【漢字トリビア】「在」の成り立ち物語
「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「現在」「存在」の「在」。「在る(ある)」とも読む漢字です。

「在・在る」という字は「才能」の「才」に、「兵士・戦士」の「士」を組み合わせたもの。
「才」は目印として立てた木を描いた象形文字で、横木が渡され、そこに神への祈りのことばを入れる器がかけられています。
それは、神の「在る」神聖なところを示しているといいます。
「士」は小さな「まさかり」の頭の部分で、刃を下にして置いた形。
この場所を守るために置いてあるものです。
つまり「在」とは、神聖なものとして「ある」という意味を表す漢字。
のちに物が「ある」、人が「おる、いる」という意味も持つようになりました。
かがり火が赤々と闇を照らす、聖なる砂浜。
寄せる波音とともに次々と稲佐の浜へおいでになるのは、全国各地からやってきた八百万の神さまです。
旧暦十月のこの時期は、出雲の国に神々が集まる「神在月(かみありづき)」。
今年は十一月九日の神迎祭(かみむかえさい)の翌日から、七日間にわたって神在祭(かみありさい)が行われます。
出雲大社に祀られた国作りの神・大国主大神のもとで、人間たちの縁組や五穀豊穣、産業の発展について話し合われるのです。
私たちには測り知ることのできない大切な事柄を決めていただくその間、出雲の人々は、出来る限り静かに過ごすといいます。
「お忌みさん」と呼ばれるその期間中、騒々しい遊びや喧嘩、歌や踊りも慎むのです。
目には見えないけれど、今、確かに「在る」神々。
その存在を意識して、心を清め、身を正す。
「神在月」を誠実に生きる人々の姿に頭が下がります。
ではここで、もう一度「在」という字を感じてみてください。
神聖な場所である、ということを示す「在る」という漢字。
目には見えない神々が森羅万象を依代にしてこの世に現れ、何かを伝えようとしていることを改めて思い出させてくれます。
神さまの声に耳をすますためにふと足を止め、目の前の景色をながめてみたら、そこに答えが見つかるかもしれません。
そもそも、私たちが今、ここに「在る」ことも人知を超えた神の采配。
私たちひとり一人が、神聖な存在なのです。
つまりは、自分自身を大切に扱うことこそ、神さまへのご恩返し。
日ごとに寒さが増してくる時期、神さまにもらったからだを、どうぞご自愛くださいね。
漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。
*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
『出雲大社ゆるり旅 神話のふるさとのヴィジュアルガイド』(錦田剛志/文 中野春生/写真 ポプラ社)
『神々が集う地へ 出雲大社』(中島隆弘/文・写真 青林堂)
11月19日の放送では「俵」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。
<番組概要>
番組名:「感じて、漢字の世界」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/

「在・在る」という字は「才能」の「才」に、「兵士・戦士」の「士」を組み合わせたもの。
「才」は目印として立てた木を描いた象形文字で、横木が渡され、そこに神への祈りのことばを入れる器がかけられています。
「士」は小さな「まさかり」の頭の部分で、刃を下にして置いた形。
この場所を守るために置いてあるものです。
つまり「在」とは、神聖なものとして「ある」という意味を表す漢字。
のちに物が「ある」、人が「おる、いる」という意味も持つようになりました。
かがり火が赤々と闇を照らす、聖なる砂浜。
寄せる波音とともに次々と稲佐の浜へおいでになるのは、全国各地からやってきた八百万の神さまです。
旧暦十月のこの時期は、出雲の国に神々が集まる「神在月(かみありづき)」。
今年は十一月九日の神迎祭(かみむかえさい)の翌日から、七日間にわたって神在祭(かみありさい)が行われます。
出雲大社に祀られた国作りの神・大国主大神のもとで、人間たちの縁組や五穀豊穣、産業の発展について話し合われるのです。
私たちには測り知ることのできない大切な事柄を決めていただくその間、出雲の人々は、出来る限り静かに過ごすといいます。
「お忌みさん」と呼ばれるその期間中、騒々しい遊びや喧嘩、歌や踊りも慎むのです。
目には見えないけれど、今、確かに「在る」神々。
その存在を意識して、心を清め、身を正す。
「神在月」を誠実に生きる人々の姿に頭が下がります。
ではここで、もう一度「在」という字を感じてみてください。
神聖な場所である、ということを示す「在る」という漢字。
目には見えない神々が森羅万象を依代にしてこの世に現れ、何かを伝えようとしていることを改めて思い出させてくれます。
神さまの声に耳をすますためにふと足を止め、目の前の景色をながめてみたら、そこに答えが見つかるかもしれません。
そもそも、私たちが今、ここに「在る」ことも人知を超えた神の采配。
私たちひとり一人が、神聖な存在なのです。
つまりは、自分自身を大切に扱うことこそ、神さまへのご恩返し。
日ごとに寒さが増してくる時期、神さまにもらったからだを、どうぞご自愛くださいね。
漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。
*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
『出雲大社ゆるり旅 神話のふるさとのヴィジュアルガイド』(錦田剛志/文 中野春生/写真 ポプラ社)
『神々が集う地へ 出雲大社』(中島隆弘/文・写真 青林堂)
11月19日の放送では「俵」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。
<番組概要>
番組名:「感じて、漢字の世界」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/
