応県木塔をデジタル再現、文化遺産の新たな楽しみ方 中国山西省

【新華社太原6月10日】中国山西省朔州市応県の応県木塔風景区に、木塔をデジタル空間で楽しめる没入型体験スペースがオープンした。仮想現実(VR)ゴーグルなど特別な機器を装着せずとも木塔の内部を「見学」でき、映像の中で塔を1階ずつ「登る」ことができる。
応県木塔は平面が八角形で、外側から見える「明層」5層と見えない「暗層」4層の計9層からなる。現存する世界で最古かつ最も高い登塔可能な木造楼閣式建築だが、戦火や人為的構造変更などで傾斜が進み、この十数年は観光客の登塔を禁止している。

風景区の開発・運営を担う応県木塔文化旅游開発は、古建築の保護と観光客の体験を両立させるため、複数の企業や機関と共同で人工知能(AI)とマルチモーダル(複数情報の同時処理)技術による没入型体験プロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトの参加企業、上海妙文創意科技の楊吟凱(よう・ぎんがい)副総裁は「最大の特徴は5面のスクリーンで空間を取り囲む全方位型の映像システムで、包み込まれるような没入感を実現した」と語った。

映像には木塔の構造や牌額、彫像、彩色画、壁画、斗栱(ときょう=ますぐみ)が鮮明に再現されている。音声やテキスト、図、動画を組み合わせた立体的な解説は、木塔の過去と現在、関連文化財の魅力を余すところなく伝えている。
中国では、一般開放に適さない、十分に鑑賞できないなど文化財に関わる問題がデジタル技術で解決されつつある。(記者/王学濤、陳志豪、張哲)







