トランプ氏が、トルコでの核兵器配備を認めたともとれる発言を行ったという/Alex Wong/Getty Images

ワシントン(CNN)米国のトランプ大統領は16日、トルコ南東部に位置するインジルリク空軍基地に米国の核兵器が配備されていることを確認したとも受けとめられる発言を示した。

米ホワイトハウスの執務室にイタリア大統領を迎えた際、記者団がトルコ軍のシリア越境作戦に絡みこの核兵器の安全管理を尋ねた際に答えた。

「我々は信頼している。この基地は極めて強力な空軍基地である」などと述べた。また、トルコが米国も加盟する北大西洋条約機構(NATO)の一員であることにも触れ、加盟国は共に協力し合うことになっているとも語った。

同基地の核兵器はこれまで公然の秘密扱いとなってきたが、米政府当局者がその存在を確認したとすればトランプ氏が初の事例となる。軍事専門家らは冷戦時代の核兵器B−61が50個あるとも見ている。

この核兵器は米国とトルコが加盟する北大西洋条約機構(NATO)の抑止力戦略の一環。移動などさせる場合はNATOの28加盟国による全員一致の決定が必要。

トルコ軍によるシリア北部での少数派民族クルド人の武装組織に対する軍事作戦はトランプ氏による同地域からの米軍撤収宣言が引き金となった。米軍撤退の発表は米与野党内でも批判を招き、トランプ氏はその後、トルコの軍事作戦を批判し、同国への経済制裁を発動する姿勢にも転換した。

米国はシリアでの過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討作戦でクルド人武装組織を頼みの綱にもしていた。これら武装組織は米国の裏切りへの反発を募らせてもいる。

また、トルコ軍の越境攻撃の開始は米国とNATO加盟国との間の関係のあり方への疑問も招く形となった。1950年代に建設されトルコと米国が共同運営するインジルリク基地は米軍によるシリア内のISISせん滅作戦で重要な出撃拠点にもなっている。

トルコの越境軍事作戦を受け、米国務省と米エネルギー省が同基地の核兵器移送の是非を探る緊急検討を始めたことも17日までにわかった。この問題に詳しい消息筋がCNNに明らかにしたもので、どれほどの速度で移動が可能かなどを見極めるとみられる。

トランプ政権が移送案に賛同するのかは不透明だが、別の消息筋によると連邦議会の与野党議員の間にも同案の検討に賛意を示す声が出ている。

米国は過去にもトルコ内に核兵器を配備したことがある。ただ、1962年のキューバの核ミサイル危機に伴い米国のケネディ元大統領がトルコから核兵器を撤去させてもいた。

トルコで2016年に起きたクーデター未遂事件を受け、米国の核兵器管理の安全についての懸念が浮上してもいた。米軍内では近年、トルコからの核兵器撤去の問題が一貫して取り上げられているともされる。

米国の非営利機関「米国科学者連盟・核情報プロジェクト」の幹部によると、インジルリク基地にある核兵器は2000年時点で90個だったが、その後の約20年で減り続けてきた。ブッシュ(子)元大統領時代の05年ごろには、欧州での核兵器の削減措置に従い約40個が米国へ戻されたという。