「平目漬丼」は黄身をヒラメに絡めると、濃厚だが、まろやかな味になる

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八戸支局長 福浦則和

 青森県八戸市の陸奥湊(むつみなと)地区は、漁港に近い朝市の街。

 鮮魚店などが軒を連ね、毎日午前3時頃から商売が始まる。多い日は約3万人が訪れる国内最大規模の館鼻(たてはな)岸壁朝市の会場も、すぐそばだ。

深みのあるタレは唐辛子とニンニクを隠し味に

 地区の一角にある海鮮料理店「みなと食堂」は、八戸の中心街から車で10分ほど。古びた外観と、潮風でずたずたに破れたのれんが目印だ。地元の海の幸をのせた丼が人気で、平日の午前に訪れてみると、観光客でほぼ満席だった。

 「何度も食べたくなる」と評判なのが、「平目漬丼」(1350円)。もちもちした平目の漬けをご飯の上に敷き詰め、卵黄とわさびが中央にのっている。漬けに使うタレは、しょうゆとみりん、酒がベースで、唐辛子とニンニクを隠し味にしている。ヒラメ本来の甘みが引き立つよう、短時間漬けるだけだが、辛みとニンニクの香りがしっかり残り、深い味わいだ。

 店主の守正三さん(66)のこだわりは、もう一つ。仕入れたヒラメを2日ほど冷蔵庫で寝かせる熟成だ。10歳代の頃に漁師をしていた経験があり、魚を最もおいしくするコツがわかったという。

 平目漬丼をメニューに加えたのは18年前。それまではラーメンやカツ丼などを出していたが、常連から「ヒラメの漬丼が食べたい」と言われたのをきっかけにし、名物に育てた。

 市内では昨年12月に震度6強の地震が発生。最寄り駅があるJR八戸線は約3週間運休したが、「どんな時でも商売をやるしかない」と守さんは前向きだ。

こちらもオススメ…山の幸満載の「せんべい汁」

 丼の値段に200円加えると、郷土料理の「せんべい汁」(単品の場合は450円)が付いてくる。こちらはエノキやシイタケなど山の幸が満載。軟らかめの南部せんべいに味が染みて、何とも言えない懐かしさを感じさせてくれる。

 ※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。

 国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。

みなと食堂

 青森県八戸市湊町久保45の1

 午前6時〜午後2時(ラストオーダー午後1時半)。日、月曜定休