【顳顬】って読める?読めない!「読みたい漢字ファイル」vol.21
その言葉を単独で差し出されたら読める人はほとんどいないかも?という、読めないけど読めたら自慢できそうな“難読漢字”をクイズ形式で紹介していきます。
今回は、嫌がらせとしか思えないほど画数の多いこちらから。
表示サイズが小さいと、すき間がつぶれて細部までよく見えないかもしれません… でも画像を拡大すれば、構成は意外と簡単です。
一文字めはまず耳が3つに「頁=ページ」です。この字、耳が3つもある時点でちょっと普通じゃないですよね。ちなみに「頁」は頭を表す漢字なんです。つまり、耳が3つある頭!? 妖怪系でしょうか。
では二文字めを見てみましょう。こちらも頭を表す「頁」と、「需要」などの「需」。「需」という字は「需要」の「需」ですが、この字をさらに分解すると「雨」と、ヒゲを表す「而」で構成されています。「需」という漢字は元々、雨乞いをする人の様子を意味するものなんだそうです。

「へえ〜、雨乞いかあっ」て、それを知ったからといって、読み方がわかるわけではないのですけど。音からも字の構成からも推測できないこんな漢字、ちょっと珍しいですよね。
というのも「顳顬」は、二つとも、そのモノだけのために存在する漢字だからなんです。
考えすぎて頭痛がしませんか?頭痛にも色々ありますけど、あなたの頭痛はどの辺が痛くなります? 額、側頭部、そして顳顬… え?顳顬?
もしかしたら、わかりましたね?
正解は…

【顳顬=こめかみ】です。
言わずと知れた、髪の生え際と目尻の間の部分。ここをどうして「顳顬」というのかと言えば、それは、お米をかむときに動く部分だから、だそうです。試しに何かかんでみてください、確かに動きますね。

この子の「顳顬」も動いているはず。
といって、顳顬が動くのはお米を食べたとき限定ではないのですが、やはり日本人にとっての代表的な食べ物をそこに据えたというのが日本語らしいところです。
ちなみに同じく漢字を使うお隣の中国では「蟀谷」と書いて顳顬を差すのですが、この「蟀」はコオロギのことなのだそうです。なぜコオロギなのかは中国でも不明とのこと。
では二問目です…

二問目も身体に関する言葉、しかも頭部、もっと言えば、顔の中のあるものに使う漢字です。
「顳顬」がすべての人類にあるのに比べると、この「靨」はどうでしょう、半分以下でしょうか。ある人でも2つとか1つとか、まあ色々です。
ここまでで、勘の良い人ならピンと来たでしょう。
では次のヒントです。この「靨」、漢字の意味を合わせて作られた「会意文字」ですね。上にのっている「厭」という字には「押しつぶす」という意味があるそうで、その下にある「面」はもちろん顔のこと。「顔を押しつぶす???」なんだか物騒な字に見えますが…

漢字の意味から想像するのはこんなシーンですよね?
ではもう正解を見てみましょう。
正解は…

【靨=えくぼ】です。

キャハ♡
笑うときゅっとへこむかわいいトレードマーク。
なのにこの字?えくぼって「笑窪」じゃないの?と思う人もいるでしょう。おそらくこの当て字は「靨」の文字よりもっとかわいい当て字はないの?ということで、比較的最近になって当てられた漢字のようです。
そもそも靨は、表情筋が、皮下脂肪をかきわけて表面の皮膚を内側から引っ張ることでできるくぼみ。ツラの皮、ではなく顔の皮下脂肪が厚い人ほど出やすいとか。周りの靨持ちの人を見て、そんな傾向ありますか?
次に靨が出る人に会ったら、ああいまこの人の表情筋が皮下脂肪をかきわけて表皮をひっぱりに来ている…と、つい考えてしまいそうですね。
では次回をお楽しみに…
文/伊波裕子
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