【スズキ アルト 試乗評価】ハイブリッドがなくてもリッター24.5km/L達成! スズキの原点アルトの実力【レビュー:スズキ】

話題のスズキから登場した愛らしいフォルムのベーシックカーが高評価

 スズキといえばフォルクスワーゲンとの提携を発表したり、話題の多いメーカーだ。もちろん今に始まったことではなく、巷で言うところのカリスマ経営者たる鈴木修氏の指揮の下、さまざまな方針や新型車を打ち出してきた。そのひとつが、スズキ アルトだろう。乗用車ながら、貨物扱いとして登録するという発想、つまりボンバン(ボンネットバン)の先駆車として時代を切りひらいてきた。「アルト、 47万円」という登場時のコピーはこのクルマのキャラクターをよく表している。まぁ、このところ、軽自動車にもハイト系や超スペースの波が押し寄せてきており、以前ほどの輝きはないように見えるのは致し方ないか?
 というところで、新型スズキ アルトである。なんと7代目になるのだが、先代のいわゆるハッチバックセダンスタイルから一転。ボンネットからルーフまでのラインをなだらかにひとつの流れとしたスタイル、つまりモノフォルム化とし、少々、ワゴンRレベルのハイトテイストもプラスして生まれ変わった。ちなみにデザインターゲットとしては、先代が女性向けだったのに対して、今回はターゲットを絞ることなく、広い層に受け入れられることを想定しているという。丸いライトは愛嬌があるけれど、確かに男が乗っても変ではないし、老若問わず誰もが気恥ずかしくなく乗れるハズだ。

力強いけど低燃費なNEW アルトの走りは「コレで十分」どころではない凄さだ

 で、その乗り味自体が大きく進化した。スズキの軽ラインナップのなかでも、アルトはスタンダード部門を担当する車種。それだけにターボは設定がないのだが、こう文字にすると「まぁ、安いし、ベーシックだから、ガマンガマン」と思ってしまいがち。でも、こと新型に限ってはまったくもってそんなことはない。その最大の功労者が「副変速機付きCVT」だ。これは日産系のミッションメーカー、ジヤトコへスズキも出資をしたことによる採用といった側面もあるものの、とにかくこのCVTがエンジンのうま味を最大限に引き出してくれる。
 高回転を常に維持してパワーを絞り出し、そこそこ走る、みたいなイメージはまったくない。回転を低く抑えながら、滑らかに、そして気持ちよく加速していくし、アクセルに対する反応もソフトかつ確実。逆に「ターボがなくてもいいや」とまで思ってしまったほど。足回りもしなやかで、エンジンともども走りの質を1ランク以上アップさせてくれる。
 そして副変速機付きCVT の恩恵を最大限に受けているのが燃費だ。そもそもCVTはワイドレンジかつ、ハイギア寄りにもっていける特性が省燃費を引き出すのに威力を発揮する。そこにローとハイのふたつを切り替える副変速が加わったのだから、燃費もさらによくなりつつ、走りもキビキビとしたモノになって当然だ。実際のところ、FFの CVTがカタログ値は24.5km/L(10・15モード)を誇る。この数字自体がかなり優秀でありつつ、実際撮影であちこち動き回っても、20km/L を軽く割る程度。ハイブリッドではなく、純粋なガソリン車でこれほどまで、実燃費がカタログ値に近いクルマもそうないだろう。
 もちろん価格は 100万円以下が中心価格帯となる。室内の質感も明るくて開放感溢れる感じにまとめられ、アルトというか軽自動車スペシャリスト、スズキの実力が全開。「これで十分じゃん」と思わず心の中で唸ってしまったが、アルトの実力のほどを見るとそんなつぶやきもじつに自然に出てくるというものだ。

代表グレードスズキ アルト G(FF/CVT)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)3395×1475×1535mm
車両重量[kg]760kg
総排気量[cc]658cc
最高出力[ps(kw)/rpm]54ps(40kw)/6500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]6.4kg-m(63N・m)/3500rpm
ミッションCVT
10・15モード燃費[km/l]24.5km/l
定員[人]4人
税込価格[万円]95.025万円
発売日2009/12/16
レポート近藤暁史
写真近藤暁史

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