コロナに揺れるススキノ

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 北海道新型コロナウイルスの感染者数は11月20日には300人を超えるなど、東京・大阪に継いで深刻な状況になっている。札幌ではクラスターが頻発し、11月19、20日には2日連続で新規感染者が190人超え。“感染拡大の温床”と言われているのが、札幌最大の繁華街「ススキノ」で流行している「メンズパブ」という業態だという。

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「イッキで終わると男が廃る! ニキ、ニキ、二木ゴルフ!」

 狭い店内に女性客の声が響き渡る。

 9月下旬、ススキノのとある店での光景である。あちこちで沸き起こる、一気飲みを強要する爛魁璽覘瓠まだ夜10時だというのに、4つのボックス席はすべて埋まっている。

 ススキノで「メンズパブ」と呼ばれている店である。東京で言えば「ホストクラブ」、つまり男性が女性を接客する店だ。ススキノではこの「メンパブ」が4、50店、街のあちこちに点在しており、クラスターの発生源になっていると言われているのだ。

コロナに揺れるススキノ

「ホストクラブが問題視された新宿・歌舞伎町と同じ構造です。客から感染した風俗嬢がここで男性従業員たちと接触し、連鎖を拡大させる。ホスト同様、かなり密着した接客をしますからね」

 こう解説するのは、ススキノの中心部でバーを経営する男性である。

 確かに、店内には淫靡な雰囲気が漂っている。「キャスト」と呼ばれる男性従業員は女性客の肩を抱き、女性客はキャストにしなだれかかっている。他方では、顔を寄せ合って飲めよ飲めよの大騒ぎ。もちろん誰もマスクをしていない。

ホストクラブとの違いは?

 メンズパブとホストクラブの違いは何なのか。

「接客内容は同じです。ただメンパブは値段が格段に安いんです。ホストクラブだと、ホストがやたら高い酒を勧めてくるので、迂闊に飲んでしまえば一晩で十万円超えてしまうことも珍しくない。一方、メンパブは飲み放題の時間料金制で、1時間3000〜5000円程度と明朗会計。キャバクラ同様、軽く飲むだけなら1万円程度でお釣りが返ってきます」(同)

 ホストクラブではご法度の“指名替え”も認められているという点も、女性客に人気だという。

「ほとんどのホストクラブでは、一度ホストを指名したら、同じ店の他のホストを指名出来ない『永久指名制』が採用されています。『売り掛け』つまり『ツケ払い』を、担当ホストは自己責任で回収しなければならないシステムになっているからです。その点、『メンパブ』は客に多額の支払いを課すようなシステムではないので、そんな面倒なしきたりもない。風俗嬢やキャバクラ嬢が仕事帰りに気軽に立ち寄れる憩いの場となっているのです」(同)

 ススキノのメンパブでは、つい最近まで夜通し男女の乱痴気騒ぎが続いていたという。

「ススキノでの感染拡大の一因はGo Toトラベルキャンペーンだと言われています。明らかに道外からの観光客がここ数ヶ月で増えましたからね。羽目を外した観光客が夜の街の女性たちを感染させ、その女性たちがメンパブで飛沫を飛ばす。急激な感染拡大は、そんな風俗産業の“食物連鎖”の結果なのです」

 そして再び閑古鳥が鳴き始めた歓楽街。早く安心して遊べる街を取り戻したいものだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年11月23日 掲載