5月24日に東京競馬場で行われたオークス。JRA所属の女性騎手として初のG1制覇を成し遂げたのは、今村聖奈騎手(22)だ。歴史的勝利を掴んだ彼女のジョッキー人生は……。

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今村聖奈騎手(22)

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JRA所属の女性騎手として初のG1制覇

 競馬担当記者が言う。

「5番人気のジュウリョクピエロはレース終盤まで後方待機で、今村が追い出しにかかったのは最後の直線400メートルから。密集した馬群の間をするする縫って、名手・ルメールが乗るドリームコアをゴール直前で差し切った。初クラシックとは思えないほど落ち着いた手綱さばきでした」

 彼女が装着したレース中のカメラ映像がJRAの公式チャンネルで公開されると、1週間で異例の約340万回再生を記録した。

「今村は『きゃー』と歓喜し、ウイニングランでは『やったね、ピエちゃん。あんたいっちゃん(1番)かっこいいわ!』と関西弁で愛馬を称えました」(同前)

スマホの不正使用で処分も…

 2022年3月にデビューした今村。新人騎手として史上5人目、新人女性騎手では初めての年間50勝を達成する(51勝)。重賞初騎乗となったその年7月のCBC賞では鮮やかな逃げ切り勝ちを収めた。

 だが、好事魔多し。翌23年5月、競馬開催中の禁止事項にもかかわらず、騎手控室などでスマホを不正に使用していたとして6名の若手騎手が処分(騎乗停止30日間)された。そのうちの1人が今村だ。

「今村は京都競馬場でスマホを使用していたのに加え、レース前日の夜に競馬学校同期で親友の角(つの)田(だ)大河騎手とスマホで会話していたことも分かった。この時虚偽申告で処分を逃れていたのが、藤田菜七子(ななこ)騎手(後に引退)でした。今村らは藤田の対応に不満を抱いていたといいます」(同前)

 結局、今村は処分の影響もあり、23年は新人だった前年の勝利数から半減となる25勝に留まった。

「さらに24年6月には調教中に落馬し、右肩を脱臼。手術を受け、3カ月の長期休養を余儀なくされました」(同前)

親友・角田の死に憔悴「大河の分も頑張るからね」

 そして、彼女に追い打ちをかけるような出来事が起きる。24年8月、親友の角田が亡くなったのだ。

「角田は夜間に函館競馬場の芝コースに車で侵入していたことが発覚。聴取には『飲酒はしていない』と述べていたものの、後日JRAからの処分を受ける見込みでした。ところが、突然連絡が取れなくなった。死因は明らかになっていませんが、自死とみられています」(競馬関係者)

 今村は角田の死に大きなショックを受け、憔悴していたという。

「2人は共に父親がJRAの元騎手で、栗東の同じ小学校に通っていました。ケンカばかりの時期もあったそうですが、競馬学校入学後は公私ともに相談できる仲に。スポーツ報知の対談では自分だけが知る相手の一面について、今村は『お互いアホすぎる(笑)』と語っていました」(同前)

 角田が亡くなった直後、SNSに〈大河の分も頑張るからね。素直に応援しててね〉と綴った今村。24年は僅か6勝に留まったものの、25年は22勝と復調の気配を見せていた。

「ピエロは芝向き」進言で掴んだオークス制覇

「普段は愛嬌がある明るい子で、昨年は一時、3歳上の菅原明良騎手との交際説も取り沙汰された。愛車はレクサス。『お酒は激弱だけど大好き』と公言しています」(同前。マネジメント会社は「菅原騎手とは仲良くさせて頂いているが、交際したことはない」などと回答)

 そんな彼女にとって、勝負の1年となった今年。現役の調教助手が証言する。

「今村は馬主にも調教師にも物怖じせずに意見を言うタイプ。ピエロは血統背景から元々ダート路線で走っていましたが、成績は振るわなかった。そこで彼女が調教師に『ピエロは芝向きです』と進言し、芝路線に転向。すると、3連勝で一気にオークス制覇まで果たしたのです」

 苦難を乗り越え、自らを貫き、手にした栄光。いっちゃんかっこいいわ!

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年6月11日号)