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近年、スーパーなど熊本県内の小売業の現場で従業員が転倒してけがをする労災事故が増えています。その原因は一体何なのか、背景と対策を探りました。

【写真を見る】増える「職場で転ぶ従業員」スーパーなどの小売業 60歳以上の“転倒労災”を防ぐには

「労災」で多いのは…

熊本労働局の担当者「転倒が85人で全体の40%と最も多くなっています」

地場スーパーの幹部など県内の小売業者に説明する熊本労働局の担当者。

熊本県内の小売業で去年(2024年)仕事を4日以上休んだ人は213人(速報値)と過去10年で最も多く、全体の44%が60歳以上、そして原因の40%が「転倒」でした。

熊本労働局健康安全課 吉川祐基 課長「人手不足が大きな要因と思います」

県内ではTSMCの進出などで有効求人倍率は全国平均を上回る月もあり、小売業の現場では高齢者が貴重な戦力です。

しかし高齢者にはけがのリスクが付きもの。転倒を防ぐために、現場はどのような取り組みをしているのでしょうか。

「60歳以上が主力に」変化を乗り越えるための“新戦力”

熊本県内で25店舗を展開するスーパー「ロッキー」。今年3月末までにさらに3店舗を出店する予定ですが、全従業員の半数が50歳以上です。

ロッキー 永野高明総務部長「(新規雇用者は)60歳以上が主力になる時代がすぐそこまで来ている」

その対策として3年前から全店舗で取り組んだのが、掃除ロボットと、蛍光灯よりも明るいLED照明の導入です。

高齢者は視力が弱くなって明るさを感じにくく、モップ掃除の時に滑って転ぶ従業員もいたことが理由です。従業員も効果を感じています。

60代従業員「ロボットに任せられるので、自分たちで掃除するのは何かがこぼれ時だけ。とても助かっている」

さらにソフト対策にも力を入れます。従業員用の休憩室ではポスターで注意を呼びかけ、AIアバターを使って体力づくりを促す取り組みも今年から始めました。

こうした取り組みで、以前にはこの店舗で年に1件はあった転倒労災事故が、現在はほぼなくなりました。

過信は禁物!求められる体力づくりの機会

労働局も企業に取り組みを促します。

熊本労働局健康安全課 吉川祐基課長「労災防止対策は災害防止だけではなく(職場の印象も上がるなど)企業のメリットも大きい」

労働局によりますと、高齢労働者の転倒は「自分はまだ若い」などと体力を過信するケースが目立つということです。中年以降の筋肉量は、毎年1%ずつ減少するといいます。

そこで労働局は、体力測定などで自分の体力を知ってもらうことや、体操や筋力トレーニングなどで体力をつける機会を設けるなど、「ソフト面」での対策を企業に呼びかけています。

元気な高齢者が増えるいま、「職場の高齢化対策」も求められる時代になっています。