居酒屋激戦区・新橋駅でイチオシの地下飲み店5選 初心者もマニアも楽しめる

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昭和41(1966)年に竣工した名建築「新橋駅前ビル」。ビジネスマンのオアシスと長く愛された地下街は意外とジェントルな客筋で、地下初心者も地下マニアも存分に楽しめる名所なのだ!

魅惑の新橋、地下ダンジョンの“門番的”存在感『立ち飲み吟』@新橋駅前ビル1号館

ディープ度…★

誰が呼んだか“人情ダンジョン”こと新橋駅前ビルは、明るい通路に百花繚乱の1号館と、地下迷宮を思わせる横丁的2号館に分かれている。その中心にある門番ともいえる良店が角打ちの『吟』。まずはここで、心も喉も慣らすのがよし。地上と地下の“時空”を繋ぐ頼もしい存在なのだ。

人気の刺身はプリッと肉厚、店主の好みで入れた「たこ焼き」は熱々ほふほふだ。それをアテに酒が染み渡る。

くじらベーコン500円、ししゃも400円、まぐろ500円、川鶴くらうでぃ430円、米一途330円

『立ち飲み 吟』(料理:手前から時計回りに)くじらベーコン 500円、ししゃも 400円、まぐろ 500円、(ドリンク:左)川鶴くらうでぃ 430円、(ドリンク:右)米一途 330円 昼から仕込むつまみは約50種。無限の組み合わせを楽しむ人たちで賑わう

常連客のひとりが、「ここはちゃんとしてて、安い、バランスが取れている」と語るように品揃えは、日本酒30種、つまみ50種、ビール、焼酎各種ありと目移り必至。

お盆に好きな小皿を取ってから会計する形式は、どこか“大人の学食”みたいな雰囲気もあって楽しい。スターターにぴったりだ。

『立ち飲み 吟』店主 後藤裕人さん

店主:後藤裕人さん「日本酒の銘柄が揃っていますのでゆっくり楽しんで」

『立ち飲み 吟』

[店名]『立ち飲み吟』

[住所]東京都港区新橋2-20-15新橋駅前ビル1号館地下1階

[電話]03-5568-4130

[営業時間]16時〜24時

[休日]土・日・祝

[交通]JR山手線ほか新橋駅汐留口から徒歩1分

割烹着の女将が作る純和風料理に舌鼓を打つ『うまか亭酒々(しゃしゃ)』@新橋駅前ビル1号館

ディープ度…★★

割烹着の女将が通路からチラっと見えるお店は創業37年の歴史を誇る。店名は「しゃしゃ」と読ます。「お洒落」と「酒」を掛け合わせた造語だ。

旬の魚と野菜のいいところをシャッと出してくれて日本酒を煽る幸せよ。コクの深い白和えは、麦味噌を隠し味に。それひとつとっても丁寧な仕込みと調理が伺えるのだ。六畳一間の“新橋の台所”といった風情が楽しめる。

まぐろの脳天1500円、六舟800円

『うまか亭 酒々(しゃしゃ)』(手前)まぐろの脳天 1500円 (奥)六舟 800円 まぐろの脳天を始めたのはこの店が最初だとか。創業時に築地の市場で「1頭から2本しか取れないし、名物になるんじゃないの」と勧められたのがきっかけ

料理上手の二代目女将は築地生まれ。髪は簪一本で止まっていて、「ネジって止めてスプレーして5分で完成!」なんて威勢が良い江戸気質。

「うちは開店から閉店まで過ごす方もいれば、〆の一杯にやってくるお客様もいます」と微笑む。

常連の最高齢は91歳というのも新橋の懐深さだ。

『うまか亭 酒々(しゃしゃ)』店主 品川愛さん

店主:品川愛さん「疲れを癒しにいらしてください」

『うまか亭 酒々(しゃしゃ)』

[店名]『うまか亭酒々(しゃしゃ)』

[住所]東京都港区新橋2-20-15新橋駅前ビル1号館地下1階

[電話]03-3572-5258

[営業時間]17時〜23時

[休日]土・日・祝

[交通]JR山手線ほか新橋駅汐留口から徒歩1分

奄美大島のソウルフードを黒糖焼酎で『島と魚せえごれ』@新橋駅前ビル2号館

ディープ度…★

新橋駅前ビル2号館奥にオアシスあり。

「黒糖焼酎はソーダ割りが旨い。透明感の高いものから、ウイスキーみたいものまで取り揃えています」と話す奄美大島出身の店主がニコニコと話しながら、旨い焼酎ソーダを作ってくれる。ソーダ愛が深まりすぎて、薄張りのグラスを揃えている心配りがうれしい。

