相場展望11月20日号 米国株: 仮想通貨・ビットコインの暴落と連動した株式相場の下落に注意 日本株: エヌビディア売上は予想上回る増、海外短期筋は株買い復活か

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)11/17、NYダウ▲557ドル安、46,590ドル 2)11/18、NYダウ▲498ドル安、46,091ドル 3)11/19、NYダウ+47ドル高、46,138ドル

【前回は】相場展望11月17日号 米国株: 高値圏のAI関連株に気迷い、エヌビディア決算発表11/19注目 日本株: 11月は日経平均は弱い状況が続く、AI関連株に一服感

●2.米国株:仮想通貨・ビットコインの暴落と連動した株式相場の下落に注意

 1)ビットコイン、11/18に一時9万ドル割れで極度の恐怖に陥る  ・ビットコインの推移     10/06 123,896ドル     11/20 91,320

  ・高値から▲32,576ドル下落、▲26.29%安と、大幅に急落した。

  ・ビットコインは、NYダウの上昇に連れて急騰してきた。それだけに、ビットコインの急落は、株式市場に影響を及ぼす可能性がある。

 2)AI関連銘柄巡り、過熱警戒感続く  ・AIバブル崩壊の兆しを予感させる。  ・とりわけ時価総額世界一のエヌビディアの業績動向が気になる。

 3)恐怖指数(VIX)が高値圏20を超え、上昇中  ・S&PのVIX指数の推移    10/27 15.79    11/03 17.17    11/17 22.38    11/18 24.69    11/20 23.66

  ・VIX指数の上昇は、高値警戒水準を超えた状況を示している。

  ・過熱感が懸念されるため、慎重さが求められている。

 4)エヌビディア決算発表  ・次期(2025年11〜2026年1月)の売上高会社見通しが約650億ドルと、予想620億ドルを上回る。

 5)雇用統計の発表  ・米国労働統計局、10月分雇用統計の発表中止、一部データ収集できず。11月雇用統計の発表は12/16に発表予定。

●3.10月FOMC議事要旨(ザイX)

 1)多くが12月利下げが適切でない可能性が高い、と見ている。 2)労働市場では急速な悪化の兆候は見られない。 3)経済の不透明性は依然高い。 4)多くの当局者が12月利下げに否定的な姿勢。

●4.米国大学の2025年秋の新規留学生数、▲17%減、ビザ不安広がる(ロイター)

 1)トランプ米国大統領が打ち出した学生ビザ(査証)の制限や、トランプ政権による米国大学への留学生の受け入れの上限設定などの政策の影響が出たと見られる。

●5.エヌビディア株、ティール氏のヘッジファンドも保有全株を7〜9月に売却(ブルームバーグ)

 1)ティール・マクロ氏が売却したのは53万7,742株で、9月30日終値で換算すると約1億ドル(約155億円)に相当する。 2)エヌビディア株を巡っては、ソフトバンクGも保有する全株を10月に58億3,000万ドルで売却したと発表した。 3)エヌビディアの株価は、9月末以降、わずか+2%程度の上昇にとどまっている。

●6.ジェファーソンFRB副議長、雇用の下振れを懸念(ブルームバーグ)

●7.豪ライナス社、マレーシアで重レアアースの生産増強、戦略物質サマリウムなど年間5,000トン

 生産、中国に依存しない供給網構築(東洋経済)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)11/17、上海総合▲18安、3,972 2)11/18、上海総合▲32安、3,939 3)11/19、上海総合+6高、3,946

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)11/17、日経平均▲52円安、50,323円   2)11/18、日経平均▲1,620円安、48,702円 3)11/19、日経平均▲165円安、48,537円 

●2.日本株 : エヌビディア8〜10月期売上は予想上回る増収、海外短期筋は日本株買い復活か

 1)エヌビディア8〜10月期売上は予想上回る増収、海外短期筋は日本株買い復活か  ・エヌビディア、8〜10月売上は前年同月比+62%増収で、市場予想+57%を上回った。データセンター向け売上高は+66%増の512億ドル。次期(2025年11月〜2026年1月期)売上見通しは前年同期比で+65%増の650億ドルと予想621.7億ドルを上回る水準を示した。(Quick Money)  ・海外短期投機筋はまだ健在で、大幅下げのリバウンドを狙う可能性    ・日経平均の推移       10/31 52,411円       11/19 48,537       差引 ▲3,874    ・短期間で日経平均は▲7.39%下落した。特に11/14〜19までの4営業日で▲2,744円と急落した。    ・日経平均急落の要因      ・エヌビディア決算発表11/19を控えた買い控え。      ・暗号資産(仮想通貨)の急落。      ・日本・中国の関係緊張、日本への渡航自粛・水産物の輸入禁止など。

