女子高生に当て逃げした「60代男性ドライバー」が逆ギレ。警察が来ると急にオロオロしはじめ…一発で免許取消しも、最新の厳罰事情
悪質極まりないドライバーに遭遇した近藤さん。ひとまず、女性の救護は奥さんに任せて、「当て逃げ」疑惑のある車を追い掛けたそうです。
「追跡すると意外にもすぐ近くで信号待ちをしていた。そのまま追跡して、その車がコンビニに入った際に、一緒に停車したんです。ドライバーは60代くらいの初老の男性で、声を掛けるとこちらに気づいたのか喧嘩腰で逆ギレしてきた。その男性が言うには、われわれの運転が遅かったので追い抜いたら、たまたま横断歩道をわたっている人がいた。ぶつかっていないので当て逃げでも無いし、そもそもこちらの車が遅かったのが悪いと言うんです」
なんとも身勝手な悪質ドライバーと対峙することになった近藤さんは、すぐに警察に通報。現場に駆けつけてもらったそうです。
「こちらが警察に電話する際には怒鳴り声をあげるなど元気だったのですが、実際に警察官が来ると急にオロオロしはじめたんです。警察官に一部始終を説明し、こちらはドライブレコーダーのデータもあるので提出する意思があることを明かした。すると、その初老の男性は人目もはばからず土下座しはじめ、見逃してほしいと謝罪してきたんです。警察官も許してくれるはずもなく、現場の横断歩道までその男性と自分、警察車両で戻ることになりました」
◆現場検証中に「足がガクガク震えていた」
近藤さんは奥さんに連絡を取ると、横断歩道を渡ろうとしていたのは女子高生で、足に怪我をしているので救急車を呼んだのだそうです。
「われわれが現場につくと救急車も到着していて、かなり大事になっていて。逃げた男性もこんな事になっていると思っていなかったようで、現場検証中に足がガクガク震えていました。われわれも警察に状況を説明し、ドライブレコーダーのデータを提供。警察官に後日聞きましたが、女子高生が押していた自転車に少し車が接触していたようで、当て逃げの容疑で捜査されるとのことでした」
非常識なドライバーを、しっかりと確保してお手柄の近藤さん。とはいえ、なんともモヤモヤする気持ちが残ったそうです。
「逃げた男性を追い詰めたときも、悪いことをした意識が希薄だったんです。たぶん、普段から無謀な運転をしているんでしょうね。今回だって、一歩間違えたら歩行者を轢き殺していた可能性があるし、運転する際は危ない乗り物に乗っているということを、しっかり意識しなければダメだと改めて考え直しました」
知らないうちに、自分も今回の無謀なドライバーのような運転をしているかもしれない。いま一度、車に乗る際は安全運転を心がける必要がありそうだ。
◆■ 数字が語る「暴走の代償」と取り締まりの現実
歩行者の安全を守るという正しい行動が、無理な追い越しや、取り返しのつかない事故の引き金になってしまう。そんな不条理がまかり通る公道ですが、法と「記録」の目は、決して悪意を見逃しません。
このルールは、自転車であっても「降りて押して歩いている」場合は歩行者として適用されます。今回のエピソードでも、「女子高生が押していた自転車に少し車が接触」という描写がある通り、法的には明確に歩行者となります。
この横断歩道での歩行者妨害(道路交通法第38条違反)の反則金は、普通車で9,000円。しかし、今回のように負傷者がいるにもかかわらず逃走すれば「救護義務違反(ひき逃げ・当て逃げ)」となり、反則金では済まない重い刑事罰(10年以下の懲役または100万円以下の罰金など)と、即座の免許取り消しという、あまりに重い代償が待っています。
加害者がどれほど身勝手な主張を繰り返しても、ドライブレコーダーという「客観的な証拠」の前では、土下座も謝罪も通用しません。一瞬の苛立ちが生んだ暴走は、一瞬でその人の人生を狂わせるブーメランとなります。
「急いでいるから」「自分は悪くない」という言い訳は、警察の前では無力です。法を正しく理解し、常に冷静なハンドルさばきを心がけること。それこそが、理不尽な悪意から自分と、そして周囲の命を守り抜く、最強の防衛策なのです。
<TEXT/高橋マナブ 再構成/日刊SPA!編集部>
【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている
