スマホカメラは画素数=画質ではない! 初心者もできるカメラ重視スマホの選び方
綺麗に撮影できるほうが、気分もいいし、SNSなどへ投稿したときの見栄えもいいからだ。
しかし、スマホのカメラ機能は、どこで判断すればいいのだろうか。
もしも、「画素数が大きい=いいカメラ」と思って選んでいるとしたら、
それは大きな間違いかもしれない。
●「画素数=画質」はもう古い
昔のガラケー時代は、画素数の大きいケータイは、画質も良い傾向であった。
当時は、メーカーがカメラ重視モデルを作るときに、エントリーモデルと比較して画素数の大きなカメラを搭載していたからだ。
そのなごりか、今でも家電量販店やケータイショップのカメラ比較紹介には、画素数を比較した表示を多く見かける。
しかし、今では「画素数=画質」ではない。
本来、画素数が大きいというのは、より大きなサイズの写真が撮影できますよという程度のことなのだ。
したがって、
iPhoneの1300万画素よりも、Xperiaの2300万画素のほうが、大きなサイズの写真が撮れるという差でしかない。
スマホの画面(解像度)は限りが有る。大きなサイズの写真は縮小して表示されるため、キレイに見えやすい。こうした面から、画素数=画質というイメージを持たれやすいようだ。しかし、こうした効果も、一定のサイズを超えると、縮小しても差がわからなくなったり、縮小しすぎれば画像のノイズが増えたりすることもあるのだ。
●ツウによるスマホのカメラチェック方法
それでは、何を基準にカメラ性能を比較すればいいのだろうか。
実は画素数以外にも、比較する基準というものが存在するのだ。
・「f」から始まる数字
スマホのカタログなどを見ると、カメラ紹介のページに「f(値)」から始まる数字が書いてある場合がある。
例えば、
f1.9
f2.4
などだ。
これはカメラが取り込める光の量の違いを表している。
「f(値)」の数字が小さいと、
・暗い場所でも多くの光を取り込める
・速いシャッターが切れるのでブレにくい
など、「暗い場所」や「動きのあるもの」に強い傾向がある
と,覚えておけばよいだろう。
一眼レフなどでは、「f(値)」が小さいほうと背景ボケがキレイに出る効果があるが、スマホの場合はそこまで気にする必要はない。
・最後が「mm」で終わる数字
続いて、カタログによく書かれているのが、「mm」で終わる数字だ。
よく目にするのが、
24mm
28mm
などだ。
これは数字が小さいほうが広い範囲を写す(広角になる)ことを表している。
つまり、同じ場所で撮影しても、
・遠近が強調されたダイナミックな写真が撮れる
・記念撮影で多くの人間が画面に入る
という効果がある。
風景撮影や人物撮影が好きな人や、撮影する機会が多い人には、重要なポイントとなる。
・「感度」は一長一短
最後に、カタログで「高感度」と書かれる部分だ。
具体的には、
ISO6400の高感度
といったように表記されている。
これは「ISO」に続く数字が大きいほど、光に敏感で、暗い場所でも少ない光で写真を撮れることを意味している。ISOの数字が大きいと、高感度対応などと言われる。
しかし、高い感度(高ISO)は、暗いシーンでも写せるが、必ずしも良い面ばかりではない。
・色味が薄くなる
・肉眼とは違う色になりやすい
・画面がざらつくようなノイズが多くなる
などのデメリットがある。
ちなみに、夜景撮影では、高感度だけに頼らず、
・しっかりと脇を閉めて両手で撮影する
・スマホを手ブレさせないように静かにシャッターを押す
・スマホの夜景モードを利用する
など、工夫をして撮影するのも良い方法だ。
●スマホのカタログは、こう読み解け!
それでは、スマホカタログのカメラページに書かれているものはどのように読み解けばいいのだろう。
・「f」から始まる数字 小さいほうが光を多く取り込めるので暗所に強い
・「mm」で終わる数字 小さいほうが広い景色、多い人を撮影できる
この2つだけを抑えておくだけでも、かなりオッケーだろう。
●実際の色味やレスポンスは実機を撮影するべし
実は、カメラ機能には、カタログだけでは、わからない部分もある。
・撮れる写真の色味
・撮影時のカメラの動作や操作のレスポンス
・シャッターを押してから写真が撮れるまでの時間差(シャッターラグタイム)
・シャッター音の大きさ
などだ。
これらは実際に、販売店やショールームなどのデモ機を触ってみるのが一番だ。
少し前まではネット販売のみで対応していた格安スマホも、最近は量販店をはじめ、店頭展示している場合も増えている。
したがって、家電量販店やケータイショップで展示スマホを触る場合は、必ず
・カメラを起動して撮影してみる
・撮影した写真を確認する
の2つをすると、スマホのカメラで失敗することは無いだろう。
布施 繁樹