と大体同じなので忙しい方は動画でサクッとご覧ください!
会場となるエディオンアリーナ大阪は思った以上に大相撲感があふれています。根本的には体育館アリーナなんだろうと思っていたものですが、カラフルなのぼりやらも立ち、門のような構えで現実世界との境界を設けていて、敷地に足を踏み入れればなかなかの異世界感があります。国技館のような相撲専用アリーナとは違って、限られたスペースにいろいろなものを展開していることから、いささかコンパクトで省スケールであることは否めませんが、いつもあるものは大体ある、立派な本場所です。
入場口へと向かうエントランス部を活用してお茶屋さんが立ち並んでいたり、フォトスポットが用意されていたりと、チケットをもぎる前から相撲の雰囲気を楽しめるのもいい感じ。入場口には「暴力団お断り」の張り紙であったり、親方衆がチケットをもぎってくれるシステムであったりがしっかり用意されていて、国技館とまったく遜色ありません。むしろ、最近QRチケットなどと言い出している国技館よりも「木戸」で紙をもぎることを徹底している大阪のほうが情緒があるとさえ言えるほどです(情緒と不便は両立するが…)。
ロビーに入りますと、そこにはおなじみのトロフィー展示が。周囲には番付表の掲示やら横綱・大関の等身大的パネルやらも設置されており、早くも足を止めることに。独特な会場の作りに若干戸惑いつつも、場内を散策すれば「おなじみ」の催しが大阪でもしっかり展開されています。決して広くはない会場ですが、あらゆるスペースを活用して大相撲体験をさせようとしてくれているのはありがたいなと思いますよね。
↓エントランス部にはお茶屋さんやフォトスポットが充実!

↓入場口では荷物検査とかバーコードとかの気配一切ナシ!男は黙って紙!

↓天皇賜杯やら総理大臣杯やらと並んで吉本興業賞があるのが大阪らしさ!

真っ先に向かったのは腹ごしらえ。国技館でもおなじみの地下ちゃんこが、この大阪場所でもしっかり提供されていました。今回は出羽海部屋のみそちゃんこがワンコインでいただけるとのこと。館内地下にある食堂・えびすこ屋さんに向かいますと、美味しそうなおにぎりも一緒に提供されているではありませんか。ワンコインちゃんこ+おにぎり2個でちょうど1000円のランチが完成するという寸法には、完璧なランチだなという手応えを覚えます。味も大変よろしく、元気が出るランチでした。
↓大相撲でちゃんこを食べずにどうするものか!

↓国技館の地下大広間ほどではありませんが立派な食堂が!

↓この味噌ちゃんこ美味しかったのでまた出してください!

お腹が膨れたところで次は売店の物色です。国技館では外周のコンコースに沿っていろいろなお店が展開されておりますが、こちらではスペースのあるところ…何となく各階の四隅とかにお店が設けられている模様。ロビーからつづく1階スペースには親方衆が会計をしてくれることでおなじみの公式売店「すも〜る」や大人気のガチャコーナーなどが設置されています。国技館にあるお店から厳選するとこうなるだろうな、というラインナップ。十二分な構えです。
↓公式売店「すも〜る」が薄暗い場所で元気に営業中!

↓大人気のガチャコーナーは東のいい場所にドーンと設置されていました!

↓ファンクラブ向けのお楽しみ抽選会もしっかり実施!

↓若干詰め込み型でしたがフォトスポットもありました!

その後、階段をあがって2階フロアへ。この2階から上が競技会場となっており、2階が土俵レベルに相当します。そんなことで、この2階は力士たちの往来が大変盛んです。大阪場所中継ではよく力士が客前を通って体育館のなかを移動している様子を見ると思いますが、まさにそんな感じでその辺の通路を力士が往来しながら、それを出待ちみたいなお客さんが見つめています。足元にはしっかりと仕切り線が引いてあって、そこから出ないで力士の鑑賞をする仕組みになっていたり、立ち入り禁止の板など立てて支度部屋までは入ってこないような線引きもしてあるのは、いい塩梅なのではないでしょうか。
場内では工事現場の足場みたいなものを組んで、そこにマス席が設けられています。土俵を取り囲むマス席足場の外側には中継映像でもよく映る赤じゅうたんの通路があり、ようやく会場の全体像が理解できてきました。支度部屋から客前を通って会場内に入り、マス席足場の間にある赤じゅうたんの通路でウォームアップなどしながら、花道を通って土俵へと向かう、そんな流れがイメージできていろいろスッキリしました。
↓支度部屋の前にはこんな仕切りが!

↓支度部屋から出た力士はお客と同じ通路を通って会場内へ!

↓花道の手前では力士たちがウォームアップをしていました!

↓言わなくてもわかるとは思いますが、マス席足場へのテッポウは禁止です!

