日本人が持つ、世界的に見て“極めて希少な特権”とは?ハワイ移住した45歳・元テレ朝アナが解説
どれだけの人が世界へ目を向けているのか。どの世代が、どれくらい外に出ようとしているのか。その現在地が、数値として可視化される日なのです。
今年の注目ポイントのひとつは、2025年3月から全国で可能になったスマートフォンでのオンライン新規発行申請。「面倒だから作らない」と言っていた層を、どれだけ動かせたのか。利便性の向上が、実際の行動変容につながったのか。
その答えが、今回の統計で見えてくるはずです。これにより、パスポート取得のハードルは確実に下がりました。
結果次第では、政治の動きにも影響を与えるはずです。
実際、2026年7月1日からはパスポート手数料を最大7000円引き下げる案が国会であがっています。現在1万6000円かかる10年用パスポートは、1万円以下になる見込みと報じられています。
この方針は、年度末の予算成立を待って、正式に具体化される見通しとなっています。
これは単なる安売りではありません。
機会の平等化・標準化。経済的な理由で「世界を見る機会」を得られない若者を減らすための、未来への投資だと思っています。
◆世界最強レベルの信用を、どう使うか
海外旅行は、日本政府の視点で見れば「輸出」ではなく、むしろ「輸入」に近い行為です。
日本のモノやサービスを売るのではなく、日本人が海外でお金を使う。短期的な経済収支だけを考えれば、優先順位が高い政策とは言いにくいかもしれません。
それでも、パスポート手数料を最大7000円引き下げるという議論に至っている。
これは単なる家計支援策ではないはずです。
日本人が世界を見ることに、国家として意味を見出している。国境を越える経験が、長い目で見れば日本社会の力になる――そう考えているからこその政策ではないでしょうか。
パスポートという、日本の赤い手帳。
それは、単なる渡航書類ではありません。日本という国の信用が凝縮された一冊であり、188の国と地域への扉を静かに開けてくれる鍵でもあります。
「たかがパスポート。されどパスポート。」
世界が羨むほど強いパスポートを持ちながら、その価値を意識する機会は、実はあまり多くありません。
2月20日、旅券の日。
ぜひこの機会に、日本のパスポートが持つ本当の意味を、少しだけ立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
<文/大木優紀>
【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母

