「PK獲得“芸”に終止符を」 プレミアが判定基準を変更へ、オフサイドは攻撃側に有利
昨季プレミアで史上最多125回のPK「判定基準を厳しくする」
イングランド1部プレミアリーグでは新シーズンからペナルティーキック(PK)やオフサイドに関わる判定基準を見直すことになった。
これにより、ペナルティーエリア内でのファウルは接触の度合いがより考慮されるようになり、オフサイドの解釈についても攻撃側に有利なものへ変更されるという。英紙「ガーディアン」が報じた。
プレミアリーグのレフェリング部門の責任者であるマイク・ライリー氏によれば、クラブや選手からのフィードバックを受けて新シーズンに向けたレフェリングの基準が見直されたという。
まずPKについて、審判はPKを与える前に3つの基準を評価することになる。攻撃側の選手が受けた接触の度合い、その接触が引き起こした結果、そして最後に攻撃側の選手がチャレンジによってPKを誘発する意思があったかどうかを考慮する。
ライリー氏は「審判は接触を探し、明確な接触を認めた場合は『その接触が結果に影響を与えたか』を自問する。さらに『(攻撃側の)選手が実際にファウル・ペナルティーを獲得しようとしていたか』も自問する。なので『接触があった』というだけでは不十分である」と、判定を下すまでのプロセスについて説明している。
この基準に照らせば、欧州選手権(EURO)の準決勝デンマーク戦でイングランド代表FWラヒーム・スターリングが獲得したPKは与えられることがなかったという。昨季プレミアリーグでは過去最多となる125回のPKが与えられており、こうした結果を踏まえたうえでの基準の見直しになったという。これについて「ガーディアン」紙は、「プレミアリーグはPKを“獲得する”という芸に終止符を打つべく、判定基準を厳しくすると発表した」と記した。
また、オフサイドの解釈についても変更が加えられる。
これまではVARで1ピクセル幅のラインを用いてオフサイドのチェックを行っていたが、新ルールの下では異なるアプローチとなり、最終的な判断の際にテレビ中継などで用いられる太い「放送用のライン」が使用されるという。昨季までは攻撃側の選手の体の一部が、わずかでもラインを越えている場合は問答無用でオフサイドとなっていたが、新たな基準では攻撃側の選手の位置を示す線が守備側の選手を示す線と重なって境界が不明瞭なケースではオンサイドと判断されるという。
VARのオフサイド判定は、新基準なら昨季の20ゴールが認められる
ライリー氏は「昨季は足の爪や鼻先でオフサイドになった選手も、今シーズンはオンサイドになる」とし、昨季はオフサイドとして取り消されたゴールのうち、20得点は新基準ならゴールが認められるものだったとしている。
そしてライリー氏は、EUROでもゲームの流れを重視したよりライトなアプローチによってVARの有効性が証明されたとし、「このアプローチがプレミアリーグでも踏襲される」と述べている。ミリ単位の誤差も見逃さないVARの判定についてはその良し悪しが議論され続けてきたが、プレミアリーグはより柔軟な判定基準を取り入れることにしたようだ。(Football ZONE web編集部)
