【FP解説】途中退社で気をつけたいお金の落とし穴7選
保険を売らないファイナンシャル・プランナーのナナコがお金にまつわる知恵やコツなどを紹介するチャンネル「FPナナコ【働く女性のお金の教養教室】」より、途中退職をする時に陥りやすいお金の落とし穴7選を解説する。


この記事はYouTube配信「気を付けて!途中退職お金の落とし穴」から、ライブドア社の自動書き起こしツールによって生成されています。

はじまり





保険を売らないFPのナナコです、ナナコの部屋にようこそ。今日のテーマは「途中退職で思わぬお金の落とし穴に落ちないで」についてです。

先日、人材サービス業のアンケート調査を見ていたら、新入社員の50%以上が10年以内に今の会社を退職する予定だと回答しているものを見かけました。

1度就職したら定年までずっと同じ会社で勤めるつもりでいるっていう人も減ってきているのかもしれませんし、定年まで勤めたくてもできないっていう状況もあるかもしれませんね。

そうなると、人生のどこかで会社を途中退職するということになります。スムーズに次の職に移ればいいんですけれども、必ずしもそうでないケースもあるかもしれません。

今日は、退職は退職でも定年ではない60歳前の途中退職をする時に気をつけておいてほしい、知らずに落とし穴にはまって痛い目を見ないように、お金の注意点をいくつかのポイントにまとめてお伝えしていきたいと思います。

退職を予定しているんだったら是非、お給料明細を片手にご覧になってみてください。

落とし穴 ① 所得税





まず、1つ目のポイント所得税です。退職すると所得税どうなりますか?っていう話ですね。お給料から引かれる所得税のことを源泉所得税って言います。

これは、このあと1年この給料をもらったとすると、どのくらい税金を自分が負担する必要があるかな?っていうのを想定して、それに見合った金額が毎月のお給料から天引きされていきます。そのため、会社を辞めてこの先のお給料がなくなれば、そこからは支払いというのはなくなります。

辞める月までに天引きされたものは、税務署に仮払いしてある状態になりますので、そのあと年末までもう再就職しない場合は、自分で確定申告をして過不足っていうの計算をします。辞めた後、収入がなければ仮払いしてあった税金の全部、または一部が戻ってくるケースが多いので、退職時に受け取った源泉徴収票を元に年明けに確定申告を行いましょう。

落とし穴 ② 住民税





2つ目は住民税です。一見、所得税と同じ税金なんだけれども、実は住民税っていうのは後払いっていう仕組みになっています。つまり、前の年の所得に応じた住民税を、6月から次の5月までの12ヶ月に分割して少しずつ払っているんですよね。

そのため、この後のお給料がなかったとしても払わなくてはいけません。辞めた後の支払い方っていうのは、辞めた時期にもよりますけれども、残りの分を最後のお給料で精算するなどして会社に預けてくる、あるいは今後の分は自分で銀行などに行って支払うっていうような2つの選択肢になります。

基本的に6月から12月の間に退職する時は、希望すれば先に会社に払ってしまうってこともできるんだけれども、基本的には退社後に納付書っていうのを送ってもらって、自分で銀行などで支払う方式ですね。1月から4月に退職する時は、会社に残りの住民税を支払ってくるっていう形になります。

ずっと働いている時って気付きにくいんだけれども、後払いで自分で払うとなると意外と金額が大きいっていう風に気づくはずですね。残りがいくらぐらいになるかっていうのは、会社に聞けばもちろんわかるんだけれども、お給料から引かれている1回分の住民税が、次の5月まであと何回あるかっていうのを計算すると、大体の金額が分かります。

最後のお給料の半分が吹っ飛んだりしますので、事前に心構えをしておきましょう。

落とし穴 ③ 健康保険料





3つ目は健康保険料です。いわゆる、社会保険と呼ばれるものの中でも健康保険料の部門ですよね。退職したら、会社の健康保険からは脱退する必要があります、これを「資格喪失」と言いますね。原則、退職の翌日付で資格を喪失して、お手持ちの保険証っていうのはもう使えなくなります。