    ・海外短期投機筋は、このリバウンドのチャンスを狙って暗躍する可能性が大である。      ・11/19には海外短期筋のよる株価指数先物への打診買いがあった。それは、11/14〜18の日経平均急落によるリバウンドを先回りした買い行動であったと思われる。しかし、その買いも売り圧力に消され、11/19の日経平均は▲165円安で引けた。      ・しかし、エヌビディア決算発表を受け、海外短期投機筋は11/20に買い出動してくると思われる。      ・日経平均のリバウンドは、半値戻しの+1,900円程度となる可能性がある。

    ・ただ、日経平均の重しがすべて取り外れたわけではない。      ・ビットコインの急落、日本・中国の緊張は依然として解けていない。      ・そのため、11/20の急伸に安心してばかりはいられない。

 2)日経平均寄与度上位の相場が続く  (1)11/17、日経平均▲52円安に占める寄与上位5銘柄で▲325円安   ・日経平均寄与上位5銘柄     寄与度    株価上昇幅      ファーストリテイ     ▲240円安   ▲2,990円安      ソニー          ▲25     ▲152      ダイキン         ▲22     ▲660      良品計画         ▲20     ▲305      日東電工         ▲18     ▲106       合計          ▲325

   ・日経平均は▲52円安となったが、ファーストリテイの下げ効果が大きかった。

   ・寄与上位5銘柄を見ると、AI・半導体関連の銘柄がないのが目立つ。

   ・なお、下げ渋り効果を果たしたのが、AI・半導体銘柄である。    東京エレクトロン +145円高、アドバンテスト +126円高、ソフトバンクG +112円安。

  (2)11/18、日経平均▲1,620円安に占める寄与上位5銘柄で▲797円安・▲49.1%   ・日経平均寄与上位5銘柄     寄与度    株価上昇幅      ソフトバンクG      ▲305円安   ▲1,520円安      アドバンテスト      ▲198     ▲740      東京エレクトロン    ▲183     ▲1,820      フジクラ         ▲66     ▲1,965      TDK           ▲45     ▲90       合計          ▲797   ・AI・半導体関連銘柄を中心に、幅広く下落した。

  (3)11/19、日経平均▲165円安に対し、寄与上位5銘柄で▲145円安・▲87.8%占有   ・日経平均寄与上位5銘柄     寄与度    株価上昇幅      東京エレクトロン     ▲62円安   ▲620円安      アドバンテスト      ▲29     ▲110      イビデン         ▲17     ▲500      中外薬          ▲14     ▲139      ソニー          ▲13     ▲ 77       合計          ▲145

   ・日経平均の値幅に対して、相変わらず日経平均寄与上位5銘柄の影響が大きい。

 3)新高値・新安値、値上がり・値下がり銘柄数  ・推移      11/14  11/17  11/18  11/19    新高値     98   107   48    24    新安値     14   31    30    36    値上がり    617   618   198    670    値下がり    938  932  1,384   872

    日経平均  ▲905円安 ▲52  ▲1,620 ▲165

  ・日経平均の下落という状況にあるが、    ・新安値銘柄数の増加傾向・新高値銘柄数の減少傾向と、過去の勢いが感じられなくなってきた。    ・ただ、日経平均の大幅安にもかかわらず、値上がり銘柄数が600数台を保っている。そのため、日経平均はこのまま下落するのではなく、「調整」中という状況にあるともいえる。

●3.2026年お正月おせち、平均2万9,098円、物価高で+3.8%上昇(日本インタビュ新聞)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・7011 三菱重工      防衛力増強による業績期待 ・7180 九州フィナンシャル 金利上昇による業績向上期待 ・8354 ふくおかFG     金利上昇による業績向上期待

執筆者プロフィール

中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou