日本は13日のスコットランド戦で引き分け以上で8強入りとなる【写真:Getty Images】

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12日の2試合が中止決定、英放送局も注目「上陸前から打撃を与えている」

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は12日に予定されていたニュージーランド―イタリア、イングランド―フランスの2試合を中止に。大会史上初の中止決定となったが、英メディアは「残念だが、大半が正しい決断と受け止めるだろう」と支持。13日のA組の決勝トーナメント進出を左右する日本―スコットランド戦も中止となる可能性に触れ、「台風は上陸前から大会に打撃を与えている」と分析している。

「人命の安全への脅威から、試合を中止することは正しい選択だ」と特集したのは英最大手衛星放送「スカイ・スポーツ」だった。1987年の第1回大会以来、9度目で初の開催中止という事態に海外メディアも注目している。

 最終戦で王者ニュージーランドに勝てば、逆転突破の可能性もあったイタリア代表パリッセ主将も「こんな決定はおかしい」と訴えるなど、波紋を広げている。そんな中、台風19号の影響を直接受けた英メディアは組織委員会の決定を全面的に支持した。

「この決定は人命に関わるゆえに下されたものだ。軽々しく下されたものではない。ワールドラグビーは夜まで熟考したのだ。しかし、最終的にセーフティファーストを選んだ。これは正しい結論だ」

 今回の台風は過去26年間で最大級の勢力と予報されていることも紹介し、「巨大台風の中でラグビーをプレーすることなど単純に不可能だ。確かに残念だが、ほとんどの人々は正しい決断だと受け入れるだろう」と評価した。

 一方で、国際統括団体ワールドラグビーが不慮の事態の際に正しい計画を準備していたかについては「疑問が残る」「彼らは台風の季節にW杯が行われることを知っていたからだ」と指摘した。

 大会ディレクターのアラン・ギルピン氏は「我々は常にリスクの存在を理解していた。台風シーズンのここまで遅い段階で、こんなインパクトを与える勢力の台風は稀である。安全性が最優先される」と語り、決定事項については「全く後悔はない」とまで言い切ったことも紹介されている。

一方で敗退危機スコットランドには「これはかなり異常な事態だ」

 イングランド代表は台風の影響と関係なく、決勝T進出が決まっていた。だが、英連邦のスコットランドについては「大ごとだ」と分析。台風は13日の日本ースコットランド戦までに通過する見通しを報じているが、台風の余波がインフラに与える影響、スタジアムへの被害、洪水などを引き起こす可能性も指摘している。

 試合当日の13日朝に開催については決定となるが、中止の場合、スコアレスドロー扱いで両軍に勝ち点2が付与。スコットランドは敗退となる。

「スコットランドが台風が理由で大会敗退となる。これはかなり異常な事態だ。スコットランドはピッチ上で準々決勝進出を争うための予備プランを要求している。しかし、ワールドラグビーは日程変更は選択肢に存在しないと明確にしている。台風は到達以前からラグビーW杯に打撃を与えていることは明らかになっている」

 記事ではこう結論付けている。大型台風直撃で揺れるラグビーW杯。13日の日本戦は無事開催となるのか、世界も注目している。(THE ANSWER編集部)