ニコンミラーレスZシリーズ待望の大口径望遠レームレンズ「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」で動物 AFを試す

写真拡大 (全12枚)

ニコンは今年1月、ミラーレス一眼「ニコン Z」シリーズ向けの大口径望遠ズームレンズ「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」を発表した。

フルサイズミラーレス一眼「Z 6」および「Z 7」待望の望遠ズームレンズと言うこともあり期待が高まったところで、生産上の都合による発売時期の延期が2月に発表されている。
そして4月現在、発売日は未定のままである。

今回は、発売前のNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sを借りることができたので、そのインプレッションとZ 6およびZ 7の最新ファームウェアの機能の一つ犬や猫の顔および瞳を認識してピント合わせができる「動物 AF」を試してみた。




ズーム全域F2.8の明るいレンズと言うこともあり、重さは約1,440gもある。
ボディとなるZ 7には握りやすい大きめなグリップがあるため手持ちでのバランスが良い。また、移動の際も、Z 7のコンパクトで約675gのボディと、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sをバッグに入れて持ち出すのもそれほど苦にならないだろう。


EVFで背景の大きなボケが確認できるので、撮影のテンションも上がる


手ブレ補正は5.5段分の補正効果があり、EVF(電子ビューファインダー)使用時だけではなく、背面モニターを見ながらの撮影でも手ブレを心配することなく撮影が可能だ。


絞り開放でも解像感があり、ボケは輪郭が柔らかいがもう少しトロけて欲しいところ








動画撮影は、手持ちでも安定した映像撮影が可能だが、レンズ自体が重いため長時間の手持ち撮影は厳しい。Z 7は4K撮影も可能だが、4K撮影時は三脚を使って高い解像度で記録した方が良いだろう。

オートフォーカスは静かで高速だ。
今回、激しく被写体が動くスポーツ撮影を試すことはできなかったが、風景撮影や人物撮影などの用途であれば問題はない。
Z 7は、中央にフォーカスエリアが集まった一眼レフとはことなり、画面の広い範囲でオートフォーカスが使えるため、構図を決めてからでも素早くピント合わせができる、これはまさに待ち望んでいた望遠撮影だ。


コントローラーでフォーカスエリアを自由に動かせるので、構図の自由度が高い


人物撮影なら顔認識や瞳AFが使えるので、決定的な瞬間を狙った構図で撮影することが可能だ。

新しいファームウェアVer.3.00で搭載された動物 AFは、ペットの撮影などに活用できる実用的な機能だ。

これまではピンポイントでペットの顔にAFポイントを合わせるか、中央のAFポイント固定でピントを合わせてAFロックしたまま構図を決める必要があった。

慣れれば苦ではない作業なのだが、ピント位置が鼻先に来て目がボケてしまうなんてこともあった。人間と違い犬や猫は目と鼻先の距離が大きいため、ピントはシビアなのである。




動物 AFは、猫や犬の顔の形を認識する。瞳が認識できれば瞳にピントが合う。
構図を決めてシャッターボタンを押すだけで簡単に撮影できる上に、鼻先にピントが合ってしまうという失敗がなくなるのはありがたい。


こちらに歩いて来ても瞳を追い続けてピントを外さない








便利な動物AFだが横顔などでは、まだ認識されない角度もあった。そこは通常のオートフォーカスと合わせて使いこなす必要がある。

最新ファームウェアは、Z 6およびZ 7の魅力が増すアップデートであり、一眼レフからの買い換えや買い増しに十分耐えうる性能となったように思う。


光学設計や手ブレ補正、オートフォーカス機能、そして操作性や柔軟なカスタマイズ、切り替え可能なディスプレイなど、最先端の技術が詰め込まれた新世代のレンズだ


あとは、大口径望遠ズームレンズNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sがラインナップに加わって、安心してシステムを組めるようになって欲しいところである。




執筆  mi2_303