米国とイランが戦闘終結で合意したとはいえ、地域情勢が安定し、世界経済の混乱が収束に向かうのかは不透明だ。

 日本は米国や、価値観を共有する国と連携して沈静化に努めねばならない。

 先進7か国首脳会議(G7サミット)がフランスで開幕し、高市首相が初めて出席した。

 首相は初日の会議で、戦闘終結の合意について、「最終的な合意が一日も早く実現することが重要だ」と述べた。

 合意が着実に履行されるよう、米国とイランに対し継続的に働きかけていくことが大切だ。

 首相は、ホルムズ海峡における自由で安全な航行と、イランの核開発阻止の確保が重要だと強調した。合意を受け、英国やフランスなどは、航行の安全確保に貢献するとの共同声明を発表しており、日本も後押ししたい。

 ホルムズ海峡の封鎖で各国の石油調達が困難になったことを踏まえ、首相は、レアアース(希土類)などの重要鉱物の共同備蓄を推進する構想を提案した。

 G7などと連携し、各国が90日分以上の国家備蓄を持ち、供給が途絶えた際には放出する内容だ。重要鉱物について備蓄制度の必要性を訴える狙いがある。日本主導の取り組みを積極的に打ち出したことは評価できる。

 念頭にあるのは、中国によるレアアースの輸出規制だ。中国がシェアの約7割を占め、経済的威圧の手段に使っている。

 日本はG7で唯一、重要鉱物の備蓄制度を持っている。構想への参加を希望する国に専門家を派遣するなど支援を進め、調達の多角化につなげたい。

 サミットに先立ち、首相は、自由で透明性ある貿易の確保、石油備蓄の強化への支援、産油国と消費国の連携からなるエネルギー安全保障3原則を発表した。

 原油市場を巡っては、供給不安が続くとの見方が出ている。東南アジアの各国は備蓄量が少なく、戦闘開始後に影響が広がった。中国が自国内の原油の備蓄を過剰に積み増して混乱に拍車をかけた、との指摘もある。

 日本はすでに「パワーアジア」と呼ばれる原油調達の支援を行っていて、評価を得ている。アジア唯一の参加国として、こうした取り組みをG7各国にも広げていくことが欠かせない。

 首相は、トランプ米大統領をはじめ、他のG7首脳とも良好な関係にある。今後も結束維持への役割を果たしていきたい。