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 ここ数年、パンが美味しくなるアイディア商品で大ヒットを連発している100円ショップパンの食感がよくなる「スチーム皿」や、バターがふわふわになる「ふわっとバターナイフ」などは、大きな話題になったので持っている人も多いでしょう。

 そんなパン関連商品で今、最も売れている商品をご存知でしょうか? 発売から数ヶ月経っても、未だに品切れ店舗が多く、滅多に出会えないことから「幻の商品」とまで呼ばれているその商品の名は「トースターバッグ」。

1枚入り 110円(税込)。セリアやキャンドゥ、ワッツなどの100円ショップで買える

 週3回以上、100均巡りをする100均マニアの筆者ですら、3ヶ月以上探してやっと見つけることができました。ガラス繊維(フッ素樹脂加工)で作られたバッグで、食パンを入れてそのままオーブントースターで焼くことで、いつものトーストが外はカリッと、中はふんわり食感になるというパングッズです。

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 一見、なんでもないペラペラの袋のように見えますが、耐熱温度は260℃で、オーブントースターと電子レンジでの使用が可能。フッ素加工が施されているので食材がこびりつかず、汚れも落ちやすいです。しかも見た目とは裏腹に結構丈夫! 洗って何度も繰り返し使うことができますよ。

 SNSではかなり評判が良いみたいですが、実際のところどうなのでしょうか。実際に試してみましょう!

【検証】本当にいつもより美味しくパンが焼けるのか?

一般的な食パン1枚がちょうどすっぽり入るサイズ(約H19×W17cm)

 使い方はいたってシンプル。「トースターバッグ」に食パンを入れていつも通り、焼くだけです。せっかくなので、バッグに入れていない状態の食パンも一緒に焼いて比べてみましょう。

 高温でバッグが溶けてしまわないか、バッグに入れたまま焼いてちゃんと焼き色がつくか、いろいろ心配していましたが無事に焼けました。もちろんトースターバッグも無傷です。

 左が「トースターバッグ」に入れて焼いた食パン、右が普通に焼いた食パンです。

 そのまま焼いたものと比べると焼き色は薄めですが、両面ともしっかり焼けています。

 そのままかぶりついてみると、確かに「トースターバッグ」を使って焼いた方が格段に食感が良い! 外はカリッと、中は高級食パンのようにしっとりもっちりしてます。

 目を閉じて食べ比べても、食感の違いは明らか。 トースターバッグに入れることで、食パンの水分(蒸気)がそのまま蒸発することなくバッグ内で循環することで、パンの乾燥を防ぎ、しっとり状態を保てるのだとか。

 100均パングッズブームの火付け役となった「スチーム皿」も同じようにパンの乾燥を防いでくれる商品でしたが、水を入れてオーブントースターに設置する必要がありました。「トースターバッグ」はただパンを入れるだけなので、もっと簡単です。

 また、バッグに入れることでパン屑がバッグの中にとどまり、オーブントースター内に散らかることもありません。チーズがたれやすいピザトーストなどでも大活躍すること間違いなし!

「冷凍ポテト」や「焼き魚」にも使える!

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 実は「トースターバッグ」はパン以外にも使うことができます。まずは、揚げるのも片付けも面倒な冷凍ポテトを焼いてみましょう。バッグの中でポテト同士が重ならないよう、平らにした状態でオーブンで焼きます。

 外はカリッと中はホクホク、食感も完全に揚げたてのポテトです。ベチャベチャ感がなく、油で揚げていないのでヘルシーと良いこと尽くし。油で揚げるのが面倒で長い間冷凍庫に眠っていた「冷凍ポテト」をようやく消費することができました。

 続いて、生の鮭を「トースターバッグ」で焼いてみました。

 よく焼けた表面は香ばしく、中は他の食材同様、良い感じにしっとりしています。バッグに入れていたからなのか、オーブンを開けた時に魚の匂いがいつもより少ない気がしました。

「トースターバッグ自体に魚の匂いが染みついて、もう使えなくなるのでは?」と覚悟して焼きましたが、洗剤で洗うと匂いも綺麗に消えてくれて一安心。快適に繰り返し使えそうです。

 100均マニアたちの中でも高評価の「トースターバッグ」は、期待以上に良い仕事をしてくれました。入れるだけでパンがいつもより美味しくなり、簡単な料理までできてしまう便利なアイディア商品。試す価値ありです。

(撮影・文◎佐々木 舞)

●著者プロフィール

佐々木 舞
「美味しい」を求め、毎月お給料の半分以上が食費に消える元グルメリポーターのwebライター。美味しいモノがあると聞けば躊躇なく国境も越える食マニアで、これまで食べ歩きした国は60カ国以上。日本のご飯が世界で一番好き。そんな私が見つけた絶品グルメをご紹介します。