1960年創業…名古屋・大須を代表する老舗洋食店『キッチントーキョー』街の変化と共に愛され続ける昭和の味
昭和35年創業、大須を代表する老舗洋食店「キッチントーキョー」。映画館が立ち並び、“万ブラ”でにぎわった時代から、街の変化とともに愛され続けてきました。
■老舗洋食の名物「煮込みハンバーグ」
大須本通にある、コック帽のキャラクターで親しまれる「キッチントーキョー」。看板メニューは、トロトロの半熟卵と濃厚なデミグラスソースが自慢の「煮込みハンバーグ定食」(1480円)です。
2代目店主・加藤正明さん:
「大須は下町ですので、“下町の洋食”をテーマに、ご飯と赤出汁で提供しています」
■映画館文化と下町洋食
昭和35年、初代店主の加藤正見さんがこの地にレストランを開業しました。
2代目店主:
「店の名前は、先代が東京に憧れて付けました。大須に何軒かある古い洋食店の中では、うちは新参者なんです」
当時、名古屋の人たちにとって憧れだった東京の名前を店名に取り入れたといいます。
2代目店主:
「大須では、銀ブラならぬ、万松寺通りをぶらぶらする“万ブラ”なんて言われていました」
大正後期から戦後にかけて、大須は映画館や劇場が立ち並ぶ名古屋随一の繁華街としてにぎわいました。映画鑑賞のあとにディナーを楽しむのが、当時のぜいたくな休日の過ごし方でした。
今も残る大正時代創業の「御幸亭」や、昭和24年創業の「すゞ家」など、ハイカラな洋食店も軒を連ねていました。
そんな中、昭和35年にオープンした「キッチントーキョー」。当時の写真を見ると、客席は満席で、その盛況ぶりがうかがえます。
しかし、その後、名古屋のにぎわいの中心は徐々に栄へ移り、人の流れも変化しました。そこで2代目は少しずつ方向性を転換。「庶民の食堂」として価格を抑え、親しみやすい洋食文化を広めていきました。
現在、店の味を受け継いでいるのは3代目の徳重勝彦さんです。
3代目店主:
「まずは味を守っていくこと。そして家族で安くおいしく食べられる店を作っていきたいです」
昭和から令和へ。大須の歴史とともに歩んできた老舗の味は、これからも街の人たちに愛され続けます。
2026年5月18日放送
