【プロが解説】買ってはいけない中古住宅の特徴3選とは？2025年最新版

中古戸建てを購入する際、「この家、大丈夫かな…？」と感じたことはありませんか？
価格や立地だけで判断してしまうと、思わぬ“落とし穴”が潜んでいることも。とくに“すぐダメになる家”には共通する特徴があるといいます。
今回は、ホームインスペクションを手がける株式会社さくら事務所執行役員CROの田村啓さんが、「購入要注意の中古住宅の特徴3選（2025年最新版）」を解説。見た目ではわかりにくい劣化や、健康・安全に関わるリスクをプロの視点から紹介します。

■【1】“軒ゼロ”住宅は外壁劣化＆雨漏りリスクが高い？
最初の注意ポイントは「軒ゼロ」の住宅。
屋根が外壁よりも突き出していない家のことを指しますが、この構造には落とし穴があります。
田村さんによると、「軒が出ていないと、直射日光や雨が外壁に直接当たってしまい、劣化が進みやすくなります。結果として、雨漏りのリスクが高まり、補修費用がかさむこともある」とのこと。
とくに都市部の狭小地や三階建てで多く見られ、「軒ゼロだからダメ」というわけではないものの、10年に1度は外壁点検・補修を行うなど、こまめなメンテナンスが必要です。

■【2】“カビ臭”や“焦げ臭さ”がする家には要注意！
内見時に玄関を開けた瞬間に感じる“匂い”も見逃せません。
「カビ臭がする家は、結露や雨漏りが原因で建物の内部にカビが繁殖している可能性があります。床下や壁の内部、配管の漏れなどが原因になっていることも」と田村さん。
また、「焦げ臭さ」を感じる場合には、電気配線のショートやモーター焼けのような電気トラブルが潜んでいるケースもあるそうです。
匂いは目に見えないサインだからこそ、「何かおかしい」と感じたらすぐに立ち止まることが重要。健康被害にもつながる恐れがあるため、慎重な対応が求められます。

■【3】“シングルガラス”は結露→カビ→腐食の悪循環に
最後の注意点は「シングルガラス（単板ガラス）」の採用された住宅。
現在の新築住宅ではほとんどがペアガラス（複層ガラス）になっていますが、古い中古住宅では1枚ガラスが使われていることも。
田村さんは、「シングルガラスは結露が発生しやすく、その水分がカビや木材の腐食、最悪の場合はシロアリや耐震性の低下につながることも」と指摘。
壁の中で起きる結露は目に見えず、断熱性も大きく損なわれます。
改善策としては、内窓（二重窓）の設置やサッシの交換、断熱材の追加リフォームなどがあります。特に補助金制度を活用すれば、比較的手軽に対策できる場合もあるとのこと。

【まとめ】少しでも気になる点があれば、プロの目で確認を
田村さんが最も警鐘を鳴らしたのは、2番目の「匂い」でした。
「匂いは劣化のサインであるだけでなく、すでに被害が進行している可能性があるからです」と話します。
もちろん、3つすべてが該当するからといって購入を即断念すべきとは限りません。ただ、「どこにリスクがあるのか」「何を補修すれば安心なのか」を知るためには、購入前のホームインスペクション（住宅診断）の実施がとても重要です。
株式会社さくら事務所では、6万件を超えるホームインスペクション実績をもとに、中古住宅の購入判断をサポートしています。「買ってよかった」と思える住まい選びのために、見えない“リスクの芽”をしっかり見つけておきましょう。