IQOSのヒートスティックが使える電子タバコ「GP-5」

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 中国でも今、電子たばこが大ブーム。中でも深センはその発信基地として数百を超える企業が集結すると言われている。昨年12月に立ち上げたShenzhen Gippro Industrial Limited(gippro)はそのうちの一つ。既に8モデルの製品を世に送り出し、創業から半年で計50万台の電子たばこを販売したという。IQOSと同様の「加熱不燃焼型」とPloomtechと同様の「蒸気式」を両方を手がけ、たばこのエッセンスを詰め込んだヒートスティックなども取り扱っている。

●CBDをひっさげて日本市場席巻を狙うgippro



 Sam Liang社長は、「創業して半年あまりだが、年商は日本円でおよそ8億円弱。滑り出しは好調だ」と話す。目を引いたのがIQOSのヒートスティックが使える「GP-5」。本体と充電器部分が磁石で一体化するユニークな構造が特徴だ。IQOSと異なり、満充電で4〜5本連続して吸うことができる。バッテリ容量は200Ahで、45分の充電時間。充電器部分に2950mAhの大型バッテリを内蔵し、1時間45分でフル充電でき、この状態で本体を8〜10程度充電できるという。

 Liang社長は、「2020年の秋ごろ、日本市場を視野に入れた画期的な製品の展開を計画している。CBDと呼ばれる成分を摂取できる製品だ。大麻由来だが、茎や種子から抽出するため日本でも合法。ニコチンを含まず人体に害がないだけなく、リラックス効果も期待できる。全国のコンビニやスーパーでも販売すべく準備を進めている。こうした製品でIQOSを抜く規模まで売り上げを拡大させたい」と意気込みを語った。

 大麻から抽出できる成分には、テトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)の2種類がある。大麻の作用として有名な幻覚作用や多幸感をもたらすのは、前者のTHC。穂や葉から抽出する。もちろん、大麻取締法が対象とする大麻そのもので違法。しかし、成熟した茎や種から抽出するものには、幻覚作用などがなく規制の対象外になっている。そのためCBDは、大麻由来ではあるが合法な成分だ。果たして一大ブームを巻き起こすことはできるのか。

●たばこらしさにこだわる「TAKI」



 今年4月にできたばかりのMOYU technologyが展開する電子たばこ「TAKI」も、注目のブランドだ。カートリッジ交換型と使い捨て型の2種類のラインアップをそろえ、独自のフレーバーを販売している。カートリッジ交換型は、本体に240mAhのバッテリを搭載し、好みのカートリッジを付け替えて吸うタイプ。一回の充電で、およそ300回吸えて楽しむことができる。12.5gと軽量でスリムな形状なのが大きな特徴。

 カートリッジは、中国の人気紙巻きたばこの「8号」と「22号」をラインアップする。ニコチンの含有率は紙巻きたばこのほぼ半分ながら、非常に近い味が楽しめる。また、コーヒーやライチ、ブルーベリーなどの風味をそろえているのも特徴だ。使い捨てタイプも同様、紙巻きたばこ8号をラインアップするほか、全部で6種類の味をそろえる。

 製品部のVincent Wang氏は、「紙巻きたばこの喫煙者にとっては、電子たばこは物足りないことが多い。通常はニコチン含有量を増やしてこれを補うが、中毒のリスクが高まってしまう。しかし、TAKIはニコチン含有量を通常の半分程度に抑えながら、たばこ本来の風味を再現できるよう調整。特に、たばこ8号、22号と言ったフレーバーでは、普通の紙巻きたばこと同じような感覚で楽しめる。現在台湾とマレーシアで販売しているが、近く欧米、中東にも拡大する予定だ」と話す。

 中国政府は、電子たばこの規制を強化しつつあると言われている。アメリカでも安全性を理由に全面禁止もにらみつつ電子たばこの規制が強化されるのでは、と報じられている。しかし、中国では既にCBD以外にもニコチンレスで全く中毒性のない物質を吸う新しいタイプの製品も出始めており、たばこの範疇を超えて広がる気配も見えてきた。日本よりもはるかに製品バリエーションが広い中国の電子たばこやその関連製品が、日本市場に本格上陸する日も、そう遠くないだろう。(BCN・道越一郎)