本webで何度も紹介してきた、食品の自動販売機。今回はついに東海エリアに進出。うなぎの街・三重県津市の老舗店にある“自販機うなぎ”を実食しました。

『おとなの週末』2022年8月号で、私は三重県津市のうなぎを食べ歩き、本当に美味しくてお値打ちに食べられる店を紹介させていただいた。どの店も歴史があり、観光客ではなくうなぎが大好きな地元の人々に支えられていることを実感した。

JR紀勢本線、近鉄名古屋線津駅前には津のうなぎをPRする巨大な看板が

その中のひとつ、明治23(1890)年創業の『新玉亭』は津の老舗うなぎ店の代表格。仲良くさせてもらっている名古屋のうなぎ屋のご主人から勧められたのをきっかけに、津へ訪れたときに立ち寄っている。

『新玉亭』外観。広々とした駐車場も完備している

津のうなぎ屋の大半はメニューに「ひつまぶし」がない。うな丼かうな重、または長焼き定食の3択になる。

『新玉亭』では、うな丼はうなぎの量によって価格が異なり、「特上丼」(5切れ・3355円)と「上丼」(4切れ・2750円)、「中丼」(3切れ・2145円)、「並丼」(2切れ・1540円)、「小丼」(1切れ・935円)の5種類を用意。

「中丼」(3切れ・2145円)

覆面調査時に注文したのが「中丼」。ご覧の通り、うなぎは3切れでもご飯を覆い尽くすほど大きくて分厚い。タレの味付けはやや辛口で、うなぎの脂の甘さと相まって美味しい。ふんわりととろけるような身の食感も素晴らしかった。やっぱり、ここは旨い!

店の入口横に鎮座するうなぎ自販機

店の脇にあるうなぎの自販機

大満足で会計を済ませて店の外へ出ると、入口の横に鎮座する自販機が目に飛び込んできた。新型コロナの感染拡大を機に、餃子やラーメン、焼肉などさまざまな自販機が登場しているのは知っていたが、うなぎの自販機は初めて見た。

販売されているのは、蒲焼き2切れ入りの「炭火うなぎ」をはじめ、全4品

自販機で売られているのは、「炭火うなぎ」(2切れ・1450円)と「きも焼」(1100円)、「ひれ・尾っぽ」(150グラム・300円)、皮が厚くて骨が多く、身がかたい「ごりこさん」(半身・1000円)の4品。

3切れパックがほしい

『新玉亭』の味を自宅でも楽しみたいと思い、「炭火うなぎ」をポチッと。いや、ちょっと待てよ。2切れでは物足りないかもしれない。今さっき食べたばかりの「中丼」を再現しようと思ったら、もう1パックが必要となる。あ、2パックだと計4切れで「上丼」か。

パックごとにうなぎの部位は異なるが、重量はだいたい同じ

「上丼」は4切れで2750円。「炭火うなぎ」は2パックで計2900円。正直、「上丼」をテイクアウトした方がお得だが、熱々のご飯とともに堪能するとしたら「炭火うなぎ」に軍配が上がる。ということで、もう1パックを追加購入することに。

湯煎するだけの簡単調理

パックを開封した状態

パックを開けると、中身はこんな感じ。真空パックされたうなぎ2切れとタレ、保冷剤が入っている。欲を言えば、粉山椒を入れてほしかった。

使わない人もいるだろうが、私は使う派。食べている途中で味変するのがイイんだよなぁ。ひょっとしたら、冷凍すると味や香りが落ちるから、あえて入れていなかったのかもしれないが。

焼き加減は完璧

真空パックを取り出して、うなぎの焼き加減をチェックしてみる。身に少し焦げ目があり、見るからに香ばしそう。焦げるギリギリの、この焼き加減は思いっきり私好み。

『新玉亭』で食べた、「中丼」の口の中で広がる炭火焼ならではの香りがフラッシュバックして一刻も早く食べたくなった。

沸騰したお湯に4〜5分

調理法はいたって簡単。レトルト食品と同様に、鍋に水を入れて沸騰したら、その中にイン! 細かい時間は書かれていなかったが、だいたい4〜5分くらい。

タレはやや辛めなので控えめに

湯煎している間に丼もお湯で温めておく。実はこの作業、かなり重要。丼そのものが熱いとご飯が冷めにくくなるのだ。このひと手間を加えるか否かで味は大きく変わるのでぜひ試してみてほしい。

で、熱々の丼にご飯をよそって、タレをかける。前にも書いた通り、『新玉亭』のタレはやや辛口なので控えめにした。

いよいよ開封!

5分経ったところで、お湯から上げてパックを開封する。その瞬間、うなぎの香ばしい香りがキッチンに広がる。もう、たまらない!

うなぎをご飯に盛り付ける

今回は待ちきれなかったので(笑)、湯煎したうなぎをそのままご飯にのせたが、クッキングシートを敷いたフライパンで身と皮の両面を軽く焼くと、かなり店の味に近くなる。

ちなみにスーパーで買ったうなぎもこの方法で温めるのがオススメだ。その際、少量の調理酒を回しかけてから蓋をして蒸し焼きにすると、より美味しく食べられる。

店の味は再現できたのか? いざ、実食!

丼の一面を覆い尽くすうなぎ!

『新玉亭』の「上丼」、完成! 丼の一面を覆ったうなぎは圧巻そのもの。ただ、温めてご飯の上にのせただけなのに、何なんだ、この映えまくりのビジュアルは!

お吸い物と香の物を添えるとより映える

お吸い物と香の物も用意して、いざ実食! まずはうなぎにかぶりついてみる。うん、ふわふわで口の中でとろけるような食感。湯煎したので皮のパリパリ感はないものの、とても柔らかくて食べやすい。比較する対象にはならないが、スーパーで売られているうなぎとは雲泥の差だ。

唯一、気になったのは味の濃さ。タレが身に染み込んでいるのか、店で食べるよりもかなり辛かった。大げさに言うと、うなぎの佃煮レベルくらい辛い。そのおかげでご飯が進みまくり、おかわりしたくらい。タレも控えめにして正解だった。

味が濃いので2切れでも十分だった

ということは、2切れでも十分ということか。小さい子供がいる家庭なら、夫婦で2切れずつと子供は1切れずつで大丈夫だろう。計3パック、金額にして4350円。店へ食べに行くよりはかなりお得だ。

ひとりで4切れ食べた私の満足感はハンパない。ものすごく満たされた。名古屋でも連日猛暑が続いている。うなぎからもらったパワーで乗り越えられそうな気がする。

取材・撮影/永谷正樹