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 NHKは4日、2028年度前期の連続テレビ小説(第118作)の制作発表・主演会見を行った。タイトルは「ほんのモキチ」で、ヒロインは女優・河合優実(25)が務めると発表した。脚本はヒットメーカー・宮藤官九郎氏が手掛ける。歌人・斎藤茂吉とその妻・輝子をモデルにした朝ドラ史上 「最も不仲な夫婦」の物語を描く。

 斎藤茂吉は近代短歌を代表する歌人であり、精神科医としても活躍。その生涯を支え、晩年には世界108カ国を旅した行動派の妻・斎藤輝子の物語だ。

 茂吉は1882年、山形県の農家に生まれた。上京し医師・斎藤紀一のもとで学び、後に斎藤家の養子に。東京帝国大学医学部を卒業後、医学と両立しながら歌人・伊藤左千夫へ入門し、本格的に短歌を学んだ。1913年に刊行した第一歌集「赤光」の「死にたまふ母」などの作品によって一躍、歌壇の中心人物となった。その後短歌結社「アララギ」の中心的存在として近代短歌の発展を支えた。

 一方、輝子は1895年、東京・浅草の医師・斎藤紀一の次女として生まれた。学習院女学部で学び、1914年に茂吉と結婚。若い頃から活発な性格で知られ、1924年には欧州留学中の茂吉と現地で合流し、ヨーロッパ各地を旅した。後年にはその行動力がさらに発揮され、アジアやアフリカの秘境をはじめ世界108カ国を訪問。79歳で南極大陸を訪れ、南極旅行の最年長記録に並んだことでも話題となった。こうした豪快な生き方から「快妻オバサマ」「猛女」と呼ばれたと、斎藤茂吉記念館が記している。

 茂吉は「近代短歌の巨人」と称される一方、輝子は型破りな人生を歩んだ女性として知られる。内省的な歌人と、世界を駆け巡った行動派の妻。対照的な二人の存在は、多くの文化人を生み出した斎藤家の礎ともなった。

 宮藤氏は「あまちゃん」以来15年ぶりの朝ドラ執筆となった。チーフ・プロデューサーは連続テレビ小説「らんまん」などで知られる板垣麻衣子氏。

 実在の人物である輝子と茂吉をモデルとするが、大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは、一部改称してフィクションとして描く。ドラマ上の役名は杜(もり)テル子、杜(もり)モ吉。

 宮藤氏は今作について「女性が活躍する時代、自由に言いたいことをいう女性のキャラクターがいい」とコメント。「あくまでコメディをやりたい」といい、「夫婦の話がいい。朝から観たら楽しいだろうなって」と意図を明かした。

 また輝子について「良妻賢母が賞讃された時代に、家事も育児も一切せず、権威をものともせず自由奔放に生きた方。夫は歌人にして精神科医の斎藤茂吉。二人の息子も精神科医。そしてご自身は…元祖グラビアモデルにして、元祖バックパッカー、そのうえ元祖インフルエンサー?なんかすごい。いたんだ、そんな人が、あの時代に」と驚き「真っ先に河合優実さんが浮かんだ」とキャスティングの意図も明かしていた。