【プレミアム感をプラス】マツダMX-5(ロードスター) 1.5 R-スポーツへ試乗
英国内で限定の150台text:Tom Morgan(トム・モーガン)translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
マツダMX-5(ロードスター)に、限定モデルが登場した。マツダのアイコンともいえる2シーター・スポーツは、数え切れないほど沢山のファンを、英国でも生んでいる。それでも、まだまだその魅力は衰えていない。
メカニズムまで手が加えられるケースは少ないものの、限定仕様のロードスターは何度もリリースされてきた。折々の限定カラーが、通常の量産モデルとは異なる、際立つ存在感を与えてきた。
マツダMX-5(ロードスター) 1.5 R-スポーツ(英国仕様)今回の限定仕様、1.5 R-スポーツも基本的には容姿的な変化のみ。ポリメタル・グレーと呼ばれるボディ色と、色調がコーディネートされたソフトトップが大きな違い。今回は鮮やかな色ではないから、自己主張が強いとはいえない。
足元を飾るホイールは、レイズ製の16インチで鍛造。正直、控えめなデザインだ。
バーガンディのレザーが車内を彩り、インテリアの雰囲気は高められている。しかしそれ以外は、基本的に通常のロードスターと変わりはない。
台数は、英国内で150台に限られる。選べるエンジンは1.5Lのみ。多くのドライバーへ、控えめなエンジンでも充分に楽しめるということを、知ってもらいたいのかもしれない。
最高出力は131psで、6速MTを介して後輪を駆動。車重は1100kgをわずかに超える程度だから、この馬力でも0-100km/h加速は8.3秒でこなす。
同価格帯でベストのシフトフィール
軽快に吹け上がる1.5Lエンジンは、ロードスターの心臓として長い間積まれてきたユニット。一方で2.0Lエンジンの方には、LSDやストラットブレース、ビルシュタイン製のダンパーなどが装備され、より高次元のドライビング体験に浸れることも確か。
1.5Lの場合、最高出力が得られるのは、7000rpm。レッドライン手前の回転数で、そこまでリニアにパワーを高めていく。ロードスターは、従来どおりアナログ。自然吸気エンジンを、しっかり回して楽しむタイプだ。
マツダMX-5(ロードスター) 1.5 R-スポーツ(英国仕様)低回転域でも充分に速い。しかし、活発なアクセルレスポンスを期待するなら、ギアを活用し中回転域以上を保って走りたい。
ペダルレイアウトはコンパクトにまとまり、ヒール・トウがしやすい。シフトノブはストロークが短く、ストンと決まる。この価格帯では、ベストといえる質感がある。
値段は上だが、ホンダ・シビック・タイプRのシフトフィールも良い。さらに超えるなら、ロータスやケーターハムまで選択肢を広げる必要があるだろう。
軽快で正確なステアリングと、優れた操縦性のバランスのおかげで、コーナーを駆け抜けていくのが楽しい。多少路面が濡れていても、グリップ力も充分にある。
オーバーステアでテールを流すには、かなりプッシュした走りが求められる。しかし、その領域に届けば、予測どおりにクルマは反応し、修正も容易い。
数秒で開閉できるソフトトップ
速度域を上げていくほど、ドライバーの自信も高まっていく。英国郊外のチャレンジングな道でも、無駄のない身のこなしで、スピードを保って運転できる。
今回の試乗で得られた燃費は、15.6km/L。ソフトトップを閉じて、積極的に走らせたのにも関わらず、燃費の落ちは限定的だった。
マツダMX-5(ロードスター) 1.5 R-スポーツ(英国仕様)ソフトトップを開く作業は、1か所のキャッチャーを手で外すだけ。数秒でたためる。閉めるのも簡単だから、突然のにわか雨に慌てる必要はない。
インテリアが深い赤色なこと以外、 1.5 R-スポーツの車内で感じられる印象は今までどおり。7.0インチのタッチモニターによるインフォテインメント・システムが備わり、現代的な雰囲気はしっかりある。
システムは、アンドロイドとアップルのスマートフォンに連携できる。クルーズコントロールも標準装備。車線維持支援システムや衝突回避ブレーキなど、運転支援システムも付いている。
ロードスターの抱える小さな課題も、そのまま。荷室容量は小さく、2人分の週末旅行の荷物を積むのは少々難しい。高速道路では、ソフトトップを閉じていても、大きな風切り音が車内に響いてしまう。
どちらもクルマを購入する際には、考慮したいポイントではある。かといって、ロードスターの優れたドライビング体験を霞ませるものではない。
一般道の爽快さで右に出るものはいない
ホットハッチに迫る動的性能が与えられた2.0Lエンジン版とは異なり、1.5Lエンジン版は現実的な環境で、最大限にポテンシャルを引き出せる。それでいて、心から楽しいと感じられる充分なスピードも得られる。
エンジンを問わず、マツダ・ロードスターはこの価格帯でベストといえるハンドリングを備えている。サーキットで0.1秒を削るより、オープンで郊外の道を爽快に走りたいのなら、右に出るモデルはないといえるだろう。
マツダMX-5(ロードスター) 1.5 R-スポーツ(英国仕様)マツダ・ロードスターの素晴らしいレシピを乱さず、プレミアム感をプラスした1.5 R-スポーツ。手に入れられるドライバーは150名の限定だが、ぜひ選択肢に加えたいモデルだといえる。
マツダMX-5(ロードスター) 1.5 R-スポーツ(英国仕様)のスペック
価格:−
全長:3915mm
全幅:1735mm
全高:1230mm
最高速度:204km/h
0-100km/h加速:8.3秒
燃費:15.9km/L
CO2排出量:142g/km
乾燥重量:1106kg
パワートレイン:直列4気筒1496cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:131ps/7000rpm
最大トルク:15.4kg-m/4500rpm
ギアボックス:6速マニュアル