日本は「国民皆保険制度」ですので、会社の健康保険をやめた場合には、何らかの他の健康保険に加入する必要があります。どうするかっていうのは、いくつかパターンがあるんだけれども、よくあるのが3つですね。




1つは、会社の健康保険にそのまま最大2年まで加入を続ける「任意継続」というもの。ただし、今まで会社が負担していた分も全部自己負担になりますので、これまでより保険料が高くなるというのが一般的ですね。とはいえ、上限が決まっているので、幾らになるかというのは予め会社に試算してもらうといいですね。




2つ目は「家族の扶養に入る」です。配偶者などが社会保険に加入していて、自分が条件を満たしていれば、その家族の扶養に入れる可能性もありますね。雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付っていうものを受け取っていると扶養に入れないこともあるので、その点ちょっと注意してください。




任意継続も扶養にも入れない場合は、「自分で国民健康保険に加入する」ことになります。国民健康保険料は、前年の所得に応じて保険料が決まりますけれども、計算方法はお住まいの自治体によって違いがありますので、それぞれ自分のお住まいに確認が必要です。

こちらの「国民健康保険料っていくら?」っていう動画をチェックしてもらって直接、自分の自治体に問い合わせをしてみてください。半分など会社が負担してくれている会社の健康保険と違って、金額が高くて驚くかもしれませんけれども、辞めた時の状況によっては減免などがある可能性もあるので、やはりこちらもお住まいの市役所などに早めに確認・相談してみるのがいいですね。

落とし穴 ④ 厚生年金





次は厚生年金です。社会保険の中でも、もうひとつの年金部門の方ですね。会社を辞めると厚生年金からも抜けることになります。年金には、任意継続っていう制度はありませんので、配偶者の扶養(3号被保険者)っていうものになれない時は、自分で国民年金に加入が必要になります。

令和4年度は1ヶ月の保険料1万6,590円ですね。年間で20万円弱必要になってくるので、こちらも辞める前に計画的に準備しておきましょう。もし、これまで妻が自分の扶養に入っていた場合、自分が厚生年金を辞めると妻も自動的に扶養ではいられなくなります。

これまで妻は保険料を直接負担せずに国民年金に加入しているってことになっていましたけれども、夫が退職して厚生年金でなくなると、妻は今度、妻自身の国民年金保険料を支払う必要があります。金額は同じく1万6,590円ですね。夫婦で1年間納めると年間40万円近くなりますので、こちらも驚かないように支払い計画をしっかりしておきましょう。

妻がパート先で社会保険に加入してるという時は、これは関係ありません。また、直接の支払いとは関係ないんだけれども、退職後に万が一、身体とか心の障害が判明した場合、厚生年金に加入している期間にその病気とか怪我の件で初めて病院にかかっている、いわゆる「初診日がある」っていう状態かどうかは、障害年金の受給に影響が出てきます。

体調の不安を抱えての退職なんだとしたら、完全に退職して厚生年金を抜ける前に病院などにかかるっていうことを知っておくと安心ですね。健康保険と厚生年金には、「日割り」っていう考え方がありません。月単位で保険料を計算しますので、その月が会社の保険なのか?そうじゃないのか?というのがすごく重要になってきます。

退社日によって違ってきますので、うっかり1カ月未納にならないように、いつから抜けていつから自分で加入するかっていうのをチェックを忘れないようにしてください。

落とし穴 ⑤ 雇用保険





次は雇用保険です。大きな意味で言えば、社会保険の中に入る雇用保険。こちらは、毎月の給料の金額に応じて計算されて支払うので、退職してお給料を受け取らなければ支払う必要はありません。

