楢粼正剛が引退セレモニーで現役生活24年の想いを吐露。戦友・川口能活のサプライズ登場には笑顔
楢粼といえば、横浜フリューゲルスでは98年にチームの天皇杯優勝に貢献し、その後、移籍した名古屋では2010年にチームをJ1リーグ初優勝に導き、リーグMVPを受賞。J1リーグでは通算631試合に出場し、ベストイレブンを6度(96、98、03、08、10、11)受賞した日本サッカー界のレジェンドだ。
セレモニーに登場した楢粼は「昨シーズンを持って現役生活を終えることになりました。昨年末、退団が決まってから皆さんにご報告ができずにすみませんでした」と語り、以下のようなメッセージを残した。
「24年の選手生活、4年の横浜フリューゲルスでのプレー、20年間の名古屋グランパスでのプレー、皆さんと戦えたことを本当に誇りに思います。名古屋に移籍して1年目、ゴール前で顔面を骨折しました。万年中位と呼ばれる厳しい時期もありました。負けまくってJ2に落ちたこともあります。しかしたくさんの勝利を皆さんと喜び合って、優勝することもできました。すべてが大事な記憶となって残っています。
サポーターの皆さんには僕のチャントを作りたいと言われた時に、遠慮して断っていましたが、いつのまにかできて、でも今は僕の大事な宝物になっています。名前と顔が一致するファンの方もいます。これからはそういうルーティーンに入れずに寂しい想いをされているかもしれませんが、命がなくなったわけではないので、どこかでまた会えるので安心してください。そしてクラブには長く信頼していただき、長い間キャプテンも務めさせていただきました。本当に誇りに思います。ありがとうございました。
皆さんにもらったものをプレーで返そうと思いましたが、なかなか満足に返せていないかもしれません。本当に感謝の気持ちを伝えたいです。ともに戦った仲間、チームメイト、スタッフ、関係者の皆さん、ファン、サポーターの皆さん、スポンサー、協賛パートナーの皆さん、サッカーを始めた頃から成長させてくれたたくさんの指導者の皆さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。そしてなにより、両親、妻、3人の息子たち、いつもサッカーに没頭させてくれる環境を整え、サポートしてくれて本当にありがとう」
楢粼は今後、名古屋で「クラブスペシャルフェロー」としてゴールキーパーの後進育成や日本サッカー界の発展に努めるという。
第2の人生に向けては「フェローとして新しいスタートを切ります。学びながら一歩ずつ前進したいです」と抱負を語った。
またセレモニーにはともに日本代表の守護神として切磋琢磨し、昨年限りで現役を引退した川口能活がサプライズで登場。川口から「最強、最高のライバルでした」と評された楢粼は、セレモニー後、「僕は逆に年末に(川口の引退セレモニーに)行ったので、まさかと思いましたが、すごく嬉しかったです。彼がいなかったら僕はこんなに長くプレーできなかったと思います。感謝しかないです」と笑顔を見せた。
そして「今日は全部は伝えきれなかったですが、これは言いたいということは言えたので皆の前に立って想いを伝えられたのは良かったです。(チャント)最後かと思うと少し寂しさはあります。ただこれでやっと一区切りがついたと感じます。またしっかり新たな立場でスタートを切れると思います」と語った。
「最高で幸せなサッカー人生でした」と振り返った男が、今後、ピッチの外でどんな活躍を見せてくれるか注目だ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

