故・池田大作名誉会長

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 衆院選は中道改革連合の大敗北に終わったが、その新党結成の過程で注目されたのが公明党(参院議員と地方議員)の支持母体であり中道をも支援することになった創価学会本部の人事だ。

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 現在、創価学会の第6代会長を務めるのは原田稔氏(84)だ。第3代会長の池田大作名誉会長を含め、歴代会長で80歳を超えるまで会長職を務めた人物はいない。学会ウォッチャーは言う。

「そろそろ潮時ではないですかね。前会長の秋谷栄之助氏は25年にわたり会長を務めましたが、それでも76歳で退任しています。原田氏は2006年の就任以来、すでに5期20年にわたり会長を務めており、今年11月で任期満了を迎えます。そろそろ後進に譲る時期ではないかと見られています」

故・池田大作名誉会長

 では誰が?

「それがいないんですよ。現在の最高幹部を見回すと、理事長の長谷川重夫氏は原田氏と同い年で1月に85歳を迎えました。池田名誉会長の息子である主任副会長で創価学会インターナショナル最高顧問の池田博正氏は72歳。次期会長と目されていた正木正明氏は現在71で理事長まで務めましたが、2016年に体調不良で辞任して以来、閑職に置かれています。しかも、息子の正木伸城氏はいまや“宗教2世問題”の語り部ですからね。幹部の中で一番若い主任副会長で壮年部長の谷川佳樹氏も今年69歳ですし、現在は外郭団体である創価学園の理事長となり会長レースからは外れた格好です。学会員同様、最高幹部も高齢化が進んでいます」(学会ウォッチャー)

 そこで俄然注目されているのが、原田会長の長男・原田星一郎氏(54)だという。

野田氏が持ち上げた

「原田会長の長男ですから、創価幼稚園にはじまり創価高校を卒業した根っからの学会員ですが、大学は父親同様、東大に進学。卒業後に本部職員になりました。まあ、エリートコースですね。あまり目立つ存在ではなかったそうですが、2022年に教学部長に抜擢されました。創価学会の教義を統括する重要な役職で、この人事から将来の芽が出てきたと言われています」(同前)

 もっとも、この時点で彼の存在を知る人は学会内のみにとどまっていた。しかし――。

「外部の人にも注目されるようになったのは今年1月23日、衆議院が解散されたその日、中道の共同代表だった野田佳彦氏が公明党の両院議員総会に出席した時でした」(同前)

 その時のことなら、デイリー新潮が2月6日に配信した「『中道改革連合』議席半減で起こること 創価学会の集票力への疑念 新党は『内部から崩壊するかも』」の中で、野田氏が「池田大作先生の中道政治論を読ませていただいた」と持ち上げたエピソードを取り上げている。

「実はそれだけではなかったのです。野田氏はあの時、池田名誉会長に続いて『今年1月17日の聖教新聞の原田星一郎教学部長の中道の解説も学ばせていただいた』とまで言ったと報じられています」(同前)

 中道が設立されたのは1月16日。その翌日に発行された聖教新聞で共同代表が“中道の解説”を学ぶとは、なんとも間が抜けている。

名誉会長も叶わなかった世襲

「聖教新聞の記事は『時評 いまを読む』という新企画でした。2回目以降は大学教授が様々な論点を提供しているのですが、第1回は教学部長・原田星一郎氏が語り部として登場し、『中道こそ時代を開くキーワード』と題した記事が掲載されたのです」(同前)

 まさに新党設立に合わせたような記事である。そこにまた野田氏が乗っかったというのが情けない。

「ともあれ、野田氏がわざわざ名前を挙げたことで内外にその存在が認知されました。彼の父である原田会長へのリップサービスだったかもしれませんが、これでさらに存在感を高めたことは間違いありません」

 将来、会長に就任する可能性はあるのだろうか。創価学会に詳しいジャーナリストの山田直樹氏は言う。

「原田会長の御曹司ということで出世街道には乗っていると思いますが、彼はすでに50代ですからね。30代や40代の若い会長でなければイノベーションは起こりにくい。しかし、人材がいないとも聞きますから目はあるのでしょう。もっとも、彼はまだ主任副会長になっていません。数多いる副会長の中でも主任副会長は会長、理事長に次ぐ立場と言われていますから、そこを経験していないと会長は難しい」

 前述の通り、学会の要職は高齢幹部が握っている。

「いずれは主任副会長にもなるのでしょう。そこで問題となるのが、世襲への懐疑的な目かもしれません」(山田氏)

 そう、あの絶対的なカリスマ・池田名誉会長ですら、3人の息子がありながら会長職を世襲させることは叶わなかった。もちろん現会長の原田稔氏から息子の星一郎氏に直接バトンタッチすることは難しいだろうが、今後、息子の会長就任はあり得るのか。その時、創価学会、中道、公明党がどうなっているのかが注目されている。

デイリー新潮編集部