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コンペティションとCSへ進化したM2

BMW M2はタイムマシンのようなスポーツカーかもしれない。大型化していく近年のクルマにあって、小さく軽かった。価格も、もう少し近づきやすいものだった。成功といえる結果に結びついても不思議ではなかった。

【画像】陶酔のドライビング体験 BMW M2(F87型) 最新G87型M2 現行のM3とM4も 全102枚

F87型M2の前身となるE82型の1Mクーペで、BMWはこのコンセプトに対する市場の反応を掴んでいた。僅かにボディサイズは大きくなっていたものの、明らかにその後継モデルといえる位置づけにあった。


BMW M2(F87型/2016〜2018年/英国仕様)

市場限定だった1Mは、英国では450台しか販売されず、日本には正規導入すらされていない。しかし、初代M2は2000台がグレートブリテン島に上陸。コンペティションとCSへ進化を続け、さらに多くのドライバーのもとへ渡った。日本でも販売されている。

2016年に登場したオリジナルのM2には3.0L直列6気筒ターボエンジンが搭載され、最高出力は370psを誇った。格下の、M135i用ユニットの改良版ではあったけれど。0-100km/h加速は、7速デュアルクラッチATで4.2秒、6速MTでは4.4秒がうたわれた。

最大トルクの50.9kg-mは1400rpmという低い回転域から生み出され、胸のすくような走りが常時可能。ドライバーの気分次第で、カーブではテールスライドに興じることも難しくなかった。

M3譲りの3.0L直6ツインターボを獲得

M2最大の特長といえるのが、正確性に優れ落ち着いた操縦性。腕利きのドライバーが操れば、驚くほどの速さを披露した。実際、ドイツのホッケンハイム・サーキットでは、当時のBMW M3やM4のラップタイムを破っている。

これはボディをコンパクトにし、車重を軽くすることで得られる対価だった。オリジナルのM2の全長は4468mm、車重は1575kgだ。


BMW M2(F87型/2016〜2018年/英国仕様)

2018年に、M2 コンペティションへバージョンアップ。さらにシリアスな能力を獲得している。こちらに搭載されたのは、M3譲りの3.0L直列6気筒ツインターボで、最高出力は409psへ上昇している。

ボディシェルにはカーボンファイバー製のフロントストラット・ブレースとバルクヘッド・ブレースが追加され剛性をプラス。より高精細な操縦性を叶えていた。アルミホイールは18インチから19インチへサイズアップし、車高も落とされている。

オリジナルのM2と比較し、コンペティションはすべてにおいて磨きが掛けられていた。しかし、ドライバーが手懐けるような荒々しさは鎮められ、スリリングさでは劣ると感じる人もいるかもしれない。

2020年にはM2 CSが登場。最終仕様として、最高出力は450psへ引き上げられている。トランスミッションのギア比にも調整を受け、コンペティションよりエネルギッシュさでは数段上。驚くほどの勢いでスピードを高めていける。

極上といえる陶酔性あるドライビング体験

M2 CSではステアリングレシオがショートになり、電子制御のMディファレンシャルを獲得。自信を持って、バランスに優れたシャシーの能力に迫ることを可能としていた。

姿勢制御は一層引き締まり、ボディロールは抑制され、回頭性もオリジナルのM2より敏捷。ポルシェ・ケイマン GT4以上に陶酔性のあるドライビング体験は、極上といっても過言ではない。


BMW M2(F87型/2016〜2018年/英国仕様)

新型のBMW M2が発表されたものの、英国の中古車市場ではF87型は今でも高値で流通している。最終仕様のCSを購入するなら、7万5000ポンド(約1245万円)程度は準備する必要があるようだ。

しかし、M2 コンペティションなら個人売買で3万2000ポンド(約531万円)前後から。オリジナルのM2なら、2万7000ポンド(約448万円)程度から探すことができるようだ。

トリムグレードとスペック

トリムグレードではないが、英国編集部が注目するM2の仕様がコンペティション。オリジナルより洗練度を高めつつ、CSほど高い値段では取引されていない。

サイドボルスターが大きく立ち上がったスポーツシートには、ヘッドレストにMのロゴがあしらわれている。インテリアは、アルカンターラとカーボンファイバー製の化粧トリムで特別感が高い。


BMW M2 コンペティション(F87型/2018〜2020年/英国仕様)

知っておくべきこと

6速MTは、7速デュアルクラッチATより高値が付く傾向がある。英国の場合、コンペティションで比べるとMTは7000ポンド(約116万円)前後も値が張る。

車内空間は比較的広く、平均的な身長の大人なら4名が問題なく乗れる。燃費は丁寧に運転すれば10.5km/L以上に届くものの、気持ちのタガが外れた場合は5.0km/L前後を覚悟しておきたい。


BMW M2(F87型/2016〜2018年/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

信頼性

AUTOCARの姉妹サイトの調査によると、2シリーズ全体の信頼性は同クラスで15車種中の5位にランクインしている。BMW自体は32メーカーのうちの16位だった。M2の場合、余り不安を抱く必要はないかもしれない。

保険金

英国では、M2の自動車保険はかなり高い。オリジナルでもCSでも、毎年の出費は覚悟しておきたい。


BMW M2(F87型/2016〜2018年/英国仕様)

英国編集部の推しチョイス

ベスト:コンペティション/3.0 ビターボ

オリジナルのM2より音響的に楽しめパワフル。豪快に吹け上がるエンジンも素晴らしい。レブリミットは7000rpmから7500rpmへ上昇している。

ワイルドカード:CS

予算に余裕があるなら、近年でも最高のドライバーズカーの1台、M2 CSを狙いたい。生産台数も少ないため、今後の価値も高く保たれるはず。


BMW M2 コンペティション(F87型/2018〜2020年/英国仕様)