KDDIが5Gでドローンレース中継に成功! 超低遅延リアルタイム4K映像送信を実現できた技術とは

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●KDDIが4K映像の5Gリアルタイム送信に成功!
KDDIは2日、都内にて開催された東京モーターショーのドローンレース「FAI Drone Tokyo 2019 Racing and Conference」の決勝大会会場において、第5世代通信規格「5G」を使った4K映像伝送のプレサービスを行いました。

5Gには、
・超大容量(実測で下り最大2Gbps前後のデータ通信が可能)
・超低遅延(最短2〜3ミリ秒の応答速度)
・超多接続(1つの接続装置に対し1〜2万の端末が接続可能)
こういった特徴があります。

今回のプレサービスでは、大容量通信性と低遅延性の実証が行われました。

具体的には、4Kカメラを搭載した撮影用ドローンから送信された映像を、低遅延で会場の4Kスクリーンへと送信し、リアルタイム映像として映し出すというものです。


大会では日向坂46のスペシャルライブも開催され、多くのファンたちが会場を盛り上げていた


会場正面の巨大な4Kスクリーンにドローンレースの実況映像がリアルタイムで映し出された


●両立が難しい5Gの「大容量通信」と「低遅延」
実は、5Gの特性である「大容量通信性」と「低遅延性」は、同時に実現することが難しい特性なのです。

理由は映像の変換技術にあります。
動画配信では、
・動画を撮影する
・それを送信しやすい形式に圧縮する(エンコード作業)
・送信する
・受信側で圧縮された映像を展開する(デコード作業)
・モニターなどに出力(表示)する
こうした手順を必要とします。

そのため、データの送受信部分が5G回線によって高速化されても、エンコードやデコードの時間が必要なため、大きな遅延が発生するケースが多いのです。

これまでKDDIが採用してきた方式では、
動画のエンコードとデコード、さらに4G(LTE)回線による通信部分でも遅れが出るため、合計で0.5秒以上の遅延が発生していました。
4K映像を送信できたとしても、高速で移動するドローンレースの実況中継には不向きだったのです。

しかし、今回KDDIが採用した方式は、
動画のエンコードおよびデコード、さらに通信回線部分も含めたすべての遅延を0.1秒以下に収めることに成功し、真のリアルタイム中継を実現したのです。


5G技術だけではなく、映像送信技術の全てを改良して低遅延性を実現させた


●課題は5Gの魅力を最大限に伝えるためのコンテンツ整備
会場ではYouTuberでお笑い芸人の「カジサック」ことキングコングの梶原雄太さんと、元乃木坂46の永島聖羅さんが5Gプレサービスを紹介し、さらに5G回線を使用したYouTube Liveでの4K動画中継なども行われました。


「まさに夢のような技術ですね!」と5Gの未来に期待を寄せるカジサックさん(右)と永島聖羅さん(左))


会場でのリアルタイム中継に用いられた4K撮影用ドローン


KDDIは、今回用いられた映像圧縮方式を今後の5Gサービスへも活用していきたいと語っています。

一方、今後の課題としてはコンテンツ側の対応も挙げられていました。

今回カジサックさんや永島聖羅さんが行っていたYouTube Liveによる配信は、4Kカメラによる撮影が行われていましたが、
・専用回線ではなくインターネットを介した中継で遅延が大きい
・YouTube Liveは4K配信に非対応
こうした、5Gの特性を活かしきれていない現状も明らかになりました。

KDDIは5Gの普及を促進するためにも、コンテンツの充実と環境整備に注力すると語っています。

人々が当たり前のように、
・4K動画をスマートフォンで撮影
・5G回線でリアルタイム配信
・配信映像を人々が5Gスマートフォンで視聴する

そんな未来がすぐそこまで迫っていることは間違いありません。
執筆 秋吉 健