任期満了に伴い5月行われた珠洲市長選挙で、選挙管理委員会が仮設住宅の団地の敷地内で選挙運動をしないよう伝えていたことが分かりました。

総務省は、仮設住宅での運動は可能としていて市の選管の判断と相違があります。専門家や住民の声を取材しました。

珠洲市選挙管理員会は、珠洲市長選挙の立候補予定者説明会や事前審査において仮設住宅がある団地の敷地内で選挙運動をしないよう陣営関係者に口頭で伝え、選挙期間中にも敷地内で活動した陣営に対し注意をしたということです。

公職選挙法では国や地方公共団体が所有・管理する建物での選挙運動は原則禁じていますが、公営住宅は除くと明記されています。

選挙管理委員会の担当者は「仮設住宅は公共施設であり、施設の管理者の立場から選挙運動をしないよう両陣営にお願いした」と話しています。

しかし、総務省の担当者は「仮設住宅は公営住宅に類するため選挙運動は可能」としています。

専門家「新人候補のしたいことがより伝わりにくいという影響はあったと思う」

政治学を専門とする金沢大学の木村高宏准教授は、解釈のミスを指摘します。

金沢大学・木村高宏准教授「公職選挙法上の解釈の明らかなミスだと考えられる。今回の珠洲市長選挙に関しては、現職対新人の争いだったので、特に新人候補のしたいことがより伝わりにくいという影響はあったと思う」

泉谷満寿裕氏の陣営・番匠雅典市議「仮設住宅に住んでいる人が珠洲市の3分の1を占めているので、そういった人への政策の訴えができないんだなというような絶望感を感じた。不公平が出ないような形で対応してもらいたい」

浦秀一氏陣営のスタッフ「現職はこれまで行政を通じて、あるいは市長という立場を通じて、いろんな思いを市民に訴えられてこられた、そういう機会があった。そういう点では新人にとっては不利になったんじゃないかなと思う」

「経緯総括し、公表が必要」

珠洲市の人口はおよそ8000人で、仮設住宅に暮らしているのは2700人ほどです。

仮設住宅の住民 Q.仮設住宅での選挙運動は?「私は問題ないと思う。なんでって、逆に。うそーと思う」「そんなことは全然関係ないと思う。選挙はどこで立候補して、どこに行こうと、珠洲市やったらそれでいい」

金沢大学の木村准教授は、仮設住宅団地での選挙はどこでもあり得る話なので、全国の選管で共有するため経緯を総括し公表することが必要だとしています。