カナダのフランソワ=フィリップ・シャンパーニュ革新科学産業大臣が2024年2月8日に、多機能デバイス「Flipper Zero」の輸入、販売および使用を禁止する予定だと発表しました。

Canada to ban the Flipper Zero to stop surge in car thefts

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Flipper Zeroは、電子ペット育成ゲームにRFID・無線リモコン・NFC・赤外線・Bluetoothなどさまざまな無線通信機能を合体させたオープンソースのマルチツールです。

Flipper Zeroにはほとんどの国や地域で合法的に使用できる機能しか搭載されていませんが、多機能かつコンパクトで利便性が高いことから、自動車のスマートキー複製や電力メーターの破壊、iPhoneへの攻撃などに悪用されています。そのため、ブラジル政府に流通を制限されたり、Amazonでの販売が禁止されたりといった規制措置の対象となってきました。

オープンソースのマルチツール「Flipper Zero」が犯罪に使われる危険性ありとしてブラジル当局が輸入品を押収 - GIGAZINE



2024年2月8日にカナダの首都・オタワで開催された「自動車盗難対策に関する全国サミット」に出席したシャンパーニュ産業相は、X(Twitter)に「犯罪者は高度なツールを使って車を盗んでおり、当然ながらカナダ国民はそのことに心配を募らせています。本日、私はこうした犯罪に使われるFlipperのような消費者向けハッキングデバイスの輸入、販売、使用を禁止すると発表しました」と投稿して、Flipper Zeroの使用を違法化する方針を明かしました。



カナダ政府の統計によると、同国では毎年約9万台、実に6分に1台のペースで自動車が盗難に遭っており、盗難車の買い換えや修理などにかかる保険料を含めた自動車盗難の経済損失は年間約10億カナダドル(約1110億円)に達するとのこと。

カナダでは2022年に犯罪重大度指数(CSI)が4%上昇しており、特に自動車盗難が24%増加してCSIの上昇に最も大きな影響を与えた犯罪となるなど、自動車の盗難が深刻な社会問題となっています。

カナダの革新科学経済開発省(ISED)は声明で、「Flipper Zeroをはじめとする、無線信号を複製することで車両を盗むために使用される機器を禁止するためのあらゆる手段を追求し、法執行機関と協力することで、カナダ市場からこれらの機器を排除することができるようにします」と述べて、Flipper Zeroを名指ししました。



by Antoine RJ Wright

このように、当局から度々やり玉に挙げられるFlipper Zeroですが、開発元であるFlipper Devicesは1990年代以降に製造された車の盗難には使用できないと主張しています。

Flipper Devicesの最高執行責任者(COO)であるアレックス・クラーギン氏は、IT系ニュースサイトのBleepingComputerに対し、「特に1990年代以降に作られた車には、セキュリティシステムにローリングコード、つまり施解錠ごとにコードを自動変更する仕組みが採用されているため、Flipper Zeroは使えません。Flipper Zeroはセキュリティ機能のテストや開発を目的としており、悪意のある用途に使用されないように必要な予防措置を講じています」と話しました。