金田喜稔がアイスランド戦を斬る!「勝てたのは合格点。久保とFW陣のコンビネーションの質を高めることが、本大会で得点を奪う重要なカギに」
北中米ワールドカップ前の壮行試合。日本代表はアイスランド代表と国立競技場で対戦し、87分の小川航基の得点で1−0の勝利を収めた。
壮行試合の評価は、全体的に難しい。アイスランドはそこまで強い相手ではないし、もう少し格上のチームとのマッチメイクも選択肢にあったかもしれない。
ただ、冨安健洋のコンディションの確認や、約3か月半ぶりに実戦復帰した遠藤航の回復具合もチェックしたい。ワールドカップ初戦まで2週間しかないため、怪我のリスクを避けて、疲れも残したくない。
このような状況下で、勝てたのは合格点をあげてもいいと僕は思った。
チームにとっても大きな安心材料になったはずだ。特に冨安や遠藤がある程度、プレーができるメドが立ったのも含めて、ワールドカップに向けた良いスタートが切れたと言えるだろう。
ワールドカップでは、いくつか新しいルールが導入される。アイスランド戦はそれらを体感する良い機会になったよね。
新ルールのなかで特に重要なのが、前後半にそれぞれ3分ずつ設けられる給水タイム(ハイドレーションブレイク)だ。これは単なる水分補給ではなく、戦術を確認させて、選手同士でコミュニケーションを取るための重要な時間になる。
この2回の時間とハーフタイムを使って、監督やコーチの指示を受けて、選手たちがいかに的確に修正できるか。給水タイムを上手く使えるチームが、ワールドカップで勝ち残っていくだろう。
また、選手交代時の10秒ルールも重要だ。今回、アイスランドがこのルールをよく理解していなかったのか、彼らはペナルティを受けた。その結果、一時的にフィールドプレーヤーが1人少ない状況でプレーする時間が生じて、その間に失点した。
もし、本大会で日本が同じ過ちを犯せば、強豪相手には致命的な事態を招きかねない。スローインの5秒ルールも含め、こうした細かなルールへの対応をチーム全体で徹底する必要がある。
さらにワールドカップでは、暑さが大きな敵になる。1994年のアメリカ大会で、僕は実際に現地に行ったけど、あの暑さでアグレッシブなプレッシングを続けるは不可能だよ。現在は当時よりも、さらに気温が上がっているはず。そのため、本大会では多くのチームが引いて守り、少ない手数で攻め切るカウンターを狙うことになるだろう。
アイスランド戦に関しては、前半の日本はボールを保持しながらも、相手の堅い守備をなかなか攻略できずに決定機を作れなかった。もっと縦パスが欲しかったけど、横パスが多く、ボールスピードも遅かったため、相手のスライドが間に合ってしまっていた。
相手の守備を崩し切れない展開が続いていたが、久保建英は違いを見せていた。ワンタッチの縦パスなどで、効果的に変化をつけようとしていた。
でも、結果的にフォワードの上田綺世や小川には繋がらなかった。その理由は、彼らが久保からのパスのタイミングに気づけていなかったからだと思う。反応が完全に遅れていたよ。久保のパスが通っていたら、局面はまったく変わっていただろう。
このコンビネーションの質を高めることが、本大会で得点を奪うための重要なカギになる。久保のパスを上田や小川、後藤啓介や塩貝健人らフォワード陣が正確に受ける。そこに伊東純也や中村敬斗など、3人目の選手が絡んで攻撃の起点を作っていく。
