カルト的人気を誇る世界の名車 26選(後編) ラングラー、ディフェンダー、M3など、長く語り継がれるアイコニックな存在
メルセデス・ベンツW123(1976年)
つい最近まで、多くの人は鈍重なメルセデス・ベンツW123を、安価で頑丈な移動手段に過ぎないと考えていた。現在のEクラスの前身であり、近年、日常的に乗り回せるクラシックカーとして新たな地位を確立している。後継モデルのW124も、その地位に迫りつつある。
【画像】リスペクトと愛情を受け続ける高性能モデル【アウディRS2アバントとBMW M3 E30を詳しく見る】 全57枚

メルセデス・ベンツW123(1976年)
ランドローバー90/110/ディフェンダー(1983年)
ディフェンダーは、1948年に登場したランドローバー・シリーズ1の最終進化形だ。基本に忠実な四輪駆動車で、自然を軽々と乗り越える能力に多くの人が惹かれた。今や、英国自動車産業と過ぎ去った栄光の時代の象徴となっている。単にクルマが必要だったからという理由でディフェンダーを購入した人はほとんどいないだろう。

ランドローバー90/110/ディフェンダー(1983年)
BMW M3 E30(1985年)
E30世代で初めて登場したM3は、BMWが2代目3シリーズをツーリングカーレースに参戦させるため、そしてホモロゲーション取得のために最低5000台を販売する必要性から生まれた。
ワイドボディ化され、ローダウンされた公道仕様のE30は、200psの2.3L直列4気筒エンジンを搭載。通常、ホモロゲーションスペシャルは売れにくいものだが、M3には買い手が殺到し、6年間で1万7000台以上生産された。「駆けぬける歓び」をスローガンに掲げるBMWにとって、このモデルは大きな功績となった。

BMW M3 E30(1985年)
ジープ・ラングラー(1986年)
誰かに「ジープを描いてくれ」と頼めば、ほぼ間違いなくラングラーに似たスケッチが返ってくる。ラングラーは、先祖ウィリスの現代版であり、レトロに傾注せずともその伝統をよく体現している。スクーター界におけるベスパのような存在だ。幸いジープは、4代目となる現行型ラングラーの設計において、この点を肝に銘じていた。

ジープ・ラングラー(1986年)
マツダMX-5(1989年)
マツダMX-5(日本名:ロードスター)は、フィアット・スパイダーやMG MGBといった英伊のクラシックオープンカーへの対抗馬として登場した。マツダは当時から、「人馬一体」という概念を体現していると説明してきた。
ヒットの要因の1つとして、信頼性の高さが挙げられる。「オイル漏れしにくく、いつでもエンジンがかかり、オーバーヒートもしない。小型オープンカーで高い信頼性を確保したのは、まさに革命的な進化だった」とマツダは振り返る。ただ残念ながら、初代モデルは錆びに悩まされやすいという弱点がある。

マツダMX-5(1989年)
2014年にはギネス(ビールではなくブックの方)がMX-5を、史上最も売れた2人乗りスポーツカーと認定した。初代モデルの価値は上昇傾向にあり、マツダは数年前からレストアサービスを展開している。
スバルWRX(1992年)
純正マフラーを装着した状態でも、スバルWRXは姿を見る前にその音で判別できるタイプのクルマだ。水平対向4気筒エンジン特有のサウンドが、ラリーで鍛えられたスバル車の存在を告げる。本質的に自動車愛好家のためのクルマだが、徹底的に改造を楽しむオーナーもいれば、とことん純正にこだわるオーナーもいる。

スバルWRX(1992年)
アウディRS2アバント(1994年)
ポルシェは、アウディ初のRSモデルとなるRS2アバントの開発を支援した。控えめな80アバントをベースに、2.2L 5気筒エンジンを搭載し、その横に大型ターボチャージャーを取り付けた。6速マニュアル・トランスミッションとアウディのクワトロ四輪駆動システムを介して、310psを四輪に伝達した。
今日では四輪駆動は当たり前の存在だが、1990年代半ば、少なくともRS2の属するセグメントでは斬新だった。クワトロシステムの採用により、RS2は冬の山岳地帯でも日常的に使える数少ない高性能車の1つとなった。

