パクチーの盗難被害を受けたつるの剛士さんのツイートは、なぜ波紋を広げてしまったのか Photo:Sports Nippon/gettyimages

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つるのさんのツイートが
なぜ「人権アンテナ」に?

 先日、俳優のつるの剛士さんが自宅の畑で栽培しているパクチーの盗難被害を受けたとツイートしたことが、大きな反響を呼んだ。

 ご本人の投稿によれば、現行犯で捕まえた犯人は「日本語わかりません」の一点張り。結局、警察には通報しなかったということだが、犯人についてこんな「目星」をつけているという。

「畑近くの工場で働いてる外国人。もちろん次見つけたら通報します」

 これが一部の方たちの“人権アンテナ”に引っかかってしまった。米山隆一元新潟県知事が「外国人の犯罪かのように示唆してRTするのは極めて差別的」と指摘したことに端を発して、「そういうヘイトスピーチが関東大震災の朝鮮人狩りにつながったんだ、このレイシスト!」と批判する人たちが参戦。これを受けて、つるのさんを擁護する声も盛り上がり、「外国人が盗んだのは事実だろ、なんでもかんでも差別に結びつけるな、このパヨク!」という毎度おなじみの罵り合いが始まってしまったというわけである。

 一方で、興味深いのは、つるのさん擁護のコメントの中で、近頃起きている野菜・家畜泥棒を外国人と結びつけて考えている人が、かなり多いということだ。今、農作物や家畜をターゲットとした窃盗事件が急増している。つるのさんが盗難被害をツイートしたのも、農林水産省の注意喚起を受けてのことだ。

 群馬県では8月下旬以降、ナシが約600個、山梨県山梨市ではシャインマスカット約400房が盗まれている。今月に入ってからは、北海道砂川市ではミニトマト約100キロが盗まれている。

 また、ご存知の方も多いだろうが、今、北関東を中心に前例のない規模で子豚、子牛、鶏などが盗まれている。日本農業新聞の取材では、群馬、栃木など4県10戸の豚舎から、なんと計730頭を超える豚が盗難されているという。

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