「これ動画にする意味ある?」学校も行政も…なんでも動画化でストレス爆発!ムダな演出にイライラ… “早送りで逆にタイムロスする”動画の落とし穴

今やあらゆる説明や解説が動画で提供される時代になった。便利な反面、「テキストの方が早い」「動画を見ながら検索できない」など、いちいち動画を見せられることに対してストレスを感じる人も増えているようだ。
ニュース番組『わたしとニュース』では、この「動画ストレス」について、街の声や動画制作側の意図を交えつつ、コラムニストの月岡ツキ氏とともに深掘りした。
■「文字で見られたら…」SNSや街の声から見える動画ストレス

料理のレシピ、家電の取扱説明書、自治体の手続きなど様々なものが動画で説明されるようになっている。しかし、SNSでは「動画がストレス」という投稿が…。
「最近なんでも説明が動画化されていてほんとに辛い…。PDFで何十ページ送られてきてもすぐ読めるけど、動画をご覧くださいと言われただけでギリギリまで先延ばしにしてしまう…」(ちむ子さんのXから)
街の人たちに聞いてみると、次のような不満が漏れた。
「テキストの方が理解が早い。動画で飛ばし飛ばし見ると、入ってこない」(30代男性)
「料理の終盤の作り方を見たい時に、動画を『どこだっけ』とスクロールするのは大変だから、文字で見られたら分かりやすい」(20代女性)
「記事の見出しに興味を持って見た時に『関連動画はこちら』を挟むのがイラッとする。最初から書いていてくれればすぐ見られるのに」(20代女性)
動画の方が分かりやすい場合も多々あるものの、不満が生じるのは“動画にする必然性”が感じられないものがあるからだ。SNSでは「資料を読み上げるだけの動画の意味は?」「文字で分かるものを動画にする意味はあるの?」「内容知るのに伝え手の情熱は必要なのか」などの声が上がり、中には「もはや動画をAIで要約して文字化している」という意見も見られた。
■「拡散力は圧倒的」動画化が進む背景とジャンルによる向き不向き

ストレスを感じる人がいる中、自治体や企業が何でも動画にする背景にはどのような理由があるのだろうか。アニメーション動画を制作している「なべデザイン」の田邊裕貴氏は、次のように説明する。
「拡散具合はやはり動画の方が圧倒的に強い。文字だけよりは勝手に流れてくる動画の方が見てくれる可能性は高い。営業ツール的な役割を持たせてウェブサイトに入れたい案件も多い」
月岡氏は次のように語る。
「料理のレシピなどは、最初に全体をテキストや写真で見て『大体こういう感じね』と思ってから作業を始めたいタイプなので、静止画の方が好き。ただ、この間、説明書を見ながら機材の組み立てをする際に、『AのジョイントをBに差し込んで、Dをどうする』といった説明だけでは全く理解できず、『動画にしてくれ』となった。場合やジャンルによると思う」(月岡氏、以下同)
■「見る側は困っている?」親切心が招く落とし穴
「動画にする必要性」が感じられないもの。その一例として、学校の案内を上げる人も。
「保護者会向けの説明会なども動画になっていて、作る方も面倒臭い。見る方も時間がかかるし、昔みたいに紙の資料に戻してーと思うのはおばさんなのでしょうか(笑)」(ちむ子さん・教員)
これに月岡氏は「学校から送られてくるプリントを読むのも大変なのに、動画も確認しなければならないとなると親側も結構大変。プリントだけでいいのか、動画をちゃんと見た方がいいのか、見ないと怒られるかなと思ってしまうだろう。親切にしているつもりが、みんな困っている状況になってしまっている」とコメント。
■長いOPに寸劇…動画視聴のストレスポイント
番組では、多くの人がストレスだと感じるポイントをまとめた動画を作成し、検証を行った。無駄に長いオープニングや、「5分でわかる講座」と言いながら寸劇が始まったり、資料をそのまま読み上げるだけの構成に、月岡氏も次のようにツッコミを入れる。
「会社のセキュリティ研修の動画でこういうのを見たことがあり、既視感がある」(月岡氏、以下同)
早送りや倍速にすると、重要なポイントを飛ばしてしまい、結局戻して確認する羽目になるという悪循環も起きやすい。
「YouTubeで早送りにすると、みんなが再生しているところが山になって出てくるから、そこから見るようにしたりする。最低限チャプターに分けてくれていればいいが、そこまでしてくれていないことが多い」
テキストで十分な情報をあえて動画にすることで生じる「動画ストレス」。ユーザーの利便性を無視した“なんでも動画化”の波は、発信側の自己満足に陥っていないか、今一度立ち止まって考える必要がありそうだ。
(『わたしとニュース』より)