そして面白かったのが、会場の事情によるものなのでしょうが、いろいろな設備もその辺の小部屋に突っ込まれていること。本来なら支度部屋だのプレスルームだのはお客がいないエリアに設けたいところでしょうが、場所がないのでしょうね、その辺の通路沿いにいろいろな部屋が設置されています。映像をいろいろ見ている映像部、当日の取組表などを印刷していると思しき印刷所、広報さんが詰めている広報部室、さらには何らかの連絡網らしきポストもその辺に設置されていました。連絡の紙が飛び交っているところを想像して、ちょっとワクワクしました。
そして、この2階からはさまざまな売店なども設けられていました。お弁当類やお土産類はもちろん、タオルやうちわなどの応援グッズからパンフレット・手形・ぬいぐるみまで何でもござれ。国技館の地下で焼いていて美味しいと評判の名物焼き鳥はここにはなく、むしろ普通の焼き鳥が売ってあったりしたのは大きな違いだなと思いました。いやー、普通の焼き鳥もそれはそれで美味しいものですね。国技館でもたまには普通の焼き鳥食べてもいいかもですね。
↓何らかの連絡網は、ちゃんと連絡が届くのか若干心配!

↓売店は数・品揃えともに充実していました!

↓ディズニーシーで言うダッフィーみたいなことだと思います!

その他、シールの売店など物色しつつ、いよいよ場内へ。なかは、まぁ、長方形の体育館なので、国技館ほどの雰囲気があるかと言われればナイのですが、お客で席が埋まれば体育館風味も自然と消えていきます。逆に、パッと見ではだいぶ違う感じがするのに、テレビ中継だと大阪だろうが名古屋だろうが九州だろうがどの場所を見ても「相撲だな」と感じるのはすごいなと思いました。何場所だからどうとかこうとか感じることもなく、年6場所「相撲だな」と思って見ていられるのは設営の妙だなと感心します。
↓上のほう見ると体育館なんですが、下のほうは相撲ですね!

↓放送席はこんな感じで設けられていました!

↓向こう正面にはその日の取組が表示されます!決まり手はアナウンスをお聞きください!

↓エディオンアリーナだけあってエディオンの広告多め!

↓地域性なのか警察の圧も強めです!

そんなことで相撲を見始めたわけですが、相撲のほうはいつもと同じ感じでつつがなく進んでいきます。横綱・大の里は休場ということで、この遠征の本来の目的は達成できなかったわけですが、ま、僕は初場所で見ているので問題ありません。むしろ、流れてくる懸賞旗には大阪ならではのものが多かったり、ご当地の力士への熱い応援に東京での場所との違いを感じられたり、大阪場所を中心とした後援会組織の東西会の皆さんがそろいの法被みたいなのを着て熱心に集団で応援している様子を見守ることができたり、「ならでは」のものを見られるいい機会になったなと思いました。
そのうえ、たまたまこの日、優勝決定の瞬間を見られたのですから、何といい巡り合わせだったことか。決まり方も、星の差ふたつでリードする1敗の霧島が敗れるも、3敗で追っていた琴勝峰と豊昇龍も負けて、「優勝争いしている3人が全員負けて決まる」というまぁまぁの珍事であったので、エピソードとしてもいい感じです。負けた霧島が「次が結びの一番なので負けたけど土俵下で待ち」「勝ってくれたら自分の優勝が決まる琴櫻にガチの力水をつけ」「豊昇龍の負けを見届けてイイ顔で弾むように支度部屋に帰る」という一連の流れを一通り見られたのはいい思い出になりました。こちらも興奮してあんまりいい写真は撮れなかったのが残念ですが、心の目にしっかり刻みました。
↓大阪だしお好み焼きが食べたくなる懸賞!

↓東京場所で出してもさすがに意味がないフェリーの懸賞!

↓優勝決定の瞬間を見ました!

そんなことで充実の観戦となった大阪場所遠征。相撲仲間もすっかり上機嫌となりまして、次またチケットが取れなかったら今度は名古屋だなどと言い出したほど。まぁそれはそれで楽しくていいかなと思いますので、五月場所でまた自分だけ個人でチケット取れたりした場合も、それは秘密にしておこうと思います。別に「こないだ東京で見たんで、名古屋はいいです」となるわけではないですからね。今回は慣れぬ集団遠征で計画不十分でしたが、名古屋遠征となりましたならば、しっかりと前後にジブリパークなども重ねられるようにしていきたいと思います。ちょっと楽しみになってきたので、仲間たちの遠征の火が消えないように、自分のチケットだけ当たって相撲仲間は全員落ちるように祈ろうと思います。みんな落ちて、名古屋が取れますように…!
大相撲×チュニドラ遠征とかできたら、相撲オジサンも大喜びでしょうね!
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