競艇のボートレース平和島にて「全艇フライング」の珍事が起き、レーサーたちも天皇誕生日のお祝いのため働かずにご帰宅ですの巻。
展示だけで帰りまーーーす!
天皇陛下が生まれた日ということで国民一同がお祝いのお休みをいただいている火曜日。どうせなら6月か10月か休日がなくて「週5日」がキッチリつづく月にお生まれいただけないでしょうか…という希望を申し上げるのが60年くらい遅かったなと思いますが、どうぞ今後のご参考としていただけますよう「バレンタインデー」と「スポーツの日」がオススメであると覚えていただければと思います。
さて、そんな休日を満喫するような素晴らしい事件が起きました。「我々はコロナなど関係ない」でおなじみの公営ギャンブル四天王から、もっともコロナを恐れなかったことで知られる猛将・競艇でのこと。緊急事態云々とかは気にせず本日も全国16場で朝から晩まで船を走らせておりますが、陛下の誕生を心からお祝いするようにいい感じの休日感を見せてくれたのです。
「全艇フライングでの競争不成立」
競艇がよくわかっていなくても「草」であることが理解できる美しい響き。このレースを開催していたボートレース平和島の中の人も、この事態を前にポンコツなプロペラみたいな音を立てて壊れていきました。「成立さえすれば金が儲かる」仕組みでやっている人たちにとって、「全艇フライング」はコロナよりも恐ろしい敵だったかもしれませんね!
↓全艇フライングで中の人もこんな感じです!
う、う…うぎゃ…ぽ…け……ほえぇ・・・
- ボートレース平和島【公式】@ピースター (@pstarheiwajima) February 23, 2021
ぜ、ぜぜぜ全艇フ、フライングぐぐぐぐぅ・・・
ううう…なんてこと・・・
ガ━━━━━(lll゚д゚)(゚д゚lll)━━━━━ン
ボートレース平和島 2月23日
第1レースは不成立となりました。
第1レースの舟券をお持ちの方は60日以内に払い戻して下さいね。
絶句…
少しだけ仕組みを説明しますと、競艇というのはフライングスタート方式という独特なスタート方法を採用しています(※最初からフライング推奨みたいな名前)。ピットを出た船はコース手前側にあるブイのあたりをグルッとまわりまして、そこから各自が目指すコースへと入っていきます。コースと言っても「ディスタンスをとって横に並ぶ」という程度のことですが、内側から1〜6コースに並ぶわけです。
その間はノロノロ運転をつづけており、スタートの30秒前くらいからじょじょに加速を始め、10秒前くらいからスピードをあげてスタートラインを目指します。そして、スタートラインの通過タイミングを「時計のゼロ秒」に合わせるようにするというのが競艇のスタート方式です。「10秒前くらいから助走を始めて、0秒でスタートラインを超えろ」という話です。もちろんインチキや八百長は禁止ですので、0秒より先にスタートラインを超えたり、1秒以上遅れてスタートラインを超えると欠場=失格扱いとなり、その艇に賭けたお金は返還されます。
↓スタートについてはこんな感じとなっております!
このスタートの際、最初のコース取りにあたって、艇の番号によらずどのコースに入ってもいいということになっています。競艇では内の1コースが圧倒的に有利となっており、外に行くと勝率が大きく下がりますので、内側から順に1〜6号艇がおさまることが多いのですが、必ずそうしないといけないわけではありません。
そこで実際のレースの前にはスタート展示という展示航走が行なわれます。これは各艇がスタートへ向かうときと同様にピットから出てブイをまわり、自分が狙うコースにおさまり、実際に本番と同様にスタートラインを目指し、時計に合わせてラインを通過するというリハーサルです。ファンに向けては「今日はこういう作戦ですよ(※ここで煙幕をまいて、展示と本番で違うことをしてもよい)」を見せ、レーサーたちは一回スタート練習ができる…そんな時間です。
↓当該のレースでもスタート展示はバッチリ決まっております!
その後、レーサーたちはコースを周回する周回展示航走を行ないます。こちらも一種のリハーサルで、レースと同じ感じでコースを航走し、その日のボートやモーターの調子などをお披露目します。お客はコレを見て「今日はアカン」とか「よし100万円賭けよう」とか考えます。見て何がわかるのかは正直よくわかりませんが、とにかく参考にするのです。
「全艇フライングでの競争不成立」となったボートレース平和島の第1レースもスタート展示、周回展示航走を順調にこなしていきました。リハーサルではフライングなどもなくキッチリと0秒でラインを通過。強めの向かい風が吹いているということで、ボートの動きを安定させる安定板というパーツをつけての航走ですが、まぁさして特別な話ではありません。安定板をつけると若干スピードが遅くなるということなので、「気持ち強めに」いかないといけないというだけのこと。
有利なスタートを切るために、気持ち強めに。
向かい風も吹いているので、気持ち強めに。
気持ち強めに、気持ち強めに、気持ち強めに。
↓で、気持ち強めにいった結果、こうなりました!
全艇フライングwwwwwwwwwwwww
全艇いっとるがなwwwwwwwwwwww
しかも、ちょっとやそっとではなくガッツリ!
5号艇・6号艇はちょっと許されざる感じですねぇ!
↓淡々粛々と表示される「このレースは不成立となりました」のお知らせ!
リハーサルだけして帰っていったwwwww
グルッとまわってそのまま引っ込むwwww
↓もちろん舟券は全変換です!
全返還・金の呼吸 壱ノ型 不成立!
全返還・金の呼吸 弐ノ型 払い戻し!
全返還・金の呼吸 参ノ型 主催者発表があるまでお手元の投票券は捨てずにお持ちください!
↓たまーにあることのようですが、今日は祝日感があって特にいいですね!
スタートは水物である…ということを改めて感じさせてくれる出来事との遭遇で、やっぱり「祝日は休むに限る」ということを改めて思います。舟券のお客様におかれましても「今日はお金は使わずに帰りなさい」という水神さまからのメッセージだと思って、ボートたちと同じくグルッとまわって帰っていただくのがよいかもしれません。なお、僕は「今日は荒れてるな」ということで不人気の内枠狙いで投票しましたところ、本日のお小遣いをいただきました。「フライング展示」を見させていただき、どうもありがとうございます!
ひとりだけフライングだと怒られそうですが、全員フライングだと平和です!
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