――何か転換のきっかけがあったのでしょうか?

ゆりやん:人間関係や仕事のこともそうですけど、タイミングやコントロールできないことってありますよね。それこそアメリカに行ってエージェントと契約したいと思っても、相手があってのことなんですよね。

自分が頑張ってアピールしても、頑張った結果、いま持っているカードを持っていってアカンと言われるくらいなら、リラックスして好きなように楽しんでいたら、いつかわかってくれる気がするようになったんです。だから売れることは(自分の中で)もう決めておいて、あとはただリラックスしようと。

恋愛も好きな人が振り向いてくれるかどうかで頑張らずに、好き同士ならいつか仲良くなれるから、仲良くなれることは(自分の中で)決まっているから、じゃあ習い事をしておこうと。

――その考え方の変化は、渡米が影響しているのでしょうか?

ゆりやん:今回の映画と渡米と、ちょうどいいタイミングやったと思います。映画監督の仕事も楽しかったですし、こうして宣伝してもらえるのも、わたしがあれこれ計画を立てているのではなく、全部映画会社の人たちにやっていただいているので、そこに乗っからせていただきますと。

なので、全部自分じゃなくていいかなと。やりたいことだけ決めて、あとは元気に生きていこうという感じです。映画作りも楽しかったです。撮影で聞かれる色やデザインは、自分は何が好きなのか、全部のことを自分に問いかけるので、自分の好きを、自分をこんなに見つめ直したことはない。まるでセラピーのようでしたけれど(笑)。

◆理想の結婚とは?

――先ほど言われていた「自分に正直に」という考え方ですが、以前はそうじゃない時期もあったということでしょうか?

ゆりやん:自分に嘘をついていたわけではないのですが、嫌なことも反対に笑顔で「ぜんぜん気にしていないです」「わたしは後回しでいいです」みたいな。嘘をついていたのではなく、「お前がそういうこと言う?」みたいに思われたくないから、自分を下げていたように思います。

――アメリカでのお笑い修行の目的はもちろんあるとして、30代後半は人として、女性としてどう過ごしたいですか?

ゆりやん:「仕事、仕事でわたしは行くのじゃ」っていうところではあるのですが、やっぱり結婚したり家庭を築くことにもあこがれます。でも、仕事を辞めたいわけではないんです。今まで「結婚願望はあるんですか?」と聞かれて、「ないっすないっすそんなん」と「仕事でわしゃいいんです」と言うことがカッコいいと思っていたんですけど、かといって誰でもいいから何歳までに結婚したいとうことでもあんまりなくて。

わたしは心から本当に大好きな人がいたとして「ありがとう」「ほんま感謝!」という気持ちを、これ以上どう表現するかと考えたときに、「もう結婚するしかないでしょう!」という人と結婚したいんです。

これ言うとファンタジーという人もいるんですけど、わたしの人生はファンタジーだからいいのじゃと思っているんです(笑)。

◆「一回自分のことをお嬢様扱いしてみてほしい」

――最後に同世代のみなさんに一言いただいてもいいでしょうか。

ゆりやん:わたし自身もまだ執着を取る訓練中ですし、(アドバイスなんて)恐れ多いですけれども、一回自分のことをお嬢様扱いしてみてほしいです。お嬢様ならかわいい服を着るし、自分の髪の毛も丁寧にとくし、お嬢様なら汚れたスウェットでコンビニに行かないじゃないですか。

――考え方次第で自己肯定感を上げられそうですよね。

ゆりやん:はい。そいうことをやってみると、自分のことを労われるようになってきて、しんどくても「自分なんて……」と思わなくなってくるかもしれない。だって、誰もがみんなお嬢様なんですから。

<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>

【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。