アウディRS2アバント(1994年)
ホールデン・ユート(2000年)
ホールデン・ユートの系譜は1951年のクーペ・ユーティリティまで遡るが、『ユート』の名称が正式採用されたのは2000年発売のコモドアVXからである。オーストラリア生まれの乗用車ベースのピックアップトラックは、相反する2つの性格を持っている。商業用トラックとしての側面と、スポーツカーとしての側面だ。
商用車は容赦なく酷使された一方、ホールデンとチューナーHSVが手掛けた高性能モデルは愛好家に喜ばれた。最高出力585psを発揮する6.2L V8モデルもあり、オーストラリア独自の「走り」の象徴と言える。

ホールデン・ユート(2000年)
ルノー・アヴァンタイム(2001年)
ルノー・アヴァンタイムが1999年にコンセプトカーとしてデビューした際、量産化されるとは誰も思わなかった。あまりにも斬新で、ルノー社内ですら必要性が疑問視されていた。しかし、今振り返れば、同社の新たなデザイン言語の象徴として重要な存在だったと言える。
3年間で生産されたのは8557台に過ぎず、商業的には大失敗作と見なされている。ただ、現存車両の大半は、すでにコレクターの手に渡っている。欧州ではアヴァンタイムの愛好クラブも増えつつあるのだ。

ルノー・アヴァンタイム(2001年)
BMW X6(2007年)
BMW X6のデザインには賛否両論があり、否定派は「SUVとしてもクーペとしても良くない」と断じる。しかし、どれほど激しく批判しようとも、X6が新たなセグメントを開拓した事実は否定できない。歴史が示すように、クラシックカー市場は先駆者に寛容であることが多い。筆者は50年後の旧車イベントで、完全オリジナルの2009年式X6 Mが注目を集めるだろうと予測している。

BMW X6(2007年)
スコダ・イエティ(2009年)
チェコのスコダが2009年に発売したイエティは、バンとSUVを融合したモデルだ。型破りなデザイン、風変わりなキャラクター、そして極めて実用的な内装(ほとんどの仕様では後部座席を外して完全なバンに変えられる)が評価され、今も熱心なファン層を抱えている。
英国にはイエティの活発なオーナーズクラブまで存在し、オーナー同士が道中で手を振り合うほどだ。2024年に人気を博したポッドキャスト『Rest is History』は、スコットランドの田舎では作業用として少なくとも1台のイエティを買うことが、ほぼ法律同然になっていると報じた。

スコダ・イエティ(2009年)
2017年、イエティの後継車としてカロックが発売された。UK編集部はカロックを非常に有能でバランスの取れたファミリーカーと評したが、イエティとは異なり、個性に少し欠けていると指摘している。
BMW 1シリーズ M(2011年)
BMW 1シリーズMは、ショールームに並ぶ前にほぼ完売した。同社は当初、2700台に生産を制限する計画だったが、結局6309台を生産することになった。それでも需要は供給を大幅に上回った。中古車は新車時よりも高値で取引されることが多い。

BMW 1シリーズ M(2011年)
ダッジ・チャレンジャー・ヘルキャット(2014年)
ダッジ・チャレンジャーは、シボレー・カマロやフォード・マスタングと同じセグメントで競合している。しかし、主要ライバル2台がドライビングを重視していく中、チャレンジャーは1960年代のアメリカン・マッスルカーの精神を今なお体現し続けている。
ダッジはこのイメージを最大限に活用し、ダウンサイジングの潮流に逆らうような最高出力717psのチャレンジャー・ヘルキャットを投入した。ヘルキャット、そして後に続いたデーモンは、40年後にはクラシックカーオークションで高値がつけられるだろう。

ダッジ・チャレンジャー・ヘルキャット(2014年)
アルピーヌA110(2017年)
アルピーヌのファンは、物静かで忍耐強い。最後のモデルがフランスのディエップ工場から出荷されてから20年経っても、彼らはブランドへの情熱を消さなかった。そんな彼らの期待に応えて、ルノーはアルピーヌを復活させ、近年で最も優れたドライバーズカーの1つを投入した。初代A110は希少価値が高く、21世紀に復活した現行モデルも同じ道を辿るだろう。発売後も改良を重ね、さまざまな派生モデルが登場し、さらに魅力に磨きをかけている。

アルピーヌA110(2017年)
