「巨人戦中止」が球界OBからも批判を集める「理由」とは

写真拡大

 注目を集めていた巨人戦が再開延期となった。プロ野球12球団による臨時の実行委員会が28日にオンラインで行われ、29・30日のDeNA・巨人戦(横浜)の延期が決まった。これでコロナ関連で巨人戦が延期となったのは、前半戦最終カードの中日3連戦(バンテリンD)を含め、計5試合となる。 

【関連記事】今オフFAの超目玉!西武・森友哉を巡り巨人と阪神「伝統の一戦」勃発か


 巨人側から感染状況、チーム編成についての説明があり、新型コロナウイルスの陽性者、ケガでの長期離脱選手を除くと、支配下で出場できる野手は10人(捕手2人、内野手3人、外野手5人)のみということから延期が決定した。日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は「試合中にケガなどが発生した場合、試合中に内野手がケガで離脱した場合、その時点で試合続行が不可能になるリスクがある」と理由を説明した。

 巨人側も打つ手は打った。後半戦開幕前日の28日には育成内野手の勝俣を支配下登録するなど、何とか試合を行えるよう策は取ったが、苦しい状況が続いている。

 一方で球界をまん延しているコロナ禍において、どう公式戦を進めていくのかについては球界OBからも意見が相次いでいる。

 元巨人で大リーグでも活躍した上原浩治氏は24日に出演した「サンデーモーニング」(TBS系)内で、現在、各チームでコロナ陽性者が相次いでいることを受け、「12球団ちゃんとしたルール作るべきだと思うんですよね。1軍選手で何人出れば、もう全部中止にしてっていう風に。やっぱり平等性に欠けますよね」と、指摘した。

 コロナ陽性者が多数出たヤクルトではコロナにより2試合が中止となった上で、その後は公式戦を続行。主砲・村上が気を吐いたが、チームは6連敗を強いられるなど、チーム編成に苦労した経緯がある。同じく陽性者が続出している日本ハムでも29日、新たに外野手の浅間、内野手の難波の陽性が発覚。28日にも中継ぎの堀ら4選手が陽性判定を受けており、これで陽性者が計44人となった。

 ルールが明確化されない以上、このような事態が今後も起こりかねない。ペナントをめぐって不公平感を訴える声は野球ファンの間から急速に拡がりつつある。

 ほかにも球界OBの間からは「一定期間、すべての球団の試合をストップすべき」「日程消化よりも選手のコンディション維持を含め注力すべき」といった声もある。

 NPB側はダブルヘッダーも含めて、公式戦全日程消化を視野に入れ始めるが、果たして何が「正解」なのか。今後も慎重な議論が求められそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]