【夏休み】NHKラジオ「子ども科学電話相談室」にほっこり…子どもの視点がユニークな質問4選
今年も、NHK 夏休み子ども科学電話相談の季節になりました。
子どもの「何で?」にどう答える?好奇心を育む「質問攻撃」のベストな乗り越え方
子どもがいない人でも、子どもだった頃のなんでも不思議に思えた感覚を思い出して懐かしめますし、子どもがいる人はよりリアルに楽しめる、ほっこり度の高い番組です。
NHKラジオ第一放送でリアルタイムに聴く以外にも、番組ホームページから聞き逃した番組を後から聴けるサービスも好評です。
時には先生も困ってしまいそうな子どもたちからの質問にも笑ってしまいますが、子どもたち以上に真剣に答えようとする先生たちにもちょっと感動を覚えます。
どんなやりとりがあったのか、いくつか拾ってみましょう。
世界は朝から始まったの?
月曜の朝いちばんに飛び出したこの質問は、「まるで一篇の詩」とSNSでしばし話題にまでなりました。うだるような猛暑の続く今年の夏ですが、暑さがスッと引くような、壮大でピュアな質問です。
この質問をしたのは小1のめいちゃん。「どうしてそう思ったの?」とアナウンサーに聞かれて、返ってきた答えがまたすごい!
「お空を見ていて思いました」
天文・宇宙が専門の先生が答えてくれます。とはいえ、もちろん答えらしい答えは出ません。先生は、めいちゃんが発した「朝」、「世界」といった言葉をていねいに分解して、いちいちめいちゃんに確認します。
「世界は朝から始まったか・・・、これは難しい質問だけど、まず世界ってどんなものかな?
めいちゃんが住んでいるのは地球っていうお星様だよね。その地球に住んでいる人たち、自然も全部含めて世界ってことなんだと思うけど、日本が朝でも、地球の別の場所では朝じゃないところもあるんだよ」
「へえー」とびっくりするめいちゃん。
先生「で、世界は朝から始まったかどうかってことなんだけど、実は、いろんなところが朝だから、どこから始まったのかな、ていうと一日っていう時間のなかでいうと、答えは出てこないんだ。めいちゃんの質問は、世界はどこから始まったってことかな? そういうことかな?」
めいちゃん「そういうこと」
先生「そういうことかあ・・地球が始まったのは、今から46億年くらい昔なんだけど、その時が朝だったか夜だったかは、わかんないんだよね・・・。
なにが始まるのかなって思った時、その前にはなにがあったのかなって考えたことある?たとえば、一学期が終わったら夏休み、夏休みが終わったら? 二学期だよね。
そんな風に、なにかが終わったら、またなにか別のものが始まっていくんだなって考えてみるといいと思うよ」
なにかの終わりはなにかのはじまり。そんなことを、めいちゃんは感じ取ってくれたでしょうか。
毒のある恐竜がいたというのは本当ですか?
小学2年生のあらた君の質問は、「毒がある恐竜がいると本に書いてあるとお母さんが言っていたけど、本当ですか?」というもの。
恐竜に関する質問は、男の子を中心に定番といえば定番ですが、この質問をしたあらた君は恐竜というより、毒に興味があるようで・・
「結論からいうと、わかりません」といきなり素直に言う先生。毒は化石に残らないため、生きている時でないとわからないのだそうです。
その上で、恐竜が毒を持っていてもおかしくないかな、と先生自身の見解を述べます。
その後、「爬虫類にも毒を持っているものがいるけど、知っている?」と先生に逆に聞かれて、実はあらた君が毒を持っている生き物について、かなり詳しい知識を持っていることがわかってきます。
鳥類に関しては、鳥類専門の先生に「先生が説明することなくなっちゃったなあ」とまで言わせています。他にも毒を持つ哺乳類についての知識で動物専門の先生をびっくりさせ、スタジオ内が一時騒然とする様子が放送されます。
最後に昆虫にも毒があることにも触れるのですが、昆虫専門の先生が言った言葉が深いのです。
「昆虫はほんとは毒なんか持ちたくない。あんな無駄なこと、本当はしたくないんだと思う。食べられてしまうから、やむなく毒を持ったのかもしれないよ」
小2のあらた君がどんなことを思ったのかはわかりませんが、自分の興味のあることについて、ラジオを通してこんなにまじめに話してくれる大人と出会ったことは、大きくなってもいい思い出となるのではないでしょうか。
ハトは3秒歩くと忘れるというのは本当ですか?
