MSWがシリーズA+で4億円を調達。ハイブリッドエンジン量産と海外展開を加速へ
ハイブリッドロケットエンジンの開発を手がける「MJOLNIR SPACEWORKS(ミヨルニア・スペースワークス、以下MSW)」は2025年10月3日、シリーズA+ラウンドで4億円を調達したと発表しました。引受先はIncubateFund、UntroD Capital Japan、三菱UFJキャピタルの3社で、累計調達額は8.5億円になったとしています。資金はプロダクトの高度化、採用強化、海外展開の加速に充てる方針です。

※…シリーズA+とは、シリーズAの延長として実施する追加の資金調達を指す慣用表現です。次の大型ラウンドに進む前に資金を上積みします。
MSWとは
MSWは北海道・札幌を拠点とする宇宙系スタートアップです。固体プラスチック燃料と液体酸素(LOX)を組み合わせる“ハイブリッドロケットエンジン”の量産化に取り組み、安全性と運用性、推力調整・消火・再着火の容易さなどを特長として、低価格で安定供給することを掲げています。
技術と製品
技術面では、北海道大学・永田晴紀教授らが提案した流体特性を活かす燃料形状をもとに、プラスチック燃料の安全性を維持しつつ燃焼を促進し、商用サイズでの推力大型化に成功したと説明しています。
また宇宙機向けの「無溶接タンク」を製品化しており、溶接継ぎ目がないことによる品質の安定化、短納期・低コスト、高清浄度、内部デバイス(PMD等)への対応をうたっています。代表的な仕様例として耐圧10MPaG、納期は仕様によっては3か月以内としています。
エンジンの計画ラインナップは直径370mm級「D370」と直径540mm級「D540」で、単体およびクラスター構成を想定。推力は概ね15〜150kN級、クラスターでは最大約450kN、燃料はHDPE、燃焼時間はモデルにより10〜100秒の範囲で設計対応としています。
札幌市「SAPPORO NEXT LEADING」のインタビューでは、「エンジンを大量生産し、世界中のロケットメーカーに使ってもらう」方針が示されており、今回の増資でもプロダクト高度化と海外展開の加速を掲げています。
編集/sorae編集部
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