刺身盛り1100円、なんこつ甘辛煮700円、自家製ミキドレッシングのサラダ700円、せえごれソーダ割550円

『島と魚 せえごれ』(料理:手前から)刺身盛り 1100円、なんこつ甘辛煮 700円、自家製ミキドレッシングのサラダ 700円 (ドリンク)せえごれソーダ割 550円

故郷の味を東京でと2年前に始めた店では、旨い魚を中心に、巻貝トビンニャ、パパイヤの漬物、奄美の伝統的発酵飲料ミキをドレッシングに使った特製サラダなど好奇心を刺激するメニューが並ぶ。おまかせ5500円のコースもあり、地下なのに旅情をそそるのだ。

『島と魚 せえごれ』店主 中山隆彰さん

店主:中山隆彰さん「元地下鉄職員です。だから地下には慣れています!」

『島と魚 せえごれ』釣り好きの店主が魚料理が得意だったことから魚中心の店にした。奄美では「赤い魚はおいしい」という。店名は奄美方言で「酒飲み」の意味

[店名]『島と魚せえごれ』

[住所]東京都港区新橋2-21-1新橋駅前ビル2号館地下1階

[電話]0422-66-2868

[営業時間]17時〜23時半(23時LO)

[休日]日・祝

[交通]JR山手線ほか新橋駅汐留口から徒歩1分

酒を長期熟成、香りの余韻を長く愉しむ『熟成古酒処』@新橋駅前ビル2号館

ディープ度…★★★★

客の居場所は2畳もないほどの狭い店に海外のソムリエが駆けつける?熟成古酒(長期熟成させた日本酒)の専門店。グラスに顔を近づけるとカラメルや燻製の香りがあり、口に含むとまろやかさ、複雑みを感じるのが古酒。飲むと長い余韻が広がる。

おためしセット3000円(葵鶴大吟古酒、龍力玄妙、玉川タイムマシンビンテージ)

『熟成古酒処』おためしセット 3000円(左から:葵鶴大吟古酒、龍力玄妙、玉川タイムマシンビンテージ)

熟成家で店主の伊藤淳さんは「江戸以前は価値の高かった酒。一度は消えかけた存在だが、現在はウイスキーやワイン愛好家、海外からの評価も高い」と語る。

店内にある最も古い酒は1971年ものだが、今後は100年を超えるヴィンテージを作っていくという。新橋の地下には壮大な夢が蠢いているのだ。

『熟成古酒処』店主 伊藤淳さん

店主:伊藤淳さん「2105年まで熟成したいです。僕の命の先までも」

『熟成古酒処』

[店名]『熟成古酒処』

[住所]東京都港区新橋2-21-1新橋駅前ビル2号館地下1階

[電話]090-7719-1331

[営業時間]17時〜22時

[休日]土・日・祝

[交通]JR山手線ほか新橋駅汐留口から徒歩1分

地下の奥の院にカレーの旨い酒窟があった『工藤軒』@新橋駅前ビル2号館

ディープ度…★★★★★

狭さでいえば、新橋地下のナンバーワンかも。男性客なら5人立てばほぼ一杯。伝説ともいえる酒窟に今夜も人が集う。「酒場は自由じゃないとつまんない」という店主の人柄に惹かれし者が、オリジナルの珈琲酎や紅茶酎を頼む。

人気のバイスサワーはペットボトルのバイスを自分で好きなだけ注ぎ入れるスタイルだ(2度入れ禁止)。

253・800円、バイスサワー750円

『工藤軒』(手前)253(にこみ) 800円 (奥)バイスサワー 750円

自慢の「253」(煮込み……と読みます)はモツとカレーがぶつかる旨み熱地獄。研究を重ねたダルカレーは豆の甘みだけ綺麗に引き出して、食べ飽きしない味付けだ。勇気を出して、ターメリック(カレー粉)色ののれんをくぐる価値ありだ。

『工藤軒』店主 工藤慎也さん

店主:工藤慎也さん「ローソクが消えたら閉店ですよ!」

『工藤軒』2013年のオープン。「活気ある街に店を出そうと思ったら、新橋が面白かった」と店主。部屋は狭いがなぜか天井は高い。不思議空間が表出!

[店名]『工藤軒』

[住所]東京都港区新橋2-21-1新橋駅前ビル2号館地下1階

[電話]03-6318-6750

[営業時間]18時〜ローソクが消えるまで

[休日]日・祝

[交通]JR山手線ほか新橋駅汐留口から徒歩1分

撮影/西崎進也、取材/輔老心

2025年9月号

※月刊情報誌『おとなの週末』2025年9月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

【画像】コスパ最強!新橋駅前ビルで楽しめる種類豊富なつまみとお酒(29枚)