太陽電池発電所での氷雪事故、9割以上が豪雪地帯で発生

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〜雪が積もる前に備えを!〜

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1. 氷雪による太陽電池発電所の事故発生状況(分析結果)

 氷雪による太陽電池発電所の事故は、2020年度から2024年度の5年間で62件報告されています。

地域別に事故件数を見ると、2020年度から2024年度の事故62件のうち、約9割(57件)が積雪の多い豪雪地帯及び特別豪雪地帯で発生しています(図2)。





(図2) 太陽電池発電所における氷雪事故の地域別割合(2020〜2024 年度)




 都道府県別に見ると、事故件数が最も多いのは、青森県、岩手県(各14件)で、次に多いのは北海道(10件)となっています。それ以外の地域では事故件数が4件以下となっており、主に日本海側で発生しています(図3)。 一方で、日本海側ではなく、かつ豪雪地帯または特別豪雪地帯に当てはまらない地域でも、太陽電池モジュールや架台の破損事故、逆変換装置の故障などが報告されていますので、注意が必要です。







(図3) 都道府県別の氷雪事故件数(2020〜2024 年度)


































 次に、電気事故の電気工作物別の被害件数を示します(図4)。太陽電池モジュールと架台における被害(破損事故)が9割以上と、全体の多くを占めていることがわかります。その他には、逆変換装置又はインバータ 、コネクタ、ケーブル、接続箱での被害が数件発生しています。







(図4) 電気工作物別の被害件数(2020〜2024 年度)



※同一事故の中で複数の電気工作物(例:太陽電池モジュールと架台)が破損した場合、それぞれの電気工作物の被害件数を1件として計上しています。

※分析結果で示されている事故件数は2025年9月時点の値であり、今後変動する可能性があります。

2. 太陽電池発電所における氷雪被害の事例

 氷雪により発生した太陽電池発電所の事故について、事例を4つ紹介します。

事例1多量の降雪による太陽電池モジュールの埋没・破損

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事例2太陽電池モジュール上の積雪と軒下の積雪との連結に伴う太陽電池モジュールと架台の破損

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事例3 急激な積雪による架台と太陽電池モジュールの破損

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事例4 豪雪地帯以外での架台の倒壊と太陽電池モジュールの落下

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3. 太陽電池発電所への立入検査の結果について

 NITEでは2021年度より太陽電池発電所などを中心に電気事業法に基づく立入検査を実施しています。2021年度は17事業場、2022年度は59事業場、2023年度は50事業場、2024年度は58事業場の太陽電池発電所への立入検査を実施しました。ここでは、氷雪被害が発生するリスクが懸念される指摘事例について紹介します。

■ 立入検査での指摘事例

・架台強度計算に用いる垂直積雪量について、強度計算上は垂直積雪量を70cmとして計算しており、技術基準に適合しない。JIS C 8955:2017に規定する計算式によっても160cm以上である。(発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令第4条)

 →垂直積雪量を正しく計算して架台を設計しないと、積雪時に破損するリスクがあります。※地域毎に定められている垂直積雪量(想定積雪量)は異なりますので、ご注意ください。

・平常時、事故時、その他異常時における設備の操作手順及び運転方法が定められていなかった。(保安規程の遵守を命じる改善指示)

 →設備の操作手順や運転方法を整備しましょう。

・横材(パネル受け材)の一部に損傷およびパネル押さえ金具の一部に脱落が確認されたため、物件に損傷を与えるおそれがないように施設されているか確認できない。(電気設備に関する技術基準を定める省令第4条)

 →パネル押さえ金具が脱落していると、積雪によるパネルの滑落のリスクが高まります。押さえ金具のボルトなどが緩んでいないか点検しましょう。











(図5)架台破損リスクのイメージ






4. 氷雪事故リスク低減のための対応ポイント

 設置時から雪のシーズン中の対策、さらに事故が起きた時の対応について、基本的なポイントをまとめています。雪が降っている期間の対応だけでなく、雪が降る前に、積雪時を想定して対策をすることも重要です。氷雪による太陽電池発電所の被害を軽減するために、ぜひご活用ください。

■ 設置時の対策

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(図6) パネル傾斜角、架台高さの増加イメージ





■ 積雪前の事前準備

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■ 雪が降る期間の対策

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(図7) 積雪により太陽電池発電設備が損壊するイメージ

出典:積雪による太陽電池発電所の損壊事故防止について(中部近畿産業保安監督部近畿支部)



■ 事故発生時の対応

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(図8) 太陽電池発電所における感電のイメージ




■ (参考)事故後に実施された改善策事例

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5. 参考情報

■ 参考リンク

・豪雪地帯及び特別豪雪地帯の指定について(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/chisei/crd_chisei_tk_000010.html

・積雪による太陽電池発電所の損壊事故防止について(経済産業省)

https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2021/12/20211201-1.html

・積雪による太陽電池発電所の損壊事故防止について(中部近畿産業保安監督部近畿支部)(図の出典)

https://www.safety-kinki.meti.go.jp/electric/syobun/2022/chuikanki-solar-snow.html

・2024年度冬季の自然災害に備えた電気設備の保安管理の徹底について(経済産業省)

https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2024/10/20241030-2.html

■ 詳報公表システムについて

 詳報公表システムは、電気事業法に基づく電気工作物に関する全国の事故情報(詳報)が一元化された国内初のデータベースです。2020年度からの事故情報について順次公開を行っております。本システムは、電気事業者をはじめ、どなたでもご自由にお使いいただけます。事故情報を条件やキーワードで簡単に検索することができ、抽出されたデータはCSVファイルとしてダウンロードすることも可能です。

< 詳報公表システム >

 https://www.nite.go.jp/gcet/tso/kohyo.html





(図9) 詳報公表システム概要





■ NITE 電力安全センターについて

 NITE電力安全センターは、経済産業省(原子力発電設備等以外を所掌)からの要請を受け、電気保安行政(電気工作物の工事、維持及び運用における安全を確保するため行政活動)を技術面から支援するために、2020年5月、電気保安業務の専従組織として発足しました。現在、NITEがこれまで培ってきた知識や経験を活用し、経済産業省や関係団体と連携しながら、電気保安の維持・向上に資する様々な業務に取り組んでいます。

< NITE電力安全センターの業務紹介 >

https://www.nite.go.jp/gcet/tso/index.html

本件に関するお問合わせ先

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 

国際評価技術本部 電力安全センター

電話:03−3481−9823 FAX:03−3481−0536

メールアドレス:tso@nite.go.jp