小5のこはく君は、友達から「ハトは3秒で物事を忘れてしまう」と聞いたそうですが、もしそれが本当なら、エサを食べたことや巣の場所を忘れて帰れなくなってしまうのではないか、本当かな、と思ったそうです。
回答するのは鳥専門の先生。鳥を専門にしているだけあって、鳥サイドに立った回答を披露してくれます。
先生「こはく君、もしハトの気持ちになって、君がそんなことを言われたのだとしたら、どんな気持ちがするかな?」
こはく君「ちょっと悲しいです」
先生「そうだよね、これは間違いなく悪口ですね、これはただの悪口。その友達がなぜそんなことを言ったのか、聞いてみてください。僕も知りたくてしょうがないです」
後ろで番組の進行をしているアナウンサーの女性が笑っているのが聞こえます。
その後、先生は、ハトには記憶力がちゃんとあることを、伝書鳩の例を出して説明します。
伝書鳩を知らない世代のこはく君に、ていねいに伝書鳩の説明をするのですが、伝書鳩は、同じ場所に帰ってくるだけでなく、鳩舎(ハトが飼われる小屋)の場所を移動させても、ちゃんと戻ってくるのだそうです。
そういったことからハトは、記憶力もあれば判断力もある頭のいい鳥である、と先生。その根拠は他にもあり、訓練されたハトは、ピカソとモネの絵を見分けることができるようになったという論文もあるそうです。
ゾウは鼻に水が入っても鼻がツーンとしないのですか?
この質問をしたのは小1のそうま君。
司会のアナウンサーに、「どうしてそういうことが知りたいと思ったの?」と聞かれ「動物園に行った時、ゾウが鼻から水を吸ってもツーンとしていなかったからです」
おそらくそうま君は、学校のプールの授業の時、鼻に水が入って痛い思いをしたのでしょうね。動物園で不思議そうにゾウを見続けるそうま君の姿が目に浮かぶようです。
先生は、以下のようなことを、そうま君にわかりやすく説明してくれます。
「ゾウも鼻の奥の粘膜があるところまで水を吸ったらツーンとするが、ゾウは10リットルくらいまでの水はツーンとせずに鼻に吸い込むことができる。
吸った水は口に運んで飲んだり、何かにかけたりするが、鼻から水を飲んだりはしない。そんなことをしたら、水が鼻の奥まで行ってしまう。水が鼻の奥に行かないかぎり、ツーンとはしない」
先生たちはきっと、子どもの頃の素朴な疑問を、大人になっても抱き続けて日々研究をしている人たちなのでしょうね。
どんな質問に対しても、きちんと心をこめて回答してくれる姿には頭が下がります。
まとめ
子どもにとって、質問をして正確な答えが返ってくることと同じくらい大事なのが、子どもと同じくらいの真剣さで大人が考えてくれることなのかもしれません。
日頃、子どもからのなんでなんで攻撃に困っているママには、先生たちのあり方は参考になるかもしれません。正確な答えはわからなくても、子どもと一緒に世界を不思議がることはできるのでは?
また、本当に子どもの質問に答えたくても答えられなくて困っているのなら、実際に番組宛に質問を送ってみるのもいいかもしれません。実際に番組放送中に電話をするか、事前にメールで送る方法もあるようです。
今年は7月23日〜8月3日(すでに放送終了)、8月23日〜31日の平日の午前中に放送されます。まだ聴いたことのない人はぜひ、夏休み後半の番組をぜひ聴いてみてください。
<参照>NHK 夏休み子ども科学電話相談
