満を持して北中米ワールドカップに臨む。日本代表は13日、グループリーグ初戦・オランダ戦に向けた前日練習を行った。MF堂安律(フランクフルト)はさまざまな感情が入り混じりながら、それでも冷静に初戦を見据えた。

「ミックスの感情で、ワクワクと少しの緊張と、自信満々な自分と、少し不安な自分もいる」。堂安はそう自身の心境を吐露する。「本当に堂々と自分が自信を持って言える状況は大会後しか来ない。試合前は緊張感もあるし、不安もあるなかで、それを払しょくするために今まで僕らはトレーニングをしてきたので」とここまでの道のりを振り返りながら、「大会後、自信満々と僕らがチャンピオンだって言えるように、しっかりとやっていきたい」と力を込めた。

 前回大会はドイツ戦、スペイン戦とネットを揺らし、大会2ゴールを決めた。あれから3年半が経って迎えた2度目のW杯。その心境の変化を認めながら、「責任感が大きい」と自己分析する。

「たぶん4年前の自分だったら、おそらく緊張なんて言ってなかった。その緊張する自分も受け入れられるし、不安な自分も受け入れられる」。弱い部分を認めたからこそ、ごまかしの無い心の強さを手にした。「本当の自分の強さっていうものを、いま見せられる時が来たと思う。人としてかなり成長した4年間だった。本当に集大成だと思う。死ぬ気でやりたい」。自分をさらけ出すことに臆することもない。

「逆に自信があるからかもしれない。自信があるからこそ、こうやってこの言葉が日本中に発信されることもおびえていない。偽りの自分を見せようとも思っていないし、本当に堂安律をさらけ出して、人間味のあるところを見せながら、最後は堂々と笑って終えたいと思うので」

 グループリーグの行方を大きく左右する、初戦オランダ戦。堂安はポイントに「隙を見せないこと」を挙げた。森保一監督が「凡事徹底」とも表してチームに落とし込んだ言葉を、堂安は「日本人が間違いなく世界で勝てるところ」と胸を張る。

「一言で言うと本当にサボらないこと。一つひとつのポジショニング、一つひとつのコーチング。いろんな国の分析をしたけど、日本人ほどスプリントバックをしているチームはない。あれを見ていると僕たちが世界一になってもおかしくない。そういう凡事徹底をやっていきたい」。全員が高い意識を持ちながら、試合を通して持続し切る強さに、背番号10は自信を隠さなかった。

 目指すは世界の頂点だ。以前から優勝を公言してきた堂安は、目前にチームを離脱したMF遠藤航にも触れる。「僕だけじゃなくて航くんも、キャプテンとして僕よりも言われる立場の人が会見で(優勝と)言ってくれたことによって、国民の皆さんと監督と日本中みんなが後押しをしてくれた」。それは慢心ではなく有言実行。「僕たちはまだまだチャレンジャー。優勝候補のひとつにも、僕はまだないと思っている。だからこそしっかり一戦必勝でやっていきたい」。自らの言葉を実現させるために、まずは目の前の強敵に全力で挑む。

(取材・文 石川祐介)