逆に、退職して失業状態になったことで、いわゆる失業手当っていうのは受け取ることができる可能性がありますね。手続きには、離職票というものが必要になってくるので、会社に伝えておきましょう。すぐに就職活動するかどうか分からなくても、失業手当を受け取らずにすぐ就職する予定だとしても、もらっておく方がいいですね。

ただし、離職票は退職してから会社がハローワークに手続きをして発行されるので、少し受け取れるまでタイムラグがあるんですね。退職後に会社に行くっていう予定がない時は、源泉徴収票と合わせて郵送で送ってもらえるように予め手配しておくと安心ですね。

妊娠や出産で退職したり、病気や怪我などで就職活動が既にできなくて失業給付を受け取れない場合は、受け取りの期間を保留にする延長の手続きというのができます。そんなケースでは、ハローワークにやはり事前に確認しておくのが安心ですね。

落とし穴 ⑥ 確定拠出年金





4つ目は確定拠出年金です。会社に企業型確定拠出年金、いわゆる401kとかDCなんて呼ばれるものですね、ある時はそちらの手続きもとっても大事ですね。会社の制度なので、会社を退職すると続けることができません。原則、退職後半年以内に自分で個人型(iDeCo)へお金を移動する手続きをする必要があります。




忘れてしまうと「自動移換」っていうことがされてしまうんですね。自動移換、一見なんか名前は自動でやってくれそうでよさそうなんだけれども、仮預かりの状態になってしまって、運用もされないのに手数料はかかるっていう状態になっています。

年齢によっては、60歳になっても受け取れなくなっちゃうよって可能性があるので、自分が今加入している時には必ず手続きをしてください。

手続きをせずに放置されているのってなんと111万人。総額で2,400億円も今、あるそうなんですよね…もったいない! 会社に企業型DCがないからっていう人も、これ安心しないでくださいね。iDeCoをやっている人でも手続きが必要です。

iDeCoを始める時に会社で「この人、うちの社員で厚生年金をかけてる人ですよ」っていう書類を書いてもらったと思います。これが会社が変わるわけですから、個人でやっていたとしても手続きって必要になってくるんですね。

iDeCoをしている金融機関に連絡して、この後の自分の年金がどうなるのかを国民年金に加入して1号になるのか?あるいは、配偶者の扶養に入って3号になる?とか手続きをしないといけません。

定期的な照合は行われているので、それがずれているっていうのは分かった時に、掛け金の引き落としが止まってしまったり、合わなくて返金されてしまうっていうことがあるとロスが発生してしまいます。

iDeCoをやっている時は、転職・退職でもどちらでも手続きが必要になるんだよってことを覚えておいてください。

落とし穴 ⑦ その他





7つ目です、その他ですね。多くの方が該当しそうなのは、ここまでの6つくらいなものなんだけれども。この他にも、例えば社宅とか官舎みたいなところに住んでいる時は、会社を退職したらそこはどうなるのか。

家賃を全部自分で払えばそのまま住むことができるのか?あるいは、退去しなきゃいけないのか? かなり大きな影響があるはずですよね。




他にも、会社の制度でお金を借りていたら、一括で返済を求められるということもあるかもしれませんね。

会社を通じて加入している団体保険とか組合など提供されている保険などに加入している場合、割引がなくなるだけで加入し続けることができるのか?あるいは、もう次から加入できなくなるのか?それによっては必要な保険を見直す必要というのも出てきますよね。




「雇用・人材の流動化」なんて言われますけれども。ひとつのところでずっと働くっていうようなことばかりではなくて、多様な働き方を選択できるようになってきた今、会社を通じて得ているものって何なんだろう?っていうのを改めて整理して、

途中で転職退職する時に、思わぬ落とし穴に驚くことがないように、しっかりと準備・対策していきたいですね。


以上、保険を売らないFPのナナコでした。この動画が役に立ったな・面白かったな・また見たいなと思ってくださったら、高評価・コメント・チャンネル登録もお待ちしてあります